碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「あまちゃん」サントラ盤の全曲解説が面白い

2013年06月24日 | テレビ・ラジオ・メディア

NHK朝ドラ「あまちゃん」のサウンドトラックが売れているらしい。

NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」のサウンド・トラック(サントラ盤)が、サントラ盤としては空前の大ヒットを飛ばしていることが21日、分かった。

高視聴率に比例して、サントラ盤も絶好調だ。出荷数は発売3日目にして早くも3万枚に到達。発売元のビクターの関係者は「サントラ盤としては極めて異例」と驚き「5万枚突破が狙える」と高い期待を寄せた。

オリコンアルバムデイリーチャートでも発売から5、6、7位と高水準をマーク。GReeeeNやB’z、May.Jなど強豪強豪がひしめく中で大健闘している。

(デイリースポーツ 2013.06.22)


で、私も辛抱たまらず、ついに入手(笑)。

オープニングテーマをはじめ、ドラマの中で聴いている、あの曲この曲が並んでいます。

これがまた、どれもいいんだよなあ。

しかも、作曲者である大友良英さんが書いた、「入魂の35曲全曲解説」が抜群に面白くて、驚くやら、感心するやら。

拍手です。

たとえば、「芸能界」という曲について・・・・

「東京編の太巻をはじめとしたザッツ芸能界を想定して書きましたが、実際どう使われるかな・・・ってか、芸能界って本当にこんな感じなのかなあ? んなわけないとは思うのですが、そもそも芸能界よく知らないし、でもまあ、僕らの知らない業界ってことで、思いっきり別世界感を出してみました」

・・・・なーんて書いてあるのだ。

今回、全35曲を聴いてみて、あらためてドラマにおける“音楽のチカラ”を思いました。

いやはや、大友さんは天才だあ(笑)。



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スクリーンで、「グレン・グールド 27歳の記憶」を見る

2013年06月24日 | 映画・ビデオ・映像

原稿の仕事をちょっとサボって、新百合ヶ丘にある川崎市アートセンターへ。

上映中のドキュメンタリー・フィルム「グレン・グールド 27歳の記憶」を見る。

原題は「Glenn Gould: Off the Record / On the Record」だ。

前半は、カナダのトロント郊外にある別荘での練習風景。バッハの「パルティータ第2番」などが聴ける。

後半は、ニューヨークのコロンピア・レコードでの録音風景。こちらは「イタリア協奏曲」が中心だ。

スタンウエイが並ぶ倉庫で、ピアノを選ぶところなんて、見ていて嬉しくなる。

よく知られた超低めの椅子。

ピアノを弾きながら歌うというか、唸りながらの(笑)独特の演奏スタイル。

時には、左手で鍵盤を叩きつつ、右手で指揮をしていたりする。

納得いくまで録音を続ける様子からは、演奏会よりもレコードを優先したグールドらしさが垣間見られた。

時は1959年。

制作したのはカナダのテレビ局だ。

モノクロフィルムに焼きつけられた、若き日の天才の姿。

画質は現在とは比べるべくもないが、その内容が画質など凌駕する。

DVDも発売されているが、音楽ドキュメンタリーであり、人物ドキュメンタリーでもある傑作を、スクリーンで見られたことはラッキーでした。






上映は川崎市アートセンター・アルテリオ映像館にて、7月5日まで。

http://kawasaki-ac.jp