コカ・コーラ 自販機キャンペーン
「世界一カフェ」篇
いつもの自販機 私には「世界一」
北陸のどこかにある町。女子高生(古川琴音、紫乃)にとって、海辺のバス停のベンチは「特別な場所」だ。座るのも寝そべるのも自由。自販機があり、たった130円で、まったりとお茶できる。
周囲に誰もいないから、秘密を打ち明けても大丈夫だ。「ねえ。やっぱし東京にするわ、大学」と琴音さん。平気を装いながら「ほうけ」と応じる紫乃さん。
「ほやけど、ここが世界一のカフェやわいね」と琴音さんが続けると、紫乃さんはすかさず「オーシャンビューやし」と笑いかける。2人の個性的な少女と、あたたかみのある方言が印象に残るが、実はこれ、飲み物ではなく自販機のキャンペーンCMなのだ。
さらに琴音さんが海に向かって「東京オ~、待っとれやア~!」と叫ぶ。すると紫乃さん、やはり海に向かって大声で「この娘(こ)、頼むさけなア~!」。かけがえのない故郷の親友も、自販機が待つカフェも、やっぱり世界一だ。
(日経MJ「CM裏表」2019.12.09)