碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「女子アスリートとスポーツキャスター」についてコメント

2012年08月21日 | メディアでのコメント・論評

『週刊プレイボーイ』最新号の、「いま、芸能界が最も注目している女子アスリートとは?」という記事の中で、コメントしています。

女子選手たちのうち、誰がスポーツキャスターにふさわしいかという、分かりやすい内容ですね(笑)。


プロダクションが争奪戦!
芸能界が潮田、田中よりも注目する
女子アスリートは!?


五輪が終わっても、まだまだ熱いバトルは続いている。

日本中を熱狂させた美女アスリートたちをめぐって、テレビ局や芸能プロダクションが激しい争奪戦を繰り広げているというのだ。

すでに現役引退を発表したバドミントンの潮田玲子(28歳)と、今年限りで引退濃厚な体操の田中理恵(25歳)はスポーツキャスター転身が既定路線。知名度と人気を考えれば芸能界でも活躍するのは間違いなさそうだが、テレビ局関係者からは「五輪で評価を下げた」という声も。民放キー局の中堅局員が話す。

「潮田さんは自身のブログに、交際中の恋人に向けたと思われるメッセージをアップしたでしょ? 影響力ある日本代表選手が、軽はずみにああいうことを書いてしまうのは正直いただけない。何をしでかすかわからないですし、ちょっとリスキーな印象がついた」

一方の田中理恵は、団体で8位入賞に貢献したものの、個人総合では16位と振るわなかった。

「あんなに平均台でしりもちを何度もつくとは思いませんでした。芸能界は批判されることが多いのですが、メンタルが弱いのかなと心配です」(中堅局員)

そんなふたりを尻目に、評価をグンと上げた美女アスリートもいる。馬術の武田麗子(27歳)はそのひとり。別の民放局員が話す。

「彼女は武田薬品工業の創業者一族という話ですし、ルックスも清楚で品がある。スポンサーありきのテレビ局としては、のどから手が出るほど欲しい逸材ですよ」

そして、今回、テレビ局関係者だけではなく、マンガ家のやくみつる氏、上智大学文学部新聞学科の碓井(うすい)広義教授、芸能評論家の肥留間(ひるま)正明氏のお三方に、「芸能界に向いているアスリートは?」と尋ねたところ、全員が太鼓判を押した美女がいた。競泳で銀1、銅2、計3個のメダルを獲得した鈴木聡美(21歳)だ。

「夏目雅子(故人・女優)さんの再来ともいわれていますが、その評に違わぬ美形。メイク映えする顔立ちなので、テレビにはもってこいだと思います。大げさではなく、タレントとして10年にひとりの逸材」(やく氏)

「声優を目指しているというだけあって、非常に聞きやすい声をしていますね。インタビューではよどみなく話していますし、頭の回転も速い。キャスターとしてすぐに活躍できる」(碓井氏)

肥留間氏は鈴木聡美とともに、競泳で2個の銅メダルを獲得した寺川綾(27歳)もプッシュ。

「メダリストとして脚光を浴びていますが、過去には北京五輪の代表選考会で落選するなどの苦労もしている。美人でありながら、泥くさい部分もあり、その振り幅の大きさが魅力ですね」

そのほかでは、引退が濃厚なレスリングの浜口京子(34歳)はどうか。タレント性は申し分なさそうだが。

「彼女はキャスターよりもグルメリポーター向き(笑)。個人的には、ご両親と3人でトリオ漫才を見せてほしい」(やく氏)

親子鷹として忘れてはいけないのが、重量挙げ48kg級で銀メダルを獲得した三宅宏実(26歳)。

「五輪後に親子で『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に出演していましたが、お互いにボケたり、ツッコんだり、息がピッタリで漫才のようでした(笑)。芸能プロに所属して活動するようになったら、かなり面白いかもしれないですね」(碓井氏)


これまでも五輪後にキャスターやタレントに転向したアスリートは数多くいた。だが、成功を収められたのは、ほんのひと握りだろう。何が明暗を分けたのか。肥留間氏はこう話す。

「バラエティに出て、芸人にイジられるようになったら終わりだと思います。笑われることで過去の栄光は汚され、ひいては自身の格が落ちてしまう。完全にタレントになるのではなく、もともとの競技とつながりを持ち続け、元アスリートという立場を忘れないでほしいですね」

果たして、生き残るのは?

(取材・文/高篠友一  週刊プレイボーイ 2012.09.03号)







オリンピック選手「凱旋パレード」に50万人

2012年08月21日 | テレビ・ラジオ・メディア
(毎日新聞夕刊 2012.08.20)


オリンピック選手たちの凱旋パレード。

銀座に、なんと50万人!

ニュースでもやっていたけど、ほんと、銀座が人で埋まっていた。

どんだけ見たいんだあ~(笑)。


金曜日に、このパレードを実施して、そのまま国会前まで誘導すれば、「50万人デモ」が出来ちゃったのに。

惜しい(笑)。

甦る、「サイボーグ009」

2012年08月20日 | 本・新聞・雑誌・活字

雑誌『Pen』最新号の特集は、「サイボーグ009」だ。

この前は「ルパン三世」だったし、その前は「円谷プロ」だったりした。

どこまでやるんだ、Pen!(笑)。


漫画雑誌『週刊少年キング』で、「サイボーグ009」の連載が始まったのは、東京オリンピックがあった1964(昭和39)年だ。

作者は、石ノ森ではなく、石森章太郎。

『少年キング』は前年に創刊された新興勢力で、創刊号から愛読していた。50円だった。

「サイボーグ009」の登場も記憶にある。

009も、ふだんの島村ジョー(レーサーだった)も、とにかくカッコよかったからだ。

そして、003のフランソワーズ・アルヌールは、小学生の私から見ても、実にキレイなお姉さんだった(笑)。

長い年月の連載が続き、壮大にして、深い世界観の物語となっていった「009」。

公式には未完なのかもしれないが、私の中では、002(ジェット・リンク)と共に“流れ星”となる回で終わっている。

 「ジョー! きみはどこにおちたい?」

忘れられないシーンだ。


この特集のおかげで、あらためて石森章太郎と009の世界が甦ってきました。

全巻、読み直そうかなあ(笑)。



「ロンドン・パラリンピック」のCMが、すごい

2012年08月19日 | テレビ・ラジオ・メディア

「ロンドン・オリンピック」の次は、「ロンドン・パラリンピック」だ。

今月29日から9月9日まで開催される。


イギリスの「チャンネル4」が制作した、パラリンピックのCMがすごい。

「チャンネル4」は、BBCの、文字通り4番目のチャンネル。

ま、そんなことはともかく(笑)、このCM映像に圧倒されました。


パラリンピックとは何なのか。

パラリンピックのさまざまな競技。

アスリートたち。

その果敢な挑戦と背景。


Meet the Superhumans


見ているだけで、胸が熱くなる。

29日からの競技を、ぜひ見たいと思う。

そして、たくさんの人が見て欲しいと思う。

そう感じさせるだけのチカラが、このCMにはある。








<CMはYouTubeで視聴可能>

Channel 4 Paralympics - Meet the Superhumans
(Annotated Version)

http://www.youtube.com/watch?v=kKTamH__xuQ&feature=player_embedded



出ました、『テレビ60年 in TVガイド』

2012年08月18日 | テレビ・ラジオ・メディア

東京ニュース通信社から、待っていた『テレビ60年 in TVガイド』が出版された。

TVガイド創刊「50周年記念事業」の一環でもある。

前回の『テレビ50年』から10年。

って、当たり前か(笑)。

本のボリュームだけでなく、中身も一層充実している。

「黎明期から地上デジタル時代までを、TVガイド50年の誌面を飾った数々の番組記事と写真で紹介し、またそれぞれの年代の話題や流行なども取り上げている」からだ。

テレビを中心とした国内のエンターテインメントの歴史を1冊にまとめた、かなり資料性の高い内容。

私としては特に、昨年の「ミタ」までの、ここ10年の流れが見えてきて、いやあ、面白い(笑)。

そうそう、現在、東京駅八重洲口前の八重洲ブックセンターで、「TVガイド創刊50周年記念表紙展」が開催されているそうです。(9月中旬までの予定)



朝日新聞で、「ロンドン五輪」報道についてコメント

2012年08月17日 | メディアでのコメント・論評

朝日新聞の「ロンドン五輪 どう伝えた」という特集記事で、主に新聞をめぐってコメントしました。

この記事は、テレビ、新聞、ネットなどメディア側の“当事者”への取材を軸に構成されています。




初のソーシャル五輪。

SNSとスポーツ中継との親和性が浮き彫りになった。

女子サッカーの決勝に関連したツイート数は30万を超えた。

一方で、テレビの視聴率は苦戦。(BSは視聴率に含まれない)

しかし、今後もネットは無視できない。


新聞は、8時間の時差に悩んだ。

速報性ではテレビやネットなどに敵わない。

また、読者の五輪への関心に応えることと、同時に一般ニュースとのバランスも課題だった。

新聞各社への取材では、毎日、産経、東京などが回答しているが、読売だけは「五輪報道には特別に力を入れていますが、その取材態勢等について述べることは控えさせていただきます」とのこと(笑)。


以下は、私のコメント部分です・・・・


「目撃」を言語化

碓井広義・上智大教授(メディア論)の話

テレビの生中継で観戦するのは「目撃」にすぎない。それがどういう体験だったのか再認識させ、「感動の言語化」をしてくれるのが新聞の役割だ。

ネットの断片的な情報とは異なり、選手らの過去など背景にあることをより深く伝えられる良さもあるなど、速報性で劣ってもなおプラス面は多い。

五輪報道が多くなるのはある程度仕方ないが、大会期間中にも重要なニュースはある。読者の意識が五輪に偏りがちだからこそ、五輪以外の大事な記事を目立たせる工夫も必要だ。

(朝日新聞 2012.08.16)




取材が3件

2012年08月16日 | メディアでのコメント・論評

取材が3件ありました。

① 「ロンドン五輪の新聞報道」について。

② 「アスリートとスポーツキャスター」について。

③ 「熟女優」について。


いずれも、なかなか刺激的なテーマです(笑)。

昭和87年「敗戦の日」のテレビ番組

2012年08月15日 | テレビ・ラジオ・メディア

今日は「終戦の日」。

というか、「敗戦の日」だ。

1945(昭和20)年、8月15日の敗戦。

67年前だから、今年は昭和87年になる。

8月6日朝8時15分、9日午前11時02分、いずれも自分がいる場所で合掌したが、今日も正午に合掌。


今夜、見ようと思っている唯一のテレビ番組は、19時30分からの
「NHKスペシャル~終戦 なぜ早く決められなかったのか」


ちなみに、民放ですが・・・・

日本テレビ
 「笑ってコラえて!3時間スペシャル 
  遂にバルセロナ新支局も開設!ローマ支局と地中海は」

TBS
 「キリン・チャレンジカップサッカー2012」
  映画「私は貝になりたい」主演:SMAP中居

フジテレビ
 「おじゃマップ」
 「はねるのトびら」
 「ホンマでっか!?TV」

テレビ朝日
 「ナニコレ珍百景 夏スペシャル」
 「警視庁捜査一課9係」

テレビ東京
 「イナズマイレブンGO」
 「ダンボール戦機W超豪華LBXチーム!」
 「いい旅・夢気分 人気!八ケ岳・夏の高原へ」
 「水曜ミステリー9 多摩南署・たたき上げ刑事近松丙吉」


・・・・昭和87年「敗戦の日」の民放ゴールデンタイム。

その番組編成、斯くの如し。


中途半端なファミリードラマ「ゴーストママ捜査線」

2012年08月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、日本テレビ「ゴーストママ捜査線」を取り上げました。

佐藤智一さんの原作漫画は、「ビッグコミックオリジナル増刊」の時ではなく、今年になって「ビッグコミックオリジナル」で集中連載された際に読んでいる。

漫画の中のふくよかな蝶子さんと、ドラマの仲間由紀恵は、まったく違うタイプだが(笑)、そのことは、それほど問題じゃない。

やはり内容というか、ドラマとしての“出来”の問題だと思います。


なんとも中途半端なファミリードラマだ

仲間由紀恵が日本テレビで4年ぶりの主役を務めている「ゴーストママ捜査線」(土曜夜9時)。婦人警察官だった仲間が殉職し、夫(沢村一樹)、娘(志田未来)、息子(君野夢真)の3人が残される。ところが、仲間は幼い息子を心配するあまり、幽霊となって現世に留まってしまう。

第1話を見た時は、ゴーストママとその息子が事件を解決していく“異色ミステリー”かと期待した。しかし、そうではなかった。回を追うごとに、半端なファミリードラマとなっているのだ。

先週など、その最たるもの。沢村が、夏休みに入った息子を連れて仲間の実家にやってくる。息子は自分の母親と祖父(内藤剛志)が今も反発し合っていることを気にして、何とか仲直りさせようとする。小さな騒動が起こり、結果的に2人は仲が良かった昔を思い出して和解するのだが、それだけの話だ。事件も捜査もありゃしない。

最も印象に残ったのは、沢村一家が東京と田舎を往復するたびに出てくるクルマだ。スズキの「SX4セダン」。緑の田園地帯を走る遠景から車内の様子まで、実に丁寧に撮影されていた。もちろんスズキはこのドラマのスポンサー企業である。登場人物に商品を使わせる「プロダクト・プレイスメント」と呼ばれる広告手法だが、そんなことよりドラマの中身に力を入れてもらいたい。

(日刊ゲンダイ 2012.08.14)

ロンドン五輪の記憶 その②

2012年08月14日 | テレビ・ラジオ・メディア

テレビ画面に映し出される、数々のシーン。

それを眺めながら、「ああ、あったなあ」「うん、これも見たなあ」と、
記憶の“反すう運動”です(笑)。














































ロンドン五輪の記憶 その①

2012年08月14日 | テレビ・ラジオ・メディア

ロンドン五輪、閉幕。

思えば、トータルでは、かなりの時間をテレビ観戦に費やしました。

ま、4年に1度だし(笑)。


NHKの夜の五輪番組で、「感動のシーン」ベスト10、みたいなことをやっていた。

ほんと、ごく最近、つい昨日のことなのに、もう懐かしい。

リオデジャネイロ大会なんて、あっという間に、やってくるかも(笑)。
































信州にて

2012年08月13日 | 日々雑感

信州でのお盆。

父をはじめ、ご先祖さま一同の霊を、墓地まで「お迎え」に行き、「おんぶ」して家までお連れするのが、地元の風習だ。

家までの途中で、背中で組んだ手(おんぶの格好)を、うっかり離してしまった場合、またお墓まで戻って、やり直しとなる。

子供の頃は、よく失敗して、何度も振り出し(墓地)に戻ったものだ(笑)。

これで、ご先祖さまたちは、しばし実家に滞在。

16日には、また「おんぶ」の格好で、墓地までお送りするのだ。


この「お迎え」が終わった後、恩師・はまみつを先生のお宅へ。

以前なら、そのまま夜まで、何時間も話して、延々と飲む「報告会」になるのだが、先生は昨年、亡くなってしまった。

奥さまにご挨拶し、お線香を上げ、合掌。

心の中で、報告をさせていただいた。

これでまた、半年、頑張れるだろう。


先生のお宅からの帰り道には、懐かしいポストや道祖神。

記憶の中にある、故郷の原風景たちだ。










ふるさとで、”ふるさとの新聞”を読む

2012年08月13日 | 本・新聞・雑誌・活字

お盆の帰省で、信州に来ている。

実家は、フツーに標高700メートルの位置にあるわけで(笑)、日中も東京より涼しい。


信州で、新聞といえば、アサヒでもヨミウリでもなく、これまたフツーに「信毎(しんまい)」こと「信濃毎日新聞」を指す。

いや、本当に(笑)。

私にとっては、子供の頃から読み慣れた紙面だ。


信毎では、主筆の中馬清福さんによる「考」が読める。

12日(日)のタイトルは、『民草の遺恨をいかに晴らすか 「民あっての国」を貫く』だった。

その冒頭の部分を転載してみます。




民草の遺恨をいかに晴らすか 
「民あっての国」を貫く


8月を想う信州人の胸中は複雑である。

戦前戦中、新天地と信じこまされて移住した旧満州(中国東北部)の地は、敗戦の日を待たず旧ソ連軍の猛攻などで壊滅、集団自決に追い込まれた県出身者は数知れない。

誰が、なぜ、全国随一の規模の県民を、ときに半ば強制的に満州へ送り出したのか。

なぜ、日本軍は丸腰の移住民を放置して逃げたのか。

なぜ、ソ連軍の残虐行為を国として追求しないのか。

この問いに答えるべき当事者は今なお口を閉ざしている。



・・・・この後、中馬さんは、何人かの体験者(すべてご高齢)が語る「満州の悲劇」を紹介。

そして最後の段落は、以下のようになっている。


■原発と似て

満蒙開拓を語りつぐ会が今夏刊行した別冊に、精神科医・胡桃沢伸さんの「語られない家の歴史が私に与えた影響」が載っている。

河野村村長として国策に協力、満州移民を推進したとされ、敗戦の翌年、自死した胡桃沢盛の孫である。

敗戦の日、河野村開拓団で起きた集団自決については、語りつぐ会「報告集3」に詳しい。

早くから沖縄での集団死に関心を抱いた伸さんは、祖父の死の真相を知って愕然とする。異国との戦いのさなか、頼りとする日本軍に見捨てられた民草の命運は同じだった。

誰が胡桃沢家に石を投げられようか。貧村を何とかしたい思いで国策に協力した村長の姿は今、原発再稼働へ走る市町村長の姿とダブる。

背後で国策という怪物がニンジンをかざしてみせる構図も変わらない。

(信濃毎日新聞 2012.08.12)



・・・・こういう文章が一面に載っている新聞が、「郷土の新聞」であることを、私は嬉しく思います。




「ウルトラマン」ハイビジョンリマスター版、放送開始

2012年08月12日 | テレビ・ラジオ・メディア

WOWOWで、「ウルトラマン」ハイビジョンリマスター版の放送が始まった。

18日(土)までの1週間で、全39話を流すという。

で、オンエアを見てみたら、まあ、色彩の鮮やかなこと(笑)。

それと、映像が完全に映画というか、いかに格的な特撮だったかということが、よくわかる。

たとえば、海底原人ラゴンが出てくる第4話。

ウルトラマンが登場するシーンだけでなく、洋上を船が航行している何でもないシーンも、その船の造形や、海そのものに見える波の感じなど、細かいところまでしっかり作り込まれている。

毎週、このレベルを維持するのは、予算的にも、作業的にも大変だったはずだ。

すっかりCGに慣れてしまった今、「特撮技術」という職人芸の集大成のような「ウルトラマン」の映像が、とても愛しい。

特撮シーンだけでなく、実写部分に映っている1960年代後半の風景
からも目が離せない。



    (朝日新聞に出た全面広告 2012.08.11)

日本経済新聞で、大河ドラマ「平清盛」についてコメント

2012年08月11日 | メディアでのコメント・論評

ロンドン五輪も終盤。

レスリング、バレー、サッカーと続いて、やはり寝不足です(笑)。


さて、日本経済新聞の「文化往来」。

ここで、NHKの大河ドラマ「平清盛」についてコメントしました。


<文化往来>
大河ドラマ「平清盛」 低視聴率抜け出せず

 NHK大河ドラマ「平清盛」が低視聴率の泥沼から抜け出せない。
2月半ばから10%台前半が続き、五輪放送と重なった8月5日の回では7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、記録が集計される1989年以降で最低となった。これまでの31話平均は13.1%で、過去50作でワーストだった「花の乱」(94年)の14.1%を現時点で下回る低迷ぶりだ。

 「挑戦が、全て裏目に出ている」と上智大の碓井広義教授(メディア論)はみる。まず、題材。NHKは日本人にとって悪役の印象が強い清盛像を「変える」と意気込んで制作を始めた。戦国や幕末など受け手が好む舞台をあえて避けたが、「源義経以前の時代に対して人々はなじみが薄い。朝廷の権謀術数や平家一門の内向きの物語に共感しにくいし、人物の相関関係も分かりづらくて理解できなかった」(碓井教授)。

 今日の時代劇が抱える共通の課題も浮かび上がる。文芸評論家の縄田一男氏は「地上波で時代劇を作る機会が減り、脚本の構成、俳優の所作といったドラマ作りの基本が継承されていないのを感じる」と語る。デジタルハイビジョンが登場して、映像表現には様々な工夫が凝らせるようになった。だが、その前に「立ち戻るべき原点がある」と縄田氏はみている。

(日本経済新聞 2012.08.10)