魔女の物語

ジョセフ・ディレイニー、東京創元社。
魔使いシリーズ外伝。
本編に出てきたちょい役な魔女たちの話が３つ、
メグ・スケルトン、ダーティードーラ、グリマルキン、
そんで、アリスがおばのボニー・リジーに弟子入りした
ばかりの頃の使い魔退治の話と、
トムが出会ったバンシー魔女の話の計５つ。
魔女たちも魔女の理屈で生きてるって感じで、
話に深みが出たような。

ひまわりと子犬の７日間

原作本。
平松恵美子、集英社文庫。

保健所が舞台。
映画は高いから、後悔しないように、文庫買って読んでみた。
ええええっっとお。
小林照幸の「ドリームボックス」（文庫は「ペット殺処分」）はいいけど、
これ、やめてくれー。
なんかもう、事実と違うことばっかりやん。
そんな簡単に犬が捕まってたまるか。
ってか、走って追い詰めたって捕まるわけなかろう。
獣医師の指示もなしに、吹き矢吹くな。
ってか、動物関係の課にいるのは、獣医師が主だぞ。
なんで出てくる獣医師が開業だけやねん。
１日や２日で、吹き矢吹かれた犬が心を開くかい！
とまあ、いろいろ思いました。
ひまわりを逃した人や、あんな歳で子犬を産ませた年寄りたちを、
もうちょっと責めるべきだろう。

でもまあ、願いは一つ。
動物の殺処分なんて仕事が、行政からなくなりますように。

映画「きいろいゾウ」

久々に映画見てきた。
まあ、三重県の松阪とか南伊勢とかで撮影したって聞いたから。
最近、「千年の愉楽」とか「ROUTE42」とか、三重県映画多い。
みんな、県民が見ると、あっちとこっちと貼りあわせて無茶苦茶な
位置関係なのが、とってもみててかゆいけど。
で、これはまあ、それほど気にはならないが。

それより、かなり抽象的なお話。
ツマとムコの夫婦が、三重県の田舎で暮らす。
ツマは、子供の頃心臓の病気で入院してて、
なにやら黄色い象の幻想を見て以来、夢うつつな感じ。
動植物が語りかける声が聞こえる。
ちょっとしたことで落ち込んだりはしゃいだり、忙しい。
宮崎あおいみたいな美女がやってるからいいけど、
普通にいたら痛いなあ。
そして、小説家のムコは、なにやら過去に秘密が。
犬とかヤギとか子どもとか爺とか、良い味出してる。
なんだかんだでハッピーエンド。悪くない。
色彩も、面白い。

要介護探偵の事件簿

中山七里、宝島社。
文庫化したやつは、ちがうタイトルだったな。
さよならドビュッシー前奏曲（プレリュード）。
なんか、そのまんまやな・・・これで語るに足るような・・・
とりあえず、さよならドビュッシーの冒頭で死んじゃった
おじいちゃんが主人公。
このじいちゃんが、いいんだ、また。
介護者のみち子さんもなかなかのもんだが。
言うべきものは絶対言う。清濁併せ呑む、潔さっていうか。
シャーロック・ホームズのタイトルのパロディ。
冒険、生還、快走（回想）、四つの署名、最後の挨拶。
名古屋が舞台ってのもあんまりないよねえ。
ラストシーン、この人が火事で焼け死んじゃうってのが
わかってるから切ない。

１／１１（じゅういちぶんのいち）１

うっかり読んでみた。
サッカーが題材だけど、サッカー漫画じゃない、
青春ドラマなマンガ。
主人公たち、よく泣くなあ。
とはいえ、ま、いい話だよ。
サッカーやめてた安藤ソラが、
中学生プロのサッカー少女若宮四季に出会い、
再びサッカーを志す。
そして入った高校で、サッカーを頑張るソラと、
その周囲の人びとを。１話完結で描く。
次々と主人公が変わり、時系列もバラバラだけど、
軸にいるのはソラって感じで。
絵は可愛らしいけど、すっごい可愛い女の子というのが
特別可愛くは見えないのが残念なところ。
あと、巻末おまけ漫画が、すんごくアフタヌーンな
テイストで笑えた。雑誌のカラーってあるなあ。