河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

ヤイレスーホ

2023-10-24 22:37:44 | 読書(小説)
菅野雪虫、講談社。
「チポロ」の続き。
ヤイレスーホは、人に化ける、本体は蛇の魔物。
もっと時間が経った話かと思ったら、
前作の3年後くらいで、
前作のヒロイン、イレシュの、彼に対する恐怖は全く消えていない。
そこに、新たなヒロイン、ランペシカが登場。
父を亡くし、引き取られた家では虐待を受け、
イレシュが魔女にされたように、
自分にも「呪い」が欲しい、と、ヤイレスーホを探し出す。
ランペシカのわからずやぶりは徹底している。
彼女は彼女なりの理屈があってそうしているが、
なかなか理解できないあたりはリアルだなあ。
そうするしかないのか、というラスト。
皆は彼を忘れたが、彼女と、半分神のチポロだけは忘れない。
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両面宿儺の謎

2023-10-22 22:49:08 | 読書(小説)
桜咲准教授の災害伝承講義。
久真瀬敏也、宝島社文庫。
積読だったやつ。
このミス大賞シリーズってのは、
賞をとった又は惜しかった人とか、
人につくシリーズなのか。
オサキもいつまでもこのシリーズだったな。

なんというか、惜しい。
桜咲先生のキャラが全く読み取れない。
お姉さんとかの絡みは、育休刑事思い出すけど。
主人公というか語り手の萌花もキャラは薄く、
登場人物たちがどんな姿してるのかも描写はないので、
表紙の絵見て、そういう感じ?とは思った。
若くして亡くなった従兄と話していた学説を、
自分のものとして語る桜咲准教授の嘘を暴くべく、
彼のいる大学に入学した萌花。
最初から、なんか悪いやつじゃなさそう、という気配が
ぷんぷんしていて、どんなどんでん返しが、、、?と
期待したが、予想していた通りであまり捻りはなかった。
ほぼ同じ話の繰り返しで、災害民俗学的なネタは
あまり持ちネタがないのか、短く終わったなあという印象。
もっといくつかネタがあるのかと思ったのに。
縦糸としてのお話は悪くなかったけど。
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始まりの木

2023-10-18 22:15:34 | 読書(小説)
夏川草介、小学館文庫。
この人の本は初。
表紙の絵が、いせひでこってのと、
民俗学教授ってあたりに惹かれて読んでみた。
変わり者の准教授、古屋神寺郎(かんじろう)。
主人公は、古屋を指導教官として仰ぐ、修士1年の藤崎千佳。
事故が元で足が悪く、杖をついて全国を回る古屋は、
口も悪い偏屈ではあるが優秀な研究者で、
藤崎は、文句を言いつつ、楽しみを感じながらついていく。
二人が回る旅のお話。
弘前、鞍馬、伊那谷、宿毛、東大(文中では東々大)。
とんでもなくファンタジーなシーンも出てきて、ちょっとアレだが、
研究は何のためにあるのか、日本人の神様観とか、
作中で語られる民俗学の衰退など、興味深い。
解説の哲学者が語りすぎなのはちょっとご愛嬌。
これ、ラブストーリーじゃないよな、なるなよな、と
恐る恐る読んでた。ならなくてよかった。
最後の話の住職さんがかっこいい。
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ROCA 吉川ロカストーリーライブ

2023-10-17 23:37:31 | 読書(マンガ)
いしいひさいちの漫画。
となりの山田くんとかののちゃんは新聞で読むけど、
まとめて1冊になったものを読むのは初めてだ。
ののちゃんの世界線と同じで、
ののちゃんの隣の家のキクチ食堂のばあちゃんが
それなりにキーパーソン。。。
吉川ロカ、ファドを歌う高校生。
っていう設定から、渋い。
小柄な女の子だけど、どうやら野太い声で歌うようだ。
彼女のシンデレラストーリー。
4コマで、毎度ちゃんとオチがあるけど、続いていく。
高1を繰り返す先輩に助けてもらいながら、
ストリートライブをし、キクチ食堂で定休日ライブをし、
業界の人の目に留まって、デビューを果たし、と。
ラストは切ない。
しかし、ののちゃんちは、東京ではないのか。
連絡船沈没事故が起きるのはどこら辺だ。
東江戸川3丁目、は別の山田君?
ちょっとファドを聴きたくなった。
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こうして僕らは獣医になる

2023-10-08 00:00:21 | 読書(小説)
蒼空チョコ、LINE文庫。
昔、動物関係文庫を当て続けに買ってみた積読シリーズ、最後の書。
作者は獣医師。
獣医師の作家といえば、もう一人、片川優子がいるけど、
あちらは小説家が獣医師になったが、
この人は、獣医師をネタに小説家になっている。
正直、ネタが先感が否めない。。。
この小説、誰が読むんや、というような内容。
獣医学部1年生のシラバスを小説に落とし込んだような。
主人公たち四人だけしか出てこず、クラスメイトの気配もない。
しかも、内容がマニアックすぎて、注釈いらんのか?ってくらい。
獣医師になりたい、獣医学部へ行きたい、または、
実際獣医学部に入ったばっか、というような人でしか、
最後まで読み切れないのではないか。
そして、獣医学部をとっくに卒業した我々としては、
今時の獣医学部ってそんな感じなんかーとか思うけど、
公務員獣医師のことは、もうちょっと調べて欲しかったなー
と思う次第。
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