河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

怪物ガーゴンとぼく

2007-11-18 17:31:55 | 読書(小説)
ロイド・アリグザンダー、評論社。
タランシリーズの著者の、ファンタジーじゃない作品。
自伝的小説、であるらしい。
主人公デビットは、フィラデルフィアに住む少年。
病気をして学校に行けなかったので、家庭教師を頼むことに。
それが、アニーおばさん。敬称?ガーゴン。
言い間違いばかりするロージーおばさん(このキャラ、この作者らしい)が、
ペルセウスに退治されるゴルゴン(メデューサ)のことを、言い間違えたわけで。
彼女の教育は、楽しくてためになる、ていうか。
あれこれ話が飛んでいって、いろいろなものを好きになっていく。
スフィンクスにはじまり、ナポレオン、シャーロック・ホームズ、モナリザ・・・
間間に挿入されるデビット少年の書く物語も結構面白い。
作家は、こうして、なる、のかな?
おばさんが主人公の割に、舞台から消えるのも早く、
少年が、目標を見つけて立ち直っていくまでが丁寧に描かれる。
1930年代の空気。ノスタルジーっちゃノスタルジーだけど、リアルでよかったよ。
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烏金(からすがね)

2007-11-12 23:22:22 | 読書(小説)
西條奈加、光文社。
烏金、とは、朝借りて夕方返すお金のこと。
「おれ」こと浅吉が、声をかけた金貸し婆お吟。
浅吉は、お吟の仕事を手伝い、家に居座るのだが、
彼が語らない過去、お吟との関係は、何か。
借金の借り方とか利子の付けられぶりとか、
江戸時代版金融雑学付き。面白い。
さらには、借金を返して行くにはどうしたらいいのかとか、
なんだかんだいって人情篤い浅吉の対応ぶりも興味深い。
そして、浅吉の正体は。
彼の身の回りの恋は全部ダメになっちゃうあたりは、
ほかが全部ハッピーエンドなだけに、あれれ、という感じ。
作者はぱっと見、名前で女性かと思ったけど、たぶん違うな。
烏だとか孤児だとか花魁だとかいろんなものが出てくる。
ただ、最後の山を売る云々は、そういう、土地に値段があるって概念、
江戸時代にはなかったんじゃなかったっけ?と思ったが、まあいいや。
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