河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

魔導の矜持

2017-12-30 16:02:05 | 読書(小説)
佐藤さくら、創元推理文庫。
3冊目は、ラバルタからエルミーヌへの逃亡劇。
主人公は、ラバルタで、逆恨みから魔導士討伐に遭い、
逃げるおちこぼれ魔導士のデュナン。
弟妹弟子を守って、騎士のなりそこないと元騎士に出会う。
レオンとゼクスのいるエルミーヌの魔導士学校へ引き取る
ための、冒険色々。主眼がコロコロ変わるのも一興。

おちこぼれ賛歌というか、才能なくても頑張ってんだよ的な話だった。
この世界では、魔導士差別、セルディア人差別、色々ある。
魔導士と言っても、過去に起きた「絶滅」のせいで、いろいろわからない。
(たぶん、このあたり突き詰めるために続きそう)
魔導にも、リーンベルの生み出す精霊、デュナンやアースの感覚、
いろんな個性がある様子。レオンは彼らの能力を引き出せるか?

現代社会も、暗記一辺倒でなくて、もっといろいろ物差しがあっても
いいと思うんだよねえ。
特に東大生みたいな瞬間記憶のできる人とそうでない人は
分けて勉強すればいいと思うよ。
と、ファンタジー読んで現実社会を考えた。
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魔導の福音

2017-12-29 00:58:21 | 読書(小説)
佐藤さくら、創元推理文庫。
シリーズ2冊め。
なんか、また男同士の友情ものなんだが。
まあ、そもそもこの世界の魔導士自体が、
被差別民で、その能力を持って生まれたが最後、
人間として扱われないような設定なので、
妻帯以前の問題もあるからそこはまあなんか。
健全な男女はおらんのか。あ、ヴィクターがいたな。

国が違えば、また魔脈を持つものへの扱いも異なる。
レオンたちの国ラバルタと、お隣エルミーヌもシェーヌも
それぞれ違っている。
今度は、エルミーヌの田舎貴族の息子カレンスが主人公。
レオンとゼクスも出てくる。
エルミーヌの偏見と因習はものすごい。
カレンスは、ヒロイックに因習を打ち破るわけではないけど、
なんか時代の変化の兆しにほっとするような感じ。
カレンスの友人、超絶美女のアニエスが面白い。
ラバルタの魔導士は、妙に男女差別無いなあと思ったが、
エルミーヌの貴族社会ではそれなりにあるようだ。
虐げられる魔法使いって、魔使いシリーズもそうか。
3冊目も出てるので読んでみなきゃな。
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魔導の系譜

2017-12-26 00:12:44 | 読書(小説)
佐藤さくら、創元推理文庫。
そういや積読状態で、続編が出てたので、
先も読むかどうか判断するために読んだ。
まあ面白かった。
デビュー作。
新人ぽいといえばそんな感じ。
三流魔導士のレオンが任された少年ゼクス。
強力な能力を持ちながら、家族を殺され、
心を閉ざす彼を、指導し、能力を開花させる。

世界に流れる「魔脈」に、
個人が持って生まれた「導脈」をつなげて、力を使う。
っていう設定は面白いし、
レオンの三流の理由とか、ゼクスの能力の欠陥とか、
面白いところを突いてると思う。
ただ、物語のクライマックスが、国の独立を懸けた戦いではなく、
師弟のつながりに持ってってしまったのは、
女性っぽいというか、BLなの?って思わなくもない。
あとは、名前がドイツ語ロシア語混じってて気持ち悪い。
ゼクスって、6?

続きは読もうかな。
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とっぴんぱらりの風太郎

2017-12-22 00:32:00 | 読書(小説)
万城目学、文藝春秋。
時代劇。なのに万城目節。
風太郎は、ふうたろうじゃないぞ、ぷうたろう。
ホントにプータローだし。
もう忍者はいらないと言われる時代。
秀吉亡き後、大阪を攻める家康。
のんきな黒弓、美形の常世、鯰髭の蝉左衛門、あと百市。
伊賀の柘植屋敷出身の忍者だが、仕事がない。
ヘマをして追い出された風太郎は、
何もせずダラダラ過ごしていたところ、
ひょうたんを育てるハメになる。
ひょうたんを巡っては、とんでもない話になっていくのだが、
そもそも、風太郎、全然周りが見えてない。
あとで、真実はこうだった、と知らされることばかり。
はらはらどきどきの展開なわけだが、
まさかこういう終焉を迎えるとは思わなかった。
ぜんぜん、とっぴんぱらりのぷー、じゃないじゃん。
ラストは切ない物語。
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ソロモンの偽証第二部、第三部

2017-12-14 00:05:05 | 読書(小説)
宮部みゆき、新潮社。
第二部決意、第三部法廷。
小説が面白くて、読み終わるのがつまらないなと
思うことが時々あるけど、
この本は、途中で放置するのが気になって仕方なくて、
早く読み終わってしまいたい、と思った。

不良少年の親玉、大出の無実を晴らそうと思い立ったはずの
藤野は、他校の少年神原を弁護人として、
検事として偽の告発状を信じる側に立つことになる。
神原少年が謎めいていて、第三部の帯がやたら煽るんだが、
結構私の予想は当たっていたので、ちょっと煽りすぎでないかと。
でも、とても希望の持てるラストで、
特に彼が、どんな生い立ちであろうと生きていく明るさを持ってること、
立ち直る強さを持っていることが、なんか嬉しかった。
ひどい生い立ちだからって、絶望しなきゃならんことはない。
ちゃんとまっすぐ育つもんだよ、と自分を省みてもそう思うから。
そういや映画になってたけど、評価は知らんな。どうだったんだろ。
一挙に分厚い2冊を読み終えて疲れた。眠い。
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