河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

陰陽師とはなにか

2024-12-21 22:52:44 | 読書(その他)

沖浦和光、河出文庫。
被差別の原像を探る。
昭和2年生まれの著者からしたら、
昨今の陰陽師ブームは不思議だったらしい。
それくらい、戦前まで陰陽師のことは忘れ去られていた。
有名な安倍晴明は、宮廷陰陽師、
それとは別の民間の陰陽師がたくさんいた。
蘆屋道満系の陰陽師の源泉を辿る。
それは、被差別の有名な2つとはまた別の特殊部落、
正月の祝いの万歳をする流浪の人々や
人形浄瑠璃、歌舞伎、役者村へと続く人々は、
実は陰陽師系の星を読み暦を作る人々の系譜だった。

農作業せずにこういう仕事する人は、
お上からしたら納税しない困り者だから真似しないように
被差別カテゴリに入れて取り締まったんだろうなあ。
お肉や革製品、罪人の処刑から、民間の占いや芸能など、
日本の生活の歴史の底辺には被差別の人たちがいっぱいいて、
いなけりゃ成り立たなかったよなあ。
それがとても興味深いし面白い。

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猫を救うのは誰か

2024-11-17 00:31:40 | 読書(その他)

太田匡彦(まさひこ)、朝日文庫。
ペットビジネスの「奴隷」たち。

こちとら、公衆衛生獣医師なもので、
このテーマは、全くのmy own businessです。
ので、まあ深く突っ込んだりしませんが、
前回の動物愛護管理法が改正になって、
そのあと諸々の後出し基準や段階施行ができた
裏事情が詳細に記されていて、勉強になりました。
前作が「犬を殺すのは誰か」だったから、
対になるタイトルにしたぽいけど、
それほど猫は出て来なかった。
強いていうなら、付け足しみたいな最後の章が、
ほっこりする捨て猫のシンデレラストーリー、
章タイトルそのまま「幸せになった猫」

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そもそも島に進化あり

2024-11-06 23:39:59 | 読書(その他)

川上和人、新潮文庫。
文庫になったのは読む。4冊目。
鳥学者なのに、島とは。
「鳥類学者だからって、鳥が好きと思うなよ。」で、
小笠原諸島の鳥類を研究していることはわかってるので、
次のテーマは、島って繋がるけど。
若干のホラも含みつつ、テンポよく島の成り立ち、
どうして、生物多様性が必要なのか、色々学べる。
最近すっかり、日本の現状を把握するだけで満足してたが、
やっぱり世界にはいろんな事例があるんだなあと、
絶滅例だの生き残り例だの色々あった。
小笠原、行きたいなあ。伊豆大島でもいいか。
あー、飛行機乗りたくなってきた。

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鳥類学者だからって、鳥が好きと思うなよ。

2024-10-10 22:37:06 | 読書(その他)

川上和人、新潮文庫。
読んだっけ?と思ってたら、やっぱり積読だった。
主に小笠原諸島の鳥調査話を中心にしたエッセイ。
このお調子者な語り口調、滑りすぎるので、
「鳥肉以上、鳥学未満。」では危うさを感じたが、
これはまだ2冊目で油が乗り切っていなかったのか、いい具合に読めた。
むしろ、そのスピード感、講習とかに見習いたい。
しかし、それは、鶏肉が私のフィールドすぎて、
ツッコミどころ満載に感じたせいなのかも知れぬ。
専門って怖い。
意外にも夢のない専門選択とか、後回しで新種登録逃すとか、
公務員研究者のリアルが垣間見える。
見えない人には見えないレベルかも知れないが。

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ねこまがたけ

2024-03-17 21:22:58 | 読書(その他)
加門七海・作、五十嵐大介・絵。
猫魔岳。
ほんとにあるんだ、猫魔が岳。
大阪で原画展を見て、サイン本買ってしまった。
猫が修行するってことで、
猫たちの修行風景が描かれるのだが、
踊りはフラメンコやブレイキンまで、
化けるなら恐竜や乗り物にまで、
見てると色々見つけられて楽しい。
でも、飼い猫はおうちに戻るのだ。
飼い猫ちゃんはリアルで可愛い。
化け猫たちは違う方向で、まあ可愛い。
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