河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

やどかりとペットボトル

2006-12-29 14:39:41 | 読書(その他)
池上永一、河出書房新社。
エッセイ集。
小説がおもしろけりゃ、小説家のエッセイをわざわざ読んで、
知らなくていいことまで知る必要はない、と思っているのに、
読んじゃったよ。
やっぱり、こんな人か、と思う部分とそうでない部分と。
沖縄の文化みたいなのは、珍しいものじゃなくて、
本土にもあったでしょう、そんなに珍しがらないで、
自分の足下にまだ残っている文化を、残していったらいいじゃんか、
と思うのだけど、社会の構造が変わっちゃったのかなあ。
文化は無理強いするわけにもいかんし、むずかしいなあ。
沖縄みたいなお墓スタイルがいいな。
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うそうそ

2006-12-27 23:54:38 | 読書(小説)
畠中恵、新潮社。
勝手に妖怪若旦那シリーズと呼んでいたが、
「しゃばけ」シリーズってかいてあった。
4冊目のおまけのこを抜かして5冊目。
1冊分の長い話。
どこまでも、のんびり人がよくできていて、
こんだけ死にそうなら、いろんなことに執着しまくっても
よさそうなのに、とても淡泊な若だんな。
妖怪だけじゃなくてかみさままで出てきて、
山の神の娘、比女を間接的に励ますことになる。
みんな、自分のためにがんばっている。
比女だけでない、一太郎も、侍たちも。
うそうそってうろうろっていう意味らしい。
そうやってみんな、何かを探している。
そういう話。と思う。
挿絵の家鳴りがどんどんかわいくなる・・・
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海辺のカフカ

2006-12-25 22:05:40 | 読書(小説)
村上春樹。新潮社。
クールでタフな15歳の田村カフカ少年。
とつぜん、父と暮らす中野区の自宅から家出し、四国に向かう。
同時期、中野区。戦争のころに子どもだけ集団で気を失う事件に巻き込まれ、
一人起きてこず、起きたときにはすべての記憶を失っていたナカタさん。
この知的障害なじいさんは、お友達の猫を助けるため、
ジョニー・ウォーカーさんを殺し、逃走の旅に出る。行き先は、四国。
二人の見たもの聞いたものが交互に語られる。
カフカ少年は、かつて、父を殺し母を犯すと言われた。
現実の世界では、父が殺された。容疑者となる少年。
実際、こうした現実的な事柄は、何一つ解決されない。
ただ、少年が、捨てられた母から再認識してもらい、
現実と、再び相まみえることを決心することで、物語は、終わる。
ナカタさんがいいよー。
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動物園の鳥

2006-12-24 18:13:45 | 読書(小説)
坂木司。東京創元社。
引きこもり探偵3部作の最終巻。
青空の卵、仔羊の巣ときて、とうとう青空に飛び立つか。
大まかな筋はいいとして、
登場人物が、魂削るような部分まで語り尽くすところが
現実的でなくて、なじめない。
不自然だよ、語りすぎだよ。
実際、語らなくてはわからないのだけれど・・・
現実、日本人は語らないわけじゃん。
皆がこれだけ語り尽くせば、分かり合えるってこと!?
いじめ、という問題が結構クローズアップされていて、
現実のいじめ問題に一番近いのではと思った。
偉いさんが、お義理でクサイ台詞を、いじめませんから、安心してとか
言ってるのもけっこう白々しいよなあと思う今日この頃。
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ツバメ号とアマゾン号

2006-12-24 18:06:34 | 読書(小説)
アーサー・ラッカム。岩波書店。
1930年の本だって。
イギリスの、湖がある地域に、夏休みにやってきたらしいウォーカー兄妹。
ジョンとスーザン、ティティ、ロジャ。
お父さんの小さな帆船ツバメ号を借りて、湖の中にある小島でキャンプする。
そこに、ライバルの海賊船アマゾン号が・・・ってブランケット姉妹なんだけど。
姉妹のおじさんを、仮想の敵に見立てて、子どもの遊びと現実が入り交じる。
船乗りごっこにつきあうおかあさん、いい人だ。ジムおじさんも。
この本は、ほんとうの大人が、子どものために書いた本。
今の大人は子どもだから、子どもと一緒になっておもしろがるので、
大人も子どももおもしろがる本が多いけど、この本は、子ども向けですから。
私たち大人が、この本に出てくる大人のように、子どもを暖かく、余裕を持って、
迎え入れることができれば、今のような世の中にはならないのに。
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