河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

ばけもの厭ふ中将

2023-07-27 22:03:07 | 読書(小説)
瀬川貴次、集英社文庫。
戦慄の紫式部。
「ばけもの好む中将」シリーズのスピンオフ。
続きだと思っていたら、違った。
そして表紙の絵もゆるい。
中将4人組の一人、雅平が主人公。
ばけものなんて求めてないのに出る出る。
本編は、出ないから好きで読んでたけど、
これは、まあ、出るけど、裏の主役は源氏物語だから、、、
まあいいか。
帯には、「2024年大河ドラマがもっと楽しめる」って。
便乗商法だな。
源氏物語、ちゃんと読んでみたい気もするけど、
光源氏が好きになれないので、なかなか、、、
荻原規子のシリーズも1冊目でギブアップした。
教養部分で、あらすじとかを知っておきたいとは思うのだが。
(イケメンとかどうでもいい。。。)
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香君

2023-07-23 23:48:01 | 読書(小説)
上橋菜穂子、文藝春秋。
上下巻。
今度は、匂いと、植物を虫を主にした食物連鎖がテーマ。
獣医学、感染症ときて、今度は生態学風味。自然史系だなあ。
ちゃんと調べて書いてるので、これって、こうじゃないのかなーと
思って読んでいると、後でちゃんとフォローされてたりする。
結構複雑な世界設定があるので、一言であらすじまとめるのは至難の業。
とりあえず、皇帝がいて、生き神<香君>がいる世界。
初代香君がもたらしたというオアレ稲は、とても丈夫で多くの実りがあるけれど、
その稲を植えた後には何も育たない。
肥料の配分から種籾の取り方まで秘密という。

主人公は、国を追われたアイシャ。
帝国の貴族の弟に匿われ、香君付きの香使となる。
とても鼻がいい、というだけでは言い表せない、
植物が虫に食われて助けを求める匂いまで感知する能力の持ち主。
オアレ稲につく害虫はいないはずだったが、ある時害虫が大発生する。
主人公がおとなしすぎるけど、意外に大胆。
物語はどこへ落ち着くのかと思ったが。
面白かったよ。
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君たちはどう生きるか

2023-07-23 20:39:32 | 映画
事前情報なしでできるのはネームバリュー。
宮﨑駿監督の最新作。
彼の好きなものが詰まったびっくり箱みたいだ。
ナウシカとラピュタとトトロと
もののけ姫と千と千尋とポニョと風立ちぬを混ぜたような、
あと、耳をすませばと猫の恩返し風味もあった。
絵本を読んでいるような感覚。
面白い2時間だった。
意味とか考えちゃいかん。
というか、どう生きるかは、主人公が考えたこと。
唯一のイラストがアオサギなのは当然だった。
もう一回見たいけど、
タイトルの本を読んでからにしようかな。
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桐島、部活やめるってよ

2023-07-21 22:52:50 | 読書(小説)
朝井リョウ、集英社文庫。
2010年に作者が大学生の時、
出版されて賞を取って、ってあたりは、
知っていたけど、読んだことなかった。
19歳が描く17歳の風景ってなあ。とか思ってた。
実際、若いねえ、って感じの話ではあるのだが、
17歳がいろんなことくちゃくちゃ考えているあたりがとてもリアル。
スクールカースト上位の子等が多めだが、
彼らのうちの一人、宏樹を眩しく照らすのは、
自分は下位だと思っている前田だ。
物語は、バレーボール部の部長でリベロの桐島が
どうやら部活を辞めたらしい、というところから
始まり、5人の目線から語られる物語は、
桐島がいる世界だけど、各々が主人公の別の話。
彼が辞めたことへの波紋は大小あるけど、
各人が自分のことで色々悶々としてる。
そして、何かすごい進展があるわけでなく、
数日間でお話は終わるけど、
もっと読んでいたいような、
他の子の目線も見たいなあという感じ。
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牛と土 福島、3.11その後。

2023-07-21 22:39:52 | 読書(その他)
眞並恭介、集英社文庫。
これまた積読だった本。
2018年、出た時に読んでれば。
なんとなく、愛護寄りなんだと思ってた。
全然違っててごめんなさい。
東日本大震災の後の福島の原発事故で、
人が皆避難してしまった土地で、
被曝しながら、通い詰め、または住み続け、
牛に餌をやり続けた牛飼いたちがいた。
多分、当事者たちの生の声は、作者のフィルターを
通して、かなりマイルドになって気がする。
そのおかげで最後まで読み切れた部分もあるかも。
どうしたって、産業動物は利用してナンボなので、
利用価値のないものを、生かし続けておくためには、
何某かの理由が必要なのは、税金を使うのであれば
必要なことかもしれない。
ただ、俺が責任持つから、やっちまえ!っていう
決定権を持った人が、近年この日本にはいないし、
結局自己責任って黙認するしかないのだ。
牛たちを放牧することで、田んぼは田んぼのまま維持されるという、
放牧地や田んぼは、「自然」ではないのだが、
里山的な手入れ前提の自然というふうに思ってるのかな。
そういうことにしとこう。
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