河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

アフリカのひと 父の肖像

2006-08-27 20:24:53 | 読書(その他)
ル・クレジオ著、集英社。
子どもの頃、父親不在のまま育ち、8歳のとき父のいるアフリカにつれてこられた。
ル・クレジオの著作は、この幼少時の体験からくるものがいくつかある。
「オニチャ」の舞台裏って言う感じ。
アフリカの暑さは思い出せない、ニースの寒さは覚えてる。とか、
そういう、忘れかけたけど体の一部になっているような子どもの頃の記憶が描かれる。
それは、父を理解するためのものでもあった。
サイフェルトの「この世の美しきものすべて」も、子どもの頃の記憶をたどる章があって、
幸せだと感じた、クリスマスの記憶を描いた章が、とても切なくて好きだ。
もう、戻ってはこない、子どもの日々、家族との団らん。そういう記憶。
ル・クレジオの父も、息子たちが生まれる前に母と二人で暮らしたアフリカが好きで、
それはもう、戦争やら何やらでもとには戻せなくなっていて、その思いを引きずったまま
年老い、死んでいったようだ。
この人が描くと、なんだかアフリカがとても美しい。風景も、人も。
その場所それぞれの、固有の美しさがあることを、受け入れているような気がする。
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戦う動物園

2006-08-20 21:49:11 | 読書(その他)
島泰三著、中公新書。
閉園間際から復活した今流行りの旭川動物園・小菅園長と、
閉園したけど市民の手で復活した到津遊園の岩野園長、
二人の対談を岩野園長の兄貴・島氏が語る妙な味わいの読み物。
小菅園長はがんばったと思うんだけど、岩野園長はけっこう流されてるんちゃう・・・?
もう、編者が兄貴と分かった瞬間に、兄が弟を評価するてどうなん、
しかも、小菅氏と並び称せるものなん!?と疑問符浮きまくりでした。
そして小菅人気で売ったこの本の印税がかってにマダガスカルのNPOへ寄付とな。
なんだかなあと思ってしまうのですよ。
突然編者が語りだしたのはびっくり。
しかも。K大M氏批判まで飛び出して。いいのか!?
なんつーか、団塊の世代の自己肯定本っぽくて。
なんでこの年代になると、こうもほめてほしがるんだろう、とつくづく思いました。
内容自体は面白かったっすよ。私もがんばろう。
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陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)

2006-08-13 19:02:21 | 読書(小説)
京極夏彦です。講談社ノベルス。
シリーズ中、この本だけ読んでいなかった。
なんか。途中で結末が読めちゃいました。びっくり。
「姑獲鳥の夏」から1年経った夏。
夏に読むせいか、なんかこう、けだるい、暑さを感じるのだ。
初めて姑獲鳥を読んだとき、京極堂へ行く途中の目眩坂を、
関口と一緒になってくらくらしながら歩いているような気分になった。
今回はまあ、信州な訳ですが。
白樺湖付近の剥製だらけの伯爵の館で、新妻が4人死ぬ。5人目の運命は。
沼上さんシリーズも、京極堂シリーズの一環になっていてびっくり。
関口も榎木津も相変わらず。榎さんの方は短編にいっぱい出てくるからいいけど、
関口は出てくるたんびにえらい目にあっていて、その鬱っぷりにいつも同情する。
でも奥さんいるけどねー。ちゃんと一緒に買い物に行くんだ。
今回は、妖怪臭いうんちくは姑獲鳥についてはあったけど、
タイトルについてはぜんぜんなかったので拍子抜け。
陰摩羅鬼は、作り物の新種の鳥のことでよかったのか?
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ゆめつげ

2006-08-12 11:09:47 | 読書(小説)
畠中恵、角川書店。
幕末の神社が舞台。
夢占(ゆめつげ)ができる主人公弓月(ゆづき)が、
いなくなった息子を探してくれと頼まれる。
息子候補は3人。
依頼主の禰宜の神社で占うことになるが、
息子候補の親が立て続けに殺される。
ミステリーですな。時代小説ではなく。
幕末っぽい味付け。
答えもよくわかったようなわからんような気分でした。
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ハチミツとクローバー

2006-08-10 22:04:29 | 読書(マンガ)
1~9巻を妹に借りて一気読み。
少女マンガなんて全然読まないので、おぉーラブストーリーだあーという感じ。
読みなれていないので、ラブストーリーとしてどうとか分かりません。
森田先輩面白い。いいとこ持ってきすぎですが。
ギャグ調とシリアスが絶妙に入り交じってて疲れません。オタクっぽいけど。
竹本くんの自分探しとか、大学生臭くてちょっと懐かしい。
友情だの恋だの青臭い部分を、突き放して描いているとこがいいな。
読んでて作者と一緒にさめている私は、きっと同世代だろう。
後1冊で終わるらしい。
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