河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

空よりも遠く、のびやかに

2025-01-25 00:05:14 | 読書(小説)

川端裕人、集英社文庫。
コロナ真っ盛りの頃に描かれた青春小説。
クライミングも地学に含まれます。
っていう地学部物語。
この人の話は、今時のツールを使いこなして、
ありそうなイベントをぶち上げるクライマックスが見どころ。
今までにもいくつかあったけど。
高校生の頃に地学部なんて全く興味なかったなあ。
宇宙とか天文とか気象とかは好きだったけど、
それが地学(地球科学)とか思いもしなかった。

運動制限のある主人公瞬が高校に入学して出会ったのが、地学部。
クラスメイトの花音に惹かれて気づけは門を叩いていた。
そしてクライミングにボルダリング、化石の発掘、微小隕石の採集などなど
地学の世界にどっぷりはまり込んでいくのだ。
コロナが邪魔をするのだが、なんとか乗り切っていく。

やたらみんな前向きで寛容で、できるやつばかりで、
自分の能力に限界を感じて挫折、とかには縁のないストーリーが
鼻につくといえなくもないけど、
この爽やかに暑苦しい青春物語、なんかいいなあこんな高校生活。
ってちょっと思うわ。

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はにわラソン

2025-01-12 22:13:45 | 読書(小説)

蓮見恭子、双葉文庫。
いっちょマラソンで町おこしや!
マラソン大会の運営に携わる会社から
ふるさとの土師市職員に転職した倉内拓也。
前職を買われて、市長から、フルマラソンを企画するよう、指令が降った。
準備チームを立ち上げるが、皆未経験者ばかり。
コース設定は難航し、反対する声のでかい住民はいるし、
果たして無事大会を開催することはできるのか。

マラソン大会参加している身+公務員の立場からすると、
かなり解像度高いな。
そのくせ、一癖も二癖もある人物が、無理を押し通すきっかけになって、
うまいこと話を繋げるなあと感心して読んでた。
ちょっと最後の最後のクライマックスが、意味わからんかったけど、
まあ、ええんちゃう。村田ジジイ兄弟、いい味出してる。
埴輪とコスプレとマラソンと箱根駅伝と、あと地方公務員と、
どれかに琴線が引っ掛かれば面白く読めると思う。

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科捜研・九龍小春の鑑定ファイル

2024-12-29 00:11:58 | 読書(小説)

新藤元気、宝島社文庫。
小さな数学者と秘密の鍵。
サブタイトルが内容を語ってる。
主人公はタイトルのまま、
興味を引いたのは、元科捜研研究員が書いた、
っていうところ。
ちゃんと鑑定してて面白い。
突如、自宅に証券取引等監視委員会が捜査に入り、
パソコン等を押収されてしまう男性<私>、
警察の特殊犯罪捜査班に所属する<僕>が出会うのが、
科捜研の小春。小さい体に大きな態度。
もう一人、火事現場から行方不明になった小3の少年<ぼく>
この3人の視点から一連の事件が語られる。
<僕>こと熊谷くんは 何やら職場内で干されていて、
パワハラを受けて萎縮している状態。
味方は嘉山先輩だけ。
たまたま受けた火事現場の検証で小春に会い、
事件の真相を独自に調査し始める。

一人称語りっていうのがトリックの1つではあるが、
3人が出会った時の描写はちょっとずるいなあ。。。
とはいえ、出てくる人物それぞれのバックボーンがしっかりしてて、
彼らのゆく先も気になるし、結構面白かった。続くかな?
でも熊と龍コンビより、数学少年や喜一の先のが気になるかも。

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天久鷹央の推理カルテ

2024-12-08 19:13:53 | 読書(小説)

知念実希人、新潮文庫NEX。
出版された当時から表紙は知っていたが、
医療モノだと知ったのは数年前、
そして出版社変わって出し直してるなー、
アニメ化するんかー、ってとこまで、
なんとなく知っているけど、未読でした。
読んでみた。
医者が書いてるだけあって、医療ミステリは
まあ、いいんじゃないですか。
キャラは、アニメ向きな、典型的な発達障害で、
俺様少女な主人公(医師)と、使い走られる男性医師。
あと、陽気な研修生とか、
どう怖いかまだ未知数のお姉ちゃん等、
キャラも色々立ってるけど、
まあ、私は、もう、いいかな。。。

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シナモンとガンパウダー

2024-12-04 23:16:09 | 読書(小説)

イーライ・ブラウン、創元推理文庫。
推理小説ではないけどね。
海賊、冒険、料理。
貴族の専属料理人だったウェジウッド。
ある日、女海賊船長マボットたちが襲撃し、
主人は殺され、海賊船に拉致される。
彼女のために、毎週、料理を作れば命は助けてやると。
ろくな食材のない船で、彼は料理を作る羽目になる。

ウェッジウッドの手記という体裁を取るが、ほんとに手記。
時々遡るし、彼の理解したことしかわからない。
全く価値観の相容れないウェッジウッドとマボットだが、
色々な危機を経て、だんだん歩み寄っていく。
自分の主人が悪だと言われて早々信じないよね。
そして、彼が、なかなか船の面々になじまず、
ことあるごとに脱走しようとするのが律儀だ。

編み物好きの巨漢ミスターアップルズとか、
中国人の双子、耳の聞こえないキャビンボーイ、
出てくる面々も個性豊かで面白い。
物語は二転三転し、どこで決着するのか全然読めないまま、
クライマックスへ。
これしかないんだろうなあってところで落ち着いた。
かなり面白かったよ。

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