川端裕人、集英社文庫。
コロナ真っ盛りの頃に描かれた青春小説。
クライミングも地学に含まれます。
っていう地学部物語。
この人の話は、今時のツールを使いこなして、
ありそうなイベントをぶち上げるクライマックスが見どころ。
今までにもいくつかあったけど。
高校生の頃に地学部なんて全く興味なかったなあ。
宇宙とか天文とか気象とかは好きだったけど、
それが地学(地球科学)とか思いもしなかった。
運動制限のある主人公瞬が高校に入学して出会ったのが、地学部。
クラスメイトの花音に惹かれて気づけは門を叩いていた。
そしてクライミングにボルダリング、化石の発掘、微小隕石の採集などなど
地学の世界にどっぷりはまり込んでいくのだ。
コロナが邪魔をするのだが、なんとか乗り切っていく。
やたらみんな前向きで寛容で、できるやつばかりで、
自分の能力に限界を感じて挫折、とかには縁のないストーリーが
鼻につくといえなくもないけど、
この爽やかに暑苦しい青春物語、なんかいいなあこんな高校生活。
ってちょっと思うわ。