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「水中の哲学者たち」「6ヵ国転校生 ナージャの発見」 ~すぐに言葉にしなくてもいいコミュニケーション~

2023-08-08 07:08:59 | ブックリスト
あるブログで紹介されていたのですぐに図書館で予約
「水中の哲学者たち」

哲学科大学院で色々なワークショップに関わるようになった筆者の文中に中学校で哲学対話を行った場面がとても印象的だった。
場をわざと壊そうとする中学生。すでにある答えを探そうとする中学生。思いもつかなかった発言をする中学生とそれによって救われる大人。
何だか私が学校現場で鑑賞授業をしている時に似ているなと思う。
「思うように発言しないでしょ?」という訳知り顔の大人。
ゆっくり、じっくり考えて、そして他人の発言によって自分が変わっていっていいということ。
水の中にゆっくりもぐるような連帯感。
わかるような気がする。

もう一冊は人気のこの本。これは旦那が予約を入れてやっと回ってきた。
「6ヵ国転校生 ナージャの発見」

ロシア国籍のナージャが小学生~中学生まで日本を含む6ヵ国を転校していった一つの教育現場比較文化論。
ノート一つとっても全然違う。何をどんな風に学ぶのかを具体的に比較しているので面白い。
すごく冷静で客観的に論じている。その国の言葉が習得できていないからしゃべらない。しゃべらない国は楽だったと。
結局長じて彼女は今なんと日本の電通でコピーライターになっているのだ。
彼女が凄いのはどの国の良さも挙げていることだ。10歳になるやならずに他国の文化に放り込まれても現状でどうすれば自分の長所を活かせるか、どうすれば短所を隠せるかを徹底的に実践した生き残り術の本とも言える。
この現場対応力がすごい。
本来は子供向けに書かれた本なのでカット入りでとても読みやすく解りやすい。

考えるということ、変化することを恐れないということ、現状の困難にどうすれば立ち向かって生き延びられるかということ。
そんなことをじっくり考えさせられた2冊だった。

昨日の晩御飯は久しぶりにスーパーでセールになっていたので鰻。
冷奴、トマト、つるむらさきのワサビ胡麻和え、玉ねぎ、シイタケのお汁。




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