ある映画俳優さんが,テレビドラマに出演して,
勝手が違うと感じていました.
ADさんのどなり
「本番まいります…5、4、3,2…」
でシーン撮りが始まることでした。
どうしても「カチンコ」で演技を始めたいと言うのです.
テレビの小道具係が,どこからか「カチンコ」を探してきました.
ドラマのスタジオに持ってきました,
テレビスタッフの誰もどう使うのか知りません.
テレビドラマの中抜きのシーン撮りは,
あちこちから3~4台のテレビカメラがセットを狙っています.
どの俳優さんのアクション、
台詞から始まるかシーンによって違います.
どのカメラの前でカチンコを打っていいのかわかりません.
中抜きのシーン撮りは,短いシーンで数分から
となりのセットをまたいで10分ぐらいの
長いシーン撮りもあります.
… … …
苦肉の策として
ADさんの本番の秒読みで
「本番,5,4,3、2、カチン」
とカチンコの音を陰で入れたことがありました.
ある大物映画スターは,劇場演劇(アトラクション)の
経験がありました.
劇場演劇は,上演時間が来ると、劇場のブザーが鳴ります.
場内の照明が暗くなって,舞台の幕が上がります.
舞台袖の舞台監督の合図で,俳優さんは舞台に出ます.
映画のワンカット撮りのように、「カチンコ」がなくても,
劇場のブザーでその俳優さんは徐々に演技の世界に入っていくのでしょう
その俳優さんはテレビドラマのシーン撮りで
ADさんの本番の秒読みにすぐに慣れてくれました.