
映画監督はセットで、煉瓦を一つずつ積み上げて
家を建てるように,1台のキャメラで
ワンカットずつ撮影していきます.
この作品が編集されて完成されるまで
どんな映画になるか分かりません.
すべて映画監督の頭の中で組み立てていますから
制作の過程でこれは面白い作品になるとか
携わる映画のスタッフは長年の経験で
何となく推測するしかありません。

生テレビドラマの制作では,映画と違って、
台本を初めのシーンから終わりのシーンまで連続して、
本読みから立ち稽古,スタジオの
ドライリハーサル、カメラリハーサル,ランスルーと
何回もリハーサルを繰り返します.
… … …
テレビドラマのスタッフには
、
この連続したリハーサルを見て
どんなドラマが出来上がるかわかります.
… … …
ドラマを演出するテレビディレクターは,
映画監督のように,カットのつながりを
考えて演出するのではなく
、
芝居の流れの中での時々,出演者に注文を出しています.
… … …
テレビディレクターと出演者のリハーサルは,
本読み,立ち稽古,を行います
そしてドライリハーサルは
スタジオのセットで行います.
テレビセットで,出演者に演技の注文は
ドライリハーサルだけです
… … …
3~4台のテレビカメラの動きに合わせて
カメラリハーサルとランスルーのリハーサルを行います.
テレビディレクターは、
スタジオの副調整室のディレクター卓座って,
マスターモニターで,出演者の演技を見守るだけになります.
生ドラマですから,やがて放送時間が近付いてきます
スタジオのテレビモニターに,
前番組の後コマーシャルが流れています.
副調整室のテレビディレクターは
「まもなく、本番に入ります」
とトークバックで告げます.
スタジオのADさんの
「5,4,3,2…」
でテレビはドラマに切りかわります。
… … …
映画監督は、出演者に密着して仕事を進めていきます。
テレビディレクターは映画監督に比べて、
出演者と少し離れているようです
