■【あたりまえ経営のすすめ】経営戦略編 経営理念の構築・再構築 39 経営理念の構築・再構築のコンサルティング 1
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■【経営支援編】第5部 経営戦略編 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 3章 経営理念の構築・再構築に取り組む
企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。
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5-3 経営理念の構築・再構築に取り組む
経営理念とは何かについて、共通認識ができましたら、実際に経営理念構築・再構築の実務編に入りたいと思います。
経営理念をどの様に構築・再構築するか、その方法となりますと一般的には確立されていないといえます。他社の事例を参考にして経営者が、エイヤーッと作成したり、経営コンサルタントに依頼して作成したりとするケースが多いようです。
ここでは、経営理念だけではなく、経営基本戦略や中長期経営計画など、経営管理を行う上で、関連する次項を念頭において、経営コンサルタント歴40年余の実績から、経営理念構築・再構築の方法をご紹介します。
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◆5-39 経営理念の構築・再構築のコンサルティング 1
これまでは、一般の企業や団体でも、自分達だけでもやりやすい方法でした。ここでは、経営士・コンサルタントや士業の先生向けの方法をご紹介します。もちろん、経営者・管理職で、経営理念を全社一丸となって、本格的に構築・再構築したいという場合にも、この方法を利用することができます。
ここでは、①経営ビジョン法と②要因分析法、③クリティカル・シンキングを利用する方法をご紹介します。
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1) 経営ビジョン法
経営ビジョン法は、当時の通産省や産業界の勧奨で、日本で最初に設立されました経営コンサルタント団体「日本経営士協会」が、会員研修等でも実施する経営理念構築・再構築の手法です。
この手法は、経営理念を構築・再構築するだけではなく、それに付帯して経営基本戦略、中長期経営計画や短期経営計画・年度経営計画の立案等に繋がる方法です。
まず、経営ビジョンという形で、創業者精神を始めとする企業文化を始めとした内外の経営環境を、ツールを用いて分析するなどして、それを集約した後に経営理念構築・再構築するという方法です。
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経営ビジョンの分析は、①外部経営環境分析、②内部経営環境分析、③事業領域検討、④成果目標お4項より成り立っています。
外部経営環境分析といいましても、いろいろな項目や方法があります。ここでは、日本経営士協会研修で受講者が作成した資料の一つを紹介します。
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それぞれの分析には、画面にありますようなツールを利用します。多くが表の形をしています。
いろいろなツールがありますが、画面は、その一例です。
それぞれの項目にあわせて、対象企業の状況を勘案してツールを作成することにより、最適な分析ができるでしょう。ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングに関する書籍のものを参考にする方法もあります。
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同様に、内部環境分析の全体チャートは、日本経営士協会研修の資料です。ポイントは定量分析と定性分析を行うことで、それぞれを別々に行うこともありますし、一つのツールで行うこともあります。
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外部経営環境分析と同様に、内部環境分析にも、いろいろなツールがあります。画面で紹介しているツールは、その一例です。多くの書籍等でも紹介されていますので、それらを参考にされるのもよろしいでしょう。
内部環境分析も、それぞれの項目にあわせて、対象企業の状況を勘案してツールを作成することにより、最適な分析ができるでしょう。
既述の通り、定量分析と定性分析の両面からのアプローチがポイントとなります。
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経営ビジョンの第三項は、「事業領域(ドメイン)」です。これは、過去・現在だけではなく、中長期視点で今後の市場やニーズの変化、自社のシーズ等も勘案して決めていかなければなりません。
現在や過去の事業領域も含め、経営理念の視点で、事業領域の候補ごとに分析し、それをもとに集約して行くと良いでしょう。
また、ABCD市場戦略検討表(「あたりまえ経営のきょうか書」参照)やアンゾフの市場戦略表等も経営理念構築・再構築に利用価値があります。
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経営ビジョンの第四項は、「成果目標」です。定量的な目標と共に、定性的な目標も含まれます。
定量的な目標値のことを「KPI」といいます。KPIは、Key Performance Indicatorsの頭文字をとったもので、「重要業績評価指標」と訳されることが多いです。「ものさし」ですので、適正に仮決定し、合理的な検証を通して決定されなければなりません。
KPIは、損益分岐点分析や予測数値等をシミュレーションなどの手法により、決定されます。詳細は、管理会計関連の書籍等に詳説されていますので、そちらを参考にしてください。
このようにして分析してきましたら、それをもとに経営理念としてまとめます。
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