5時18分から6時33分までの1時間15分で12,4キロ走る。
月末締め切りの原稿、昼過ぎ、ほぼ仕上がる。最後の段落の推敲だけ、明日に残す。
一昨日、佐野眞一『宮本常一が見た日本』(ちくま文庫 2010年)読了。失われた日本と日本人を思い、切ない。
昨晩、寝床で、小池喜明『葉隠 武士と「奉公」』(講談社学術文庫 1999年)に午前一時まで読み耽る。
一昨日買った電子書籍四冊はいずれも講談社学術文庫。例によって、いずれも期間限定割引価格の書籍をさらに30%引きで購入。夢窓国師『夢中問答集』(校注・現代語訳 川瀬一馬 2000年)、荒井章三『ユダヤ教の誕生 「一神教」成立の謎』(2013年)、『七十人訳ギリシア語聖書』(秦剛平訳 2017年)、植木雅俊『差別の超克 原始仏教と法華経の人間観』(2018年)。
『夢中問答集』は、講談社文庫として1976年に刊行された版を底本としている。その底本の序に、山内得立の『ロゴスとレンマ』(1974年)への言及がある。単にこちらが迂闊なだけだが、意外な組み合わせに驚かされる。川瀬一馬は山内の『ロゴスとレンマ』をきわめて高く評価している。山内のこの書のお陰で、「これまで混沌としていた私の仏教の知識が、にがりを得た豆腐のごとくになったのである」と、山内書が己にもたらした経験を印象的な仕方で述べている。それまでは書物によって得られた知識の集積でしかなく芯がなかった仏教についての己の理解が、明確に論理的に分節化された一つの有機体として生動するようになり、それが『夢中問答集』現代語訳の願求の実行の決意の機縁となったということである。
『ロゴスとレンマ』には、オーギュスタン・ベルク先生の手になる彫心鏤骨の仏訳がある。何年か前、シンポジウムでご一緒したときに翻訳中だというお話をご本人から伺ったのを覚えている。その翻訳が昨年初めに刊行された。もし来夏も集中講義を担当することになるならば、本書を取り上げようかと思いはじめた。