日本の入国規制が再度強化され、12月1日から外国人の入国は原則すべて禁止された。後期には日本へ留学できることに一縷の望みを託しつつ、この前期は日本の受け入れ大学の遠隔授業を受け続けた学生の一人から、今日昼過ぎ、同様な状況にある学生を代表して、彼女・彼らたち悲痛な叫びを伝えるかなり長いメールが届いた。およそ以下のような内容である。
自分たちはこの前期、日本の大学の遠隔授業を受け続けましたが、その授業はこちらの時間の真夜中に行われ、結果、生活は昼夜転倒し、慢性的な睡眠不足と倦怠感に悩まされ、先が見えない不安感に苛まれ続けました。「遠隔留学」を続けていったいなんになるのかと自問することも一再ならずありました。それでも状況が好転し、後期だけでも留学できるというわずかな望みが心の支えでした。ところが今日の日本政府の発表で、もう心が折れてしまいました。
自分たちが日本の大学への留学生として選抜されるために重ねてきた努力はなんだったのだろうか。その当の国から、まるで「ウイルス拡散者」のようにみなされ、一切入国を拒否されるということに深く傷つかざるを得ません。文科省の奨学生だけは入国を認められるのはなぜなのでしょうか。どうしてこのような差別を受けなくてはならないのでしょうか。
残された学生生活最後の半年をこれからどうやって乗り切ればいいのか、わかりません。今はショックで何も手につきません。
先生にこんな窮状を訴えてもどうしようもないこともわかっています。でも、どうしても書かずにはいられませんでした。
佳き一日をお過ごしください。
留学に備えて学生たちが重ねてきた準備と留学生として選抜されたときの彼女・彼らの喜びを知っているだけに、このメールには心を傷めずにはいられなかった。
留学は諦めざるを得ないとして、当該の学生たちがストラスブールで後期の単位をすべて取得し無事卒業できるようにあらゆる措置を取るべく、今、学科指導部で話し合っているところである。私も日本への留学生担当責任者としてそれに関与している。