毎年、この時期になると、自宅のベランダを水洗いする。マイ年中行事の一つである。晴天に恵まれた日曜の今日、その「お水洗い」が午前中に粛々と行われた。
秋から冬にかけては、舞い込む落ち葉が気になったら掃き掃除するくらい。真冬の水洗いは、たとえ晴天でも、水が冷たすぎる。ようやく春になり、陽気もよくなってくると、ベランダのタイルの汚れが目につくようになり、洗いたくなる。でも、ベランダの前を覆うように茂っている樹々の花が散り尽し、胞子がすっかり飛び立つのを待つ。それまでは、せっかく洗っても、すぐに色とりどりの花弁や綿毛のような胞子がまたベランダに舞い降りてくるからだ。
幅が1,1~1,8メートル、長さが8メートルほど、およそ12平方メートルくらいの小さなベランダだから、洗うのにそんなに時間がかかるわけではない。半年間にタイルにこびりついた汚れを、タイル床用の洗剤・水・ブラシを使って落としていく。タイル一枚一枚を丁寧に隅々まで洗う。水道の蛇口からホースで水が流せれば楽なのだが、それはできないので、二つのバケツを使う。全部洗剤で洗い終わったら、何度も水を流す。泡が完全に消えるまでそれを繰り返す。
今年の「お水洗い」もかくして一時間ほどで滞りなく終了した。今、それを言祝ぎながら、祝杯を上げているところである。