メディア・リテラシーの授業では、後期、学生たちに、新聞記事、雑誌記事、ルポルタージュ、あるいはドキュメンタリービデオ作成を課題として課す。前期が主にメディアをどう理解すべきか、どう利用すべきか等、受け手の立場からのメディア・リテラシーを扱ったのに対して、後期は、発信者の側に立ってメディアの功罪を考えることをその目的としていた。
いわゆる課題レポートの評価基準と違うところは、調べて考えたことを手際よくまとめただけでは駄目だという点である。想定される読者あるいは視聴者に対してどれだけその関心を惹き付けることができる内容・構成・形式になっているかが重要な評価ポイントになる。いくら真面目に調べてまとめたレポートでも、読者の注意を惹き付ける工夫がされていない、いわゆるベタな記事にはいい点はあげない。
日本人への遠隔インタビューを織り込んだビオ食品産業についてのルポルタージュは出色の出来であった。河豚計画(1930年代に日本で進められた、ユダヤ難民の移住計画)について多数のイメージを巧みに記事の中に組み込み、本文の説得力を増強することに成功していた歴史探訪的記事も高く評価した。
日本のホストという仕事についてドキュメンタリービデオを独りで作成した学生がいた。これがなかなかの出来なのである。本人の許可は得ているので、このブログの読者の皆様にも公開いたします。こちらがリンクです。お楽しみください。