これまでにもこのブログで数度話題にしたことがあるが、私は夢見が悪い。コンスタントに悪い。人と比べて悪い方なのかどうかわからないが、本人としてはもうほんとうにうんざりしている。
悪夢というほどではない。恐怖のあまり目覚め、気づくと背中が冷や汗でびっしょりなどという、映画やテレビドラマでよく見かけるような体験はない。ただ何ともつまらないことで不安な思いにつきまとわれるという程度である。
とはいえ、それがほぼ毎夜続くのであるから、いい加減にして欲しいと思わないではいられない。でも訴え出る先がないのが悲しい。
毎夜一話完結、状況設定は毎回変わる。この点にかぎっては自分の無意識(あるいは下意識)の想像力を褒めてあげてもよい。しかし心理的状況はほぼ同一で、これがテレビドラマだったら、とっくの昔に視聴者から飽きられ、見向きもされなくなっているはずである。私だって見たくない。
昨夜というか本日未明に見た夢も実にくだらない。
大学に行く途中(といっても場所はストラスブールではなく、日本の特定不能などこかである)、見知らぬ雑貨店に立ち寄った。何か面白い商品が見つからないかと思って入った。狭い店内に雑多な商品が乱雑に置かれている中、地面に無造作に置かれた青地の小皿の焼き物が目に入る。ちょっと気になった。しゃがんでその小皿を手に取ろうとしたとき、取り損ない、その小皿が脇にあった急須の上に落ち、小皿は割れ、急須の口も欠けてしまった。これはあきらかにこちらの不注意だから、両方とも代金を払おうと値札を探した。小皿は700円の値札が脇に落ちていたが、急須のほうは見当たらない。そこで店主に事情を話して値段を聞いた。ところが初老の気難しげな店主は露骨に迷惑そうな顔をしてすぐに値段を言わない。こちらの落ち度を認めて再度謝罪すると、一万円だと言う。これは明らかに不当な高値である。それはいくらなんでも高すぎるじゃないかと抗議する。ひと悶着あって、ようやく五千円で合意に達する。店を出る。時計を見る。大学の授業に間に合わない。しかもなぜかいつもと違うリュックサックを背負っていて、その中には定期が入っていない。どうしようと慌てふためいているところで目覚めた。鼓動が速くなっているのがわかる。
なんでこんなくだらない夢を見なくてはならないのか。朝から気分がだいなしじゃないか。ため息が出る。腹が立ってくる。が、それも虚しい。ああ、せめて一週間に一度でよいから、気分が穏やかになるような夢を見たい。