●愛用していた古典文法の本が見つかりません。メモの類を色々と書いていたんだけどなぁ。
●で、ですね。
●高校の古典文法の範囲内で間違いなどがありましたら指摘してくださるとありがたいです。
【実戦・直前】
傍線部に注目しよう
6 人をして人を殺さしむるは、その罪の重きこと甚だし。
7 帝、花の散るを見て感ぜしめ給ふこと限りなし。
8 御格子上げさせて扇投げ出だしたれば、宮、興じさせおはします。
9 帝、貫之・伊勢に歌詠ませ給ふ。
10 足を討たせて、弟(オトト)が一人(イチニン)残りとどまったらば
6 人に命じて人を殺させるのは、その罪が重いことはこのうえない。
【単独の「す・さす・しむ」は使役】「~をして・・・しむ」の形に慣れよう。
ちなみに漢文では「命令動詞+使役」のときは「をして」原則使わない。センター試験に出たよ。
7 帝は桜の花が散るのを見て、感動なさること限りない
【せ・させ・しめ+尊敬語】の形は非常に重い尊敬。二重尊敬=最高敬語
8 御格子を(召使に)あげさせて扇を投げ出したところ、宮様はおもしろがりなさる
(左は単独だから使役。右は尊敬。前項参照)
9 帝は貫之と伊勢に歌を詠ませなさる(歌をお詠ませになる)
使役の対象(立場や身分差に注目する)がある場合、使役になる。盲点として意外と入試に出る。
10 足を討たれて、弟が一人残ったならば
軍記物語では使役が受身になることがある。現代でも殴られた強い人が一発くらったあとで「殴らせてやったぜ」とか言うでしょ
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【参考】
「す・さす・しむ」
四段・ラ変・ナ変の未然形+す
タイプⅠの動詞(未然形が「~a」)だったな。(助動詞46~その1~の「る・らる」とも関連させるようにしよう)
それ以外の未然形+さす
「さす」の「さ(SA)」というように「さ」にア段が入っている
「しむ」は未然形接続(すぐ上が未然形)で漢文調のときに持ちられる
意味は原則として「使役」「尊敬」である。活用は下二段型。
上に記したが原則は【単独の「す・さす・しむ」は使役】であり、【「せ・させ・しめ」+「給ふ」を代表とする敬語動詞】は尊敬である。盲点としては【「せ・させ・しめ」+「給ふ」を代表とする敬語動詞】の形で使役のことがある。対象との身分差に注目する。もっと盲点というかマニアックというか、まぁなんだ軍記物語の「受身」の用法もある。
未然形にはまだしていないよ系と当事者じゃないよ系がある。「る・らる」「す・さす・しむ」は当事者じゃないよ系。現代語の使役で「私は彼に焼きそばパンを買わせた」という場合、「買う」という動作は主語を当事者としていないでしょ。そういうわけで、どちらにも「尊敬」がある。「尊敬」は原則として自分を主語にできないから、当事者意識がない系の助動詞が使われるわけよ。
なお、【「せ・させ・しめ」+「給ふ」を筆頭とする敬語動詞】【尊敬動詞+「る・らる」】は二重尊敬で最高敬語。詳しくは敬語の学習を以下で。
●敬語のレジュメ ●古文の敬語演習問題(枕草子百二段付き) ●古文の敬語、その前に
※軍記物語
中世文学で、戦争・合戦を主題として時代の展開を描いた叙事的物語。保元物語・平治物語・平家物語・太平記など。広義には義経記・曽我物語なども含む。文体は、多く和漢混交文。戦記物語。軍記物。
例文8
●興ず(サ行変格活用活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}) ※ザ変は存在しないぞー
興に入る。おもしろがる。
●おはします>おはす(敬意の大きさ)
①いらっしゃる。おられる。おありになる。
②いらっしゃる。おいでになる。お出かけになる。お越しになる。
※つまり「あり・をり・行く・来」の尊敬語。「ありをりはべりいまそかり」じゃないぞー。それはラ変だって。
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