旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

アラシアホテルとアマソス遺跡

2015-11-27 17:49:37 | キプロス

キプロスの南岸、リゾートホテルが並ぶリマソルエリア。 海岸に面したロケーションのよい大きなホテルをたくさん見た後で、市街地にある個人経営の小さなホテルを訪れた。なにげない雰囲気なのだが、地元手配会社さんイチオシときかされている。

←見かけはこのとおり、機能的できれいな小さめのホテルというだけ。だが、このホテル見学・昼食は、視察旅行の屈指に印象にのこるものになった。ゆったり広めのロビー ようこそ!とむかえてくれたオーナーさん自ら施設を案内してくれる。このスィートルームにはポール・マッカートニーも泊ったんだとか⇒

そして、お楽しみのダイニングへ キプロス名物のじゃがいもがこんなスティックになって登場 野菜にかかっていたドレッシングはなんとハチミツベース!バルサミコとレモンでさっぱりしあげ ハルミチーズはやっぱり焼くのがおいしい⇒ 一口サイズに野菜をサンドしてくれていておしやれ⇒ ドルマ(詰め物・巻物)はオニオン、トマト、穀物類を香辛料と混ぜたものをぎっしり詰めてボイルする⇒ ああ、焼いたきのこ!⇒ ラムチョップ⇒ ひき肉と玉ねぎにジャガイモを擦ったものをあわせたケフテデス(だんご)⇒

食後にはアンティークなギリシャコーヒーマシンの実演をしてくださった。この機械はもともとは炭を入れて使われていたのだが、今はガス式に改造したのだそうだ。今はこんなものどこにも売っていない⇒ コーヒーを砂糖を入れて熱い砂で煮出す。簡単なようでいて、作る人によって味が違うのだそうで、オーナー氏がやろうとすると、奥様から「あなたがやるよりシェフにやってもらったほうがおいしいわよ」と、指導が入っていた(笑)

ギリシャコーヒーというのは、出来上がってから砂糖を入れるのではない。あらかじめ砂糖をどのぐらい入れるか決めてオーダーする。「リコス」が砂糖なし、「メトリオ」は砂糖少し、「スケトス」が砂糖多め。聞き取りがまちがっていたらごめんなさい。

アンティークなピアノも置いてあって、なんでもベートーベンが弾いていたものと同じ型で、シリアルナンバーが五番ちがうだけなのだそうだ⇒

****

日暮れが近づいてきたが、キプロス屈指の重要遺跡●アマサスを訪れる伝説のエオリアス王の息子アマサスによって興されたとされる場所。紀元前11世紀ごろからのアフロディテの神殿があった。 パフォスのアフロディテ信仰から分かれてきた礼拝所と思われる。

ギリシャ神話野中で、クノッソス宮殿からアテネへの帰途においてけぼりにされたアリアドネも、ここに祀られているのだそうだ。多神教、なんでもアリです。

紀元前7世紀にはアッシリアの支配下、紀元前6世紀にはエジプトの支配下となるが、いずれの時代・いずれの支配者がやってきても、ここでは多民族が多種多様な神を信仰しつつ、一緒にくらしていたと考えられている。4世紀にキリスト教徒時代になっても、神域が教会となって使用されていた。 が、7世紀にイスラム教・ウマイヤ朝により破壊されてしまったのだった。丘の上にはかつてアクロポリスがあり、神殿の基礎が残されているそうだ。今日は登る時間がなくて残念。

繁栄した町には大きな港もあった。それが、今は海に沈んでいる。次の写真は現地のガイドブックに載せられいた空撮。確かに海の中に港が水没しているのがわかる↴

この遺跡の存在は古くから知られていたので、フランスは1780年(フランス革命前)から発掘をはじめていた。アクロポリスから見つかった巨大なツボは、現在ルーブルに収蔵されているとのお話。ううん、しかし、どこにあるのか、覚えておりません。今度ルーブルへ行ったら探してみうよう。1865年にオスマントルコから買い取られてルーブルに持ちされれる前の巨大ツボの図。直径3.19mもあるのだそうだ↴

同じものはもうひとつあり、そのレプリカが道路近くに展示されていた

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アポロの神域、クリオン遺跡、コロッシ城、リマソル城

2015-11-27 16:30:37 | キプロス

滞在したピッソーリ湾からすぐ東にはイギリス軍の広大なエピスコピ基地がある。

今日午前中に訪れる遺跡は、この地図で黄色に塗られている部分(=基地)の中にある。

敷地内を走っていると、ゆったりした敷地にクリケット場やポロのグランドなどが見えてきて、イギリスらしい施設がたくさんある。HAPPY VALLEYと呼ばれているそうな⇒もう一か所東にある基地(※我々が23日到着日に通ったところ)と合わせて、キプロス国土の3%がイギリス軍基地になっているのだときいた。

また、地図で「ソルトレイク」と書かれているのは本当に塩の湖で、ここにアフリカからの渡り鳥・フラミンゴが滞在するのだそうだ。

●アポロ・ヒラテスの神域

キプロス島で最も重要なアポロ神殿だったと伝えられる。紀元前一世紀の歴史家ストラボンも「クリオンの町の西にある」と記述されている。現在復元されているのはローマ時代に大幅改造された神域だが、青銅器時代からアルカイック期にさかのぼる発掘品も発見されている。歴史が何層にも重なったアポロの神域なのだ奥に復元された神殿の入口の柱がおもしろいかたちをしている。「ナヴァティア様式」と説明された⇒ナヴァティアというと西アジアの民族の名前。ヨルダンあたりの影響ということだろうか。

***再びバスに乗って移動、半島の先が見えてくる。 あのあたり全部、イギリス軍の基地であります 

●クリオン遺跡

 海を見下ろす丘の上にある都市遺跡。発掘された発掘された重要な邸宅にはこんな風に屋根がかけられていた。

復元されたモノではあるがギリシャ劇場もあるつまり、それだけ多くの人々が暮らしていた場所だったということ。テラコッタの水道管がみられるのでガイドさんにきいてみると、七キロ先の水源から飲み水を引いてきていたのだそうだ。 モザイクの美しい床がある邸宅のあとなど、先ほど見てきたアポロ神域とは違う、生活感の感じられる遺跡になっている この丘は春先には花が美しいのだそうで、「三月ごろにハイキングもいいですね」と、現地のエフゲニアさんの提案。花が好きな日本の方にはきっと楽しめることでしょう。

●コロッシ は、一転、中世の騎士団の城である。

ルジニャンケのヒュー一世から13世紀に聖ヨハネ騎士団に下賜され、その後騎士団が所有した。現在見られるものは1454年に騎士団のルイ・ド・マニャックによって改装されたかたち。

実戦向きに窓がほどんどない、厚い石壁の砦である。内部にはフレスコ画の断片も残る 壁の紋章はそのルイ・ド・マニャックのもの⇒

この近辺には今でもワイン畑があり、ここで「コマンダリア・ワイン」=司令官のワイン、がつくられるのだそうだ

***イギリス軍基地エリアを出て、東のリマソルへ移動。リマソルの海岸にはリゾートホテルがたくさんある。

市街地の中に埋もれてしまったような●リマソル城を訪れる。今は中世博物館となっている。

さっきのコロッシ城よりもこちらのほうが往時の雰囲気が感じられる 発掘された人骨⇒首だけでなく足首も手首も切られていた。 残虐さはしかし、イスラム教側の戦士だけがもっていたものではない。  屋上かつてここは見張り台だったのだろう。

商店街のど真ん中にこういう城があることが不思議に感じられる。

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