旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

オレロップ体操アカデミー訪問

2017-05-27 18:30:52 | デンマーク

日本のラジオ体操に影響を与えたデンマーク体操。それを継承する総本山がこのオレロップ。エキジビションの準備体操をする姿を見て、ほんとに似ていると感じた↓



***今日は年に一度の同窓会、1920年創立だから様々な年代の同窓生が集まる。


我々を迎えてくれたステファンさんは現役教師最古参組。「おひさしぶりです」と、多くの卒業生が挨拶にやってくる。カフェテリアの昼食には子供たちもたくさん。卒業生が家族とやってきている。和やかな晴れた土曜日↓



★国旗の入場からはじまり、全員が起立。客席の年長組も、多くはかつて演じる側の一人だったのか↓



オレロップ体操アカデミーは、デンマーク国民学校のひとつとして1920年に創立。国を代表する体操教育機関である。


びっくりするような演技が次々に披露されるが、競技体操ではない。個々人の能力に合った発表がされている↓



第一部、卒業生の発表が終わり、我々はかつての校長執務室で休憩。今日は天気が良いからデンマーク人は屋外の太陽の下を好む。日本人は屋内を好む。★この執務室の初代の主、創立者のニルス・ブックの肖像画がかけてある↓



彼は学校の敷地内に住んでいたから、人生すべてを捧げていたと言っていいだろう。明るい部屋には、ここにもクリントのデザインしたライトが吊り下げられている↓



過去を記憶する品々も展示されている↓これは?指揮棒ですね。ムチじゃありません(笑)



たくさんの蔵書の中に、つながりの深い日本のものもあった↓



ここでニルス・ブックと出会った小原國芳の言葉が、一冊の本に寄せられているのを見つけた。昭和五年に日本に招聘した想いがつづられている↓体操だけでなくスキーの教育・普及にも尽力されていた↓



ニルス・ブック、小原國芳、二人の想いは確実に現代にも継がれている。


※玉川学園のホームページに、二人のつながりを解説したページがあります


校内には創立当時からの場所も多く残っている。この、今となっては少し小さめの体育館↓



どこかブダペストの温泉を思い出させる温水プール↓時代を感じさせるデザインです↓



留学していた二十代のTさんは、このプールで10キロメートル遠泳を完遂したのだそうな。


現在の校長先生があいさつに来てくださった。記念の額をプレゼント学校の運営にはお金がかかる。それを捻出する手腕が求められる立場。彼の代になって、企業からのサポートも増えたのだそうな。庭にたつモニュメントもその代わりに設置されたとか⇒


大きな、現在の体育館にはすばらしい最新設備が用意されている。トランポリンで遊ぶ子供を前に、かつての卒業生だろうお母さんは、昔を思い出してついつい演技?↓



****第二部、エリートチームのモダンダンス↓演劇的・美術的要素が強いのもデンマーク体操の魅力↓



最後は屋外プールで高飛び込みの、ちょっとしたショー。ほんとに晴れてよかった↓



「IKKE UDEN RISKO」とは? 


 

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デンマーク人の豊かな暮らし

2017-05-27 11:00:53 | デンマーク

オーデンセの旧市街ど真ん中のホテル。目の前の広場で土曜日の朝市。新鮮な野菜をたくさん売りにきていた↓真っ赤なのはルバーブ↓ 日本ではそれほど見かけない、北部ヨーロッパらしい野菜と言えるだろう。

注目したいのは、どの札にも「デンマーク産」と目立つように書かれていること↑

ほかの店でも、産地をはっきり示すことが義務になっているようだ↓南アフリカ産のグレープフルーツ、メキシコ産のライム、コスタリカのパイナップルなどなど…↓

流通が発達した現代では、高く買ってくれる国においしい品物が集まってくる。生活の質にこだわるデンマーク人に受け入れられた品が、少々高くても求められているのだろう。

**09:15ホテルを出発。菜の花と青空の中を南へ向かう オレロップの体育アカデミーで、Tさんの同級生だったというステファンさんと学校の前で待ち合わせ、ご自宅へ伺った。昨年、森の中の家から海の近くのこの家に引っ越された。大金持ちというわけではない方だが、海へ向けて開けたこのご自宅↓

日本人ならここまで家の中が見えてしまう生活は出来ないかもしれない↓

ほとんど、カーテンというものがかかっておりません

朝十時半、ちょっとお茶の時間となる↓ 地元で迎えてくださる方があると、ただ外から写真だけ撮るのでは見えてこない、デンマーク人の豊かな暮らしがしみじみ感じられる。

家自体は1960年代のものだという。この張り出した部屋はまえの所有者が付け足したそうだ。ステファンさんはさらに庭へのウッドデッキを自分で日曜大工したそうだ。↓この露天風呂も自作↓

拾ってきた流木に手を加えてオブジェにして飾ってあったり、器用にいろんなものを自作している。デンマークでは珍しくないことだそうな。

隣の家は手間のかかる茅葺屋根↓柵や塀などない。その先の海まで歩いてみよう↓

海の中に立てられた杭は何? 夏場に船に乗り降りするための桟橋を、近所の人たちでとりつけるのだそうだ↓

***

12時にオレロップ体育アカデミー学校へ行くのだが、その前に学校の創立者であるニルス・ブックのお墓を見てみたいとお願いした。町の小さな教会の前庭墓地にある↓

 小松は、このデンマークの旅を依頼されるまで、ニルス・ブックについて何も知らなかった。今回オレロップを訪れるにあたり、玉川学園創立者の小原国芳とニルス・ブックの関係を読んで、ちょっとした感慨があった。この二つの学校は、自国の将来を深く考えた二人の人物が、国は違えど共鳴する理念を唱えてはじまった。その理念に賛同してくれる人・特に資金を出してくれる人をまとめあげて実現していったものだったのだ。

ニルス・ブックの遺志を継ぐ人々によって、オレロップ体育アカデミー(国民学校のひとつ)は、デンマーク指折りの教育の場でありつづけている↓

今日はオレロップの、年に一回の同窓会。模範演技もみられる。楽しみに向かう(^.^)

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