旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

アブシンベル神殿は「荒い」

2019-01-03 19:00:00 | エジプト
何度見てもすごい迫力!

紀元前13世紀にナイル川に面した岩崖にこれが掘られていたなんて…

当時首都だったテーベ(現ルクソール)からは今よりもずっと遠い、異民族ヌビア人の地にこれを建設するとはラムセス二世はどれだけの権力と富を握っていたのか。

今まで「すごい!」という感想しか言ってこなかった気がする。

ところが、今回ご一緒したお一人が、冷静な一言を放った。
「この神殿、つくりが荒いですね」
はっとした。小松はこれまで神殿の巨大さに幻惑されていたのかもしれない。

内部の壁画をよく見てみよう↓
ルクソールで見てきたような、ピシッと張りつめた美しさはここにない。

↑この直線の彫られ方ひとつとっても↑

ガタガタなのは年月と石の質だけが要因ではない。
↑人物像のバランスも良くない。あとから描き足したと思われる部分もある。
↓かつては彩色されていたのだろうけれど、それで「荒い」のをごまかしていたのではないかしらん。


ネフェルタリの小神殿についても同様

入口はまだよいのだが

内部の「ハトホル柱」の平面的で簡素な彫られ方↓

ラムセス二世は、完成した神殿を見に来たのだろうか。
少なくとも彩色前の神殿は見ていなかっただろう。
これじゃ、きっと満足しない。
**

一度ホテルにチェックインして、
日の沈む少しまえに「音と光のショー」の為の別チケットで再入場

同じ道を歩くと

簡素な石の座席にぎっしり

その日、いちばん多い言語が大きな音で流される。今日は日本語!

他の言語についてはイヤフォンがある筈なのだが…今日は見あたらなかった。

二つの神殿の壁を使ってプロジェクトマッピング

エジプト全土に遺跡を使ったショーはあるが、ここがいちばん見る価値があると思う。
アブシンベルに宿泊する大きな目的になっている(^.^)














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アスワンからアブシンベルへ

2019-01-03 10:33:36 | エジプト
アスワン中心部の手前にある船着場で下船

急速に拡大するアスワンの外側に建設中の「ニュー・アスワン」のゲートが見えてくる。

ほとんどの建物がこんな状態↓

まず、アスワン大学がこちらに移ってきて、そこから都市づくりをスタートさせようと考えているようだ。
↓砂漠の中の道に照明が続いている

★アスワンまで南に降りてくると民族がちがってきているのを感じる。ヌビア人が主流のエリアになる。
だが、この民族がエジプト人口のどのぐらいを占めているのか、正確にはわからない。公表されているデータが正しいとは思わない方がよい。
それが明らかになることによって、彼らが自治や場合によっては独立さえも画策しかねないという危惧があるから。
**
飛行場の前にハイダムを見学。
2016年11月にIMFからの要請で変動相場になって以降エジプト・ポンドの価値はみるみる下落。入場料もみるみるあがっている↓

↑このぐらいならまだ許せる

アスワンでここだけは見ておかなくてはならない場所↓
実質的にイギリスの支配下にあった1902年、綿花の栽培面積を増やすために建設されたアスワンダム。
さらに耕作地を増やすために計画されたアスワン・ハイダムは、革命・独立後のナセル政権にも引き継がれた。
アメリカが資金供与を打ち切ると、サダトは費用を捻出するためと称してスエズ運河国有化を宣言。第二次中東戦争がはじまった。
戦禍に曝され街を追われた人々がカイロに流れ込んでできたのが、到着初日に我々が目にした「墓の街」だった。※こちらからごらんください
物事はつながっているのだ。

ソ連による援助がおこなわれ完成。記念につくられた塔はどことなく社会主義圏にあるモニュメントの雰囲気ががある↓

すばらしいデザインなので、小松はいつもここは見ていただきたいとおもっております↓


↓アスワン・ハイダムの建設で水に沈みそうだったカラブシャ神殿はバラバラにして救出・再構築された↓

↑アブシンベル神殿だけではないのです。

アスワン空港でアブシンベル生きの飛行機を待つ。待合室にあったTシャツ↓

↓飛行機がアブシンベルに着く直前に神殿が見えるのだが…窓が砂まみれで…
前回、よく見えた時の写真をこちらからごらんください
アブシンベル到着
昼食のレストランは地元の民家風

タジンはなんでもおいしくする?

レストランの外では子供たちが我々が出てくるのを待っている↓

おねだりする子供たちにお金をあげるのは気が進まないのだが、さてどう対応するのがよいのでしょう。


バスで五分も走るとアブシンベル神殿のある河岸へ↓入場口から歩いていくと人口の小山が見える↓これが神殿の後ろ姿なのです

↓ナセル湖にうかぶクルーズ船↓これにもいつか乗ってみたいなぁ。こちらには日本のグループはほとんどいないそうな。


この強烈な存在感には圧倒される

内部

「つくりが荒いですよね」と言われて、はっとした。
たしかに…


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