旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

レーニン記念館の恐竜たち~モンゴル自然史博物館

2023-09-02 16:08:41 | モンゴル
2008年に訪れた自然史博物館は取り壊されていた。

恐竜たちは昔の「革命記念館」(※ガイドさんが「みたいな場所でした」と表現した建物)に引っ越したときいた。
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※2008年に訪れた、今はなき自然史博物館の恐竜をこちらのブログ後半に載せています

ウランバートルを東西に貫く「エンフタイワン(平和)通り」を走る市バスの窓から
子供用のプールの後ろに社会主義然とした建物が見えて↑急遽降りた。

↑建物の正面には↓

↑モンゴル独立の英雄スフバートルがレーニンと握手しているレリーフ↑
これが自然史博物館になっているのはいかにも不自然。

古ぼけた扉を押して入ると

↑巨大なムースの剥製↑
「入場料は15000トゥグルク(600円ほど)、写真はご自由に」と言われてもう一歩入る↓

不必要に天井の高いホールに出た↑
ここはいったい?
明らかに博物館として建てられた建物でないことはわかる。
二階にあがっていくと…

ちゃんとお目当ての恐竜化石が飾られていた。
↑ガイドさんもモンゴル語だが解説してくれる。
「骨格の75%はホンモノです。多くの復元模型は30%程度だけがホンモノなのでこれはとても貴重なんです」

「1946年にロシアの調査団が発見し1955年に古生物学者ムレーエフによって「ティラノザウルス・バタール」と名付けられたが、1955年に別の学者が北米のものとは異なる属であると発見し「タルボサウルス・バータル」となった。」(現地解説版より)
北米のものはティラノサウルスで、モンゴルのものはタルボサウルス・バータルという別属ということか。
同じくタルボサウルス・バータルの巨大な頭骨が傍に展示されていたが

「これはアメリカから返還されたんですよ。ニコラスなんとかいう俳優から」
検索すると、ニコラス・ケイジが2007年にオークションで27万6千ドルで落札したが後に密輸品だと判明して
2016年に無償返還されたのだそうだ。
※CNNのページにリンクします

↑モンゴルの恐竜化石はこんな感じで発見されることが多く↑根気強く解きほぐして復元していく。

こんな姿に復元するのには何年もかかる。

***
恐竜化石は思ったより少なかった。
三階には現在のモンゴルの動物たちの剥製がある。

タヒは「世界最後の野生馬」とも言われる。
絶滅が危惧されていたのでチェコだかポーランドだか(ガイドさん曰く)の動物園からモンゴルにもってこられた個体を放して、アルタイ県で群をなすまでになったそうだ。

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小松にはこの建物自体が興味深かった。

二階と三階の壁に延々と社会主義賛美の彫刻群がはめこまれている。

↑宇宙飛行士が刻まれているのはモンゴル人宇宙飛行士グラチャの頃?だとすれば1980年代になる。

学芸員さんに訊ねると1979年に建設されたレーニン記念館だった。

↑後方に並ぶ男性二人はマルクスとエンゲルス↑前方にスフバートルとレーニン↑

↑このパネルでは中央にモンゴルの国章「ソヨンボ」と、社会主義のシンボル「鎌と槌」が並べられている。
※冒頭の拡大写真をごらんください

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モンゴル自然史博物館は2023年現在ここで仮オープンしている状態。
将来は実際に化石が発掘されている郊外に大きなものが建設される予定だそうです。


コメント
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