旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ヴァレンシア火祭り

2016-03-19 12:24:21 | スペイン

3月19日は「ヴァレンシアの火祭」最終日。まず火祭の人形がおさめられた博物館へ

火祭の人形=ファジャ(ファリャ)は、すべて燃やされてしまうのが基本。
だが、人気投票でいちばんになったものだけは燃やされずここに収蔵される。
一番古いものは1930年代から。
初期の人形はこんな風に木組みの枠に本物の服を着せ、顔や手だけを蝋でつくったものだった

スペイン内戦1936-9の間だけは開催されなかったが、
それ以外はヨーロッパが第二次大戦真っ最中だった時期も行われていた。

●1934ピーナッツに偽装して煙草を売る↓

共和政下で世界的経済混乱の時代を反映している。

●火祭りの献花行列に行く女の子が↓ゲームに夢中の男の子を引っ張っている↓

これも違った意味で時代を反映している。

●「日本人の家族」と題している1991年のものだけれど・・・


●フランス人海洋学者ジャック・クストーが亡くなった翌年1998年の作品が印象的だった↓


人形の材質はどんどん改善され、燃えやすく・軽く・加工しやすいポリエステル・発泡スチロールへがつかわれるようになっていった。年に一度のこのお祭りに、ヴァレンシアの人はお金も時間も人も惜しみなく使う。燃やされてしまうだろう人形「ファジャ(ファリャ)」をつくるのにも、ちゃんとプロの職人が起用されるようになっていった。ヴァレンシア独自の職業「ファジェッロ」が成立している。 

下の一覧表は毎年の「一番」をまとめたもの↓
左には製作者の名前とその人が「一番」を取った年号。
右はそれをスポンサーした地区組織の名前↓

ここには歴代の「ファジャの女王」の肖像画も飾られている↓


****
すぐ近くの科学センターへ。
ここはヴァレンシア出身の建築家カラトラーバの設計↓







ヴァレンシアのソフト・ドリンクとして知られる「オルチャータ」を売っていた

原料は写真にも写っているチュファと呼ばれる植物の根っこ。
ほんのり甘い漢方薬といった風味。
甘味を足してうるのだろう、とっても甘い。
パンをひたして食べたりする。

*****一般乗り合いバスで市内へ移動。
街角に立つ巨大な人形「ファジャ」を見て歩く。
これらが今晩にはすべて燃やされてしまうのか。




すごい人波でファジャの写真もまともに撮れない、と思ったら、入場料を払って近くへ入る事ができる。今年一等賞をとったファジャへはなんと5ユーロ! あまりに高いので、二番人気の1ユーロのところへ入りました。
でも、これもきっと値下げしてます

そばで見上げると迫力もあるし精巧にできているのが分かる


イルミネーションもこんな

夜にはこんなになる

屋台というのはあまりに本格的なお肉を焼いている店

パエリアやらなんやらも

★このお祭りの主役は、大聖堂におわしますマリヤ様。
堂の内部にあるホンモノ↓

ちらっとだけ見えました。

これを拡大して広場に出現している巨像


献花行列はこのマリヤ様に花を捧げて目的を終えるのだ 大聖堂のいちばん大事な宝物は、キリストが最後の晩餐で使ったとされる聖なる杯⇒ ヴァレンシアに来たからには、お祭りだけでなく、その本来の中心である大聖堂だけはしっかり見ておきたい。


******午後二時、市庁舎前の広場で巨大な爆竹の催し「マスクレタ」がある。詰めかけた人々で立錐の余地もない。直前に雨がぱらつきだす。小柄な日本人には身の危険を感じるほどぎゅうぎゅうの状態。爆竹の炸裂は見えなくても、強烈な音と地響きが伝わってきた


人出と天候で、テレビで見ているのを選ぶものあり 市庁舎前にいちばん大きな人形が設置されていて、これが最後に点火される⇒ 夜中の一時のこと


それ以前の12時ごろに市内各所の巨大ファジャに点火される。消防自動車のご臨席をたまわってでないと点火できないので、どの人形が正確に何時に点火されるのかは分からない。 下の写真は四年前のもの↓



こんな風に燃やされる。拡大してごらんください⇒


 

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ヴァレンシア到着

2016-03-18 20:37:18 | スペイン

グラナダからヴァレンシアまでは五時間ほどかかる。ムルシア州・県を抜けヴァレンシア州に入る。途中こんなお城がいくつも見える
午後、ヴァレンシアの駅前までついたが、スペイン三大祭りのひとつ「火祭り」の交通規制で車はほぼ市内へ入れない。我々のホテルのある旧市街ど真ん中まで、どうやって行くべきか・・・
ドライバーさんが警察に質問中

んんん、スーツケースをタクシーで運んでもらおうかと思ったが、タクシーさえも中心部までは入っていけない。やっぱり・・・駅のあたりでバスを降りるしかないスーツケースも降ろしてがらがらひいていく。こうなるだろうことは、出発前からご参加の皆様にはお知らせしていたから、驚く事態ではないのだが、やっぱりたいへんではある。 

闘牛場前をとおり1キロほど歩いてホテルに到着。ガイドさん、お待たせしました。

チェックインしてヴァレンシア旧市街を概観徒歩観光巨大なチュロス 町中にファジャと呼ばれる火祭りの人形は大小合わせて800ほどもあるのだとか この日一番の見ものは夕方から夜中まで延々と続く献花の行列。近在の村々から年に一度着飾ってやってくる人々であります。

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グラナダの旧市街泊、王室礼拝堂も訪れる

2016-03-17 18:08:01 | スペイン

朝、ロンダを出てお昼にはグラナダに入った。旧市街のホテルにチェックインしてから、午後三時にアルハンブラでガイドさんと待ち合わせて歩き出した  キリスト教時代になってからつくられたカルロス五世宮殿⇒ アラブ時代のオリジナルと思われる木製の装飾⇒  ライオンの中庭⇒ アルハンブラの後背地のサクロモンテの丘はヨーロッパ屈指の古い街なのだそうだ⇒  アルハンブラの庭は20世紀になってから今見るような形に整備された植えられている植物も現代のアイデアだが、当然歴史考証はしているだろう。こんな食べられそうなモノも植えていたのかも⇒ ★アルハンブラの観光に関しては⇒過去の写真日記もごらんください

グラナダは背後にシェラ・ネヴァダ山脈がある。最高峰のムラセンは三千四百メートルを超える⇒市内から春スキーのゲレンデまで三十分である。  桜に似たこの花はアーモンド⇒

****グラナダ旧市街へ降りる。王室礼拝堂を見ていただきたかったので、旧市街ど真ん中のホテルを選んだ***

 復活祭が近いのでお菓子屋さんにはこんなモノも⇒ セマナ・サンタ=聖週間の行列で見かける伝統の衣装。「善行を行う時には顔を見せては価値がない」という考え方でこのようなスタイルが考案された。けっしてアメリカ南部発生ではありません。

夕方になりきれいに晴れている、市庁舎前⇒ コロンブスがイサベラ女王に航海のプランを説明している図⇒

★王室礼拝堂入口に到着グラナダの大聖堂は市内をバスで走っている時にその場所を知る事が難しい。王室礼拝堂があるのも分かりにくい。内部は写真禁止だが、イサベラとフェルナンド=カトリック両王の墓、それに夫妻の次女フアナ夫妻の墓、それに長女イサベルの息子(カトリック両王の孫)であるミゲル(二歳で死去)の墓もある。この場所はスペインの歴史の軸になる話がぎゅっと詰まっている。

アラブ時代からの雰囲気を感じさせる細い商店街もある とつぜん大聖堂横の広場に出る

***ホテルに戻り、すぐ近くの店で夕食にした キノコ⇒ ムール貝⇒ タコ⇒このあたりは定番。 びっくりしたのは、茄子の素揚げを黒蜜で味付けしたもの。サクッと軽く揚がっていて甘いけれど他では食べた事がないひと品だった⇒

最後にお店が勧めてくれて試した「TATAKI」は、日本では食べられないタタキだった⇒ 

 

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ロンダのパラドールに泊まる

2016-03-17 02:56:40 | スペイン

ジブラルタルを出て、午後三時前に内陸のロンダに到着した。今回は念願のパラドールに宿泊。チェックインして、ガイドさんと共にあるきはじめた。まずは、いちばん印象的な「新橋」(1751年完成)を、午後の光でいちばんきれいに見える場所へ案内していただいた。

市街にいては分からないのがこの高さ・この地形のロンダであります

今回は通常のツアーでは、通常の観光では時間が足らなくて訪れない旧市街と、そこにあるアラブ時代の井戸へ下りる体験もしていただいた。

 旧市街の中心、マヨール広場に面したマヨール教会。バルコニーは広場で行われた闘牛などの行事を見るために付け加えられたもの

セビリアに今でも住む貴族が所有する16世紀からの邸宅。新大陸アメリカの先住民族らしき人物像で飾られている

元はモスクのミナレットだった塔⇒ 後に教会の鐘楼になるがその教会もなくなってしまい。、今は頭だけがぽつんと残されている。均整のとれた、古くならない装飾がされている。

★「王の家」の庭から川面までぐるぐると降りる井戸階段がはじまる⇒

ここについては⇒以前の写真日記をごらんください 意外なほど美しい水面まを全員ごらんいただいて、今度は「アラブ橋」「ローマ橋」を目指す。

フェリペ五世王が建設した門※「新橋」が一度建設されたものの崩落して、再びこの古い坂道がロンダへの入口になったので、ここに門を設置したと思われる

下に見えるのが「ローマ橋」

写真右上にかまぼこ型をした屋根が見えるだろうか。これはアラブ時代の浴場で、イベリア半島に残るもっともよく保存されたものと言われる。・・・というのは、19世紀ここに庭園をつくろうとした貴族が土の中に埋もれていたのを発見したから。川沿いにあったので埋もれていたのですね。

近くに水道橋の様な構造物が見えたのでガイドさんに確かめる⇒「あ、あれはアラブ時代の浴場に水を供給する為のもので、ロバがぐるぐるまわって川の水をくみ上げていたのよ」とのこと。なぁるほどね。

こちらは●アラブ橋⇒この橋ができたおかげで旧市街を隔てた地域も発展した。13,4世紀のものだろうか。冒頭の「新橋」がなぜその名前で呼ばれるかがこれらを見ると理解できる。

***

新市街側にある闘牛場を訪れる。ここも18世紀終わりごろに完成し、使い続けられている。

今は入場料七ユーロ。高くなったが、見学できる場所も増えた。牛が入れられる場所⇒ 馬が大事にされている場所⇒ など、舞台裏がよく分かるようになった。

****パラドールへ戻り、夕食

*****翌朝は8時から朝食。この時期七時半ごろにようやく散歩できる明るさになる

すぐ近くの公園には、現代の闘牛スタイルをつくりあげたとされるペドロ・ロメロはじめ伝説の闘牛士たちの記念碑がはめこまれている 朝陽をあびるパラドール 「新橋」もきのうとは逆側が朝陽をあびている

今日はお昼ごろにはグラナダへ到着予定。宿泊もグラナダなので、アルハンブラだけでなく旧市街も見学できる予定。

 

 

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ジブラルタル~歩いて滑走路を横切る

2016-03-16 16:41:06 | イギリス

遮断機の向こうを轟音をあげたジェット機が離陸していった



 遮断機があがる。バスを降りて歩いて滑走路を横切る事にした。


 我々のスーツケースを乗せたミニバスが追い越していく 振り返ると、海抜四百二十メートルのTHE ROCKが滑走路の向こうにそびえている。



こんな風に滑走路を歩いて横断するのが日常になっている飛行場なんて、世界でもここだけではないだろうか。スペイン側が陸上封鎖してどうしても必要になって建設されたのだから、こんな事になってしまったのか?


スペインがジブラルタルとの国境を閉ざしていた1960年代から70年代にかけては、観光客がここを歩くことなどなかっただろう。


イギリス領ジブラルタルの街を出てスペイン領へ入るには、どうしてもこの滑走路を横切らなくてはならない。そういう地形なのだ。次の地図で一番上がスペイン領リネア・コンセプシオンの街。下がジブラルタル半島。間の青い部分が「中立地帯」。
その中に空港が建設された↓


ジブラルタルは1713年のユトレヒト条約でイギリスに割譲されたが、現在の空港敷地のある青色の部分は中立地帯であって、時条文に記されたイギリス領ではない、と、スペインは主張している。 青色の部分に記された年号は、イギリスが実質的に使い始めた年号になる。※拡大してごらんください


最初は庭園やクリケット場でスペインも容認していたが、飛行場をつくられてしまって困ったのだろう。 「土地の返還」を求めて、イギリスとの国境が閉ざされた。


もともと1936年に緊急用の飛行機発着場だったものが、どんどん拡張されて、いまや1600mの滑走路を持つようになってしまった。もちろん今も軍が使用している 1987年に民間利用も(スペインとの間に)合意され、現在一日3便から6便程度(季節や曜日による)の飛行機が離発着している。この日はマンチェスター、ブリストル、ロンドン、から各一便+モロッコのタンジールから一便。つまり、一日数回しかない珍しい時間にちょうど立ち会えた、というわけだ。


空港ターミナルの駐車場でミニバスからスーツケースをおろす。ここからは自分で荷物を持って国境を越えなくてはならない。係官はのんびりしたもの。国境問題るなんて感じられない。我々日本人観光客のパスポートはハンコさえ押そうとしなかった。


**スペイン側のカフェでちょっと休憩して 今日は内陸の街・ロンダを目指す。


地中海を右に見ながらしばらく走ると、ジブラルタルTHE ROCKが印象的な姿をみせていた↓



三十分以上走って、内陸への道へ入る一度は見えなくなっていたが、山道をのぼってゆくと再び水平線に浮かんでいた。


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