午後四時を過ぎてからマテラに到着した。バロック時代の町並から展望台に出ると、いきなりこの風景がひろがって、誰もがあっけにとられる↓
サッシと呼ばれる洞窟の前に家を構築していった場所。今晩はこのサッシを利用したホテルに宿泊!
イル・ククーと呼ばれる鳥笛⇒ セモリナ粉を使って焼いた日持ちのするマテラ・パン⇒旅をするときにこういうのを持っていったんだそうな。
使われている石は太古の海底から持ち上がったもの。貝殻がそのままはまっていたりする⇒けっこう脆そうに見える。 このマークは2019年「ヨーロッパ文化都市」に選出されたのでそのシンボルとしてつくられた⇒
★大聖堂が長年の修復を終えたところだった。ずうっと足場がある姿しか見たことがなかったので感激。つい三週間ほど前に再オープンしたんだそうだ↓
ゴシック窓はついているが、プーリアロマネスクのひとつとして認識できる形状。北イタリアからのロンゴバルド族の様式とシチリアにあるビザンチン+ノルマンの様式が交じり合っているのがプーリア・ロマネスクだと認識。
内部には、より古い時代の教会の跡や、バロック式祭壇の後ろに塗りこめられていた創建当時の「地獄絵」なども見られて、実に興味深い。古代の神殿からの再利用と思しき柱や、ロンゴバルド的装飾の柱頭飾りもある。内部見学には日本語のイヤフォンも導入される予定だそうだ。今回短時間で英語のものをささっと拝聴しただけだったので、次回が楽しみ(時間が十分ある旅をつくって訪れたい)。
**さて、サッシをゆっくり歩いて降りてゆく。この道は1920年代にムッソリーニが無理に通したもの⇒ サッシの中を車で入ってこられる唯一の道である。ムッソリーニはローマにも遺跡を分断するフォーリ・インペリアーリ通りをつくったりした。ローマをはじめイタリアの誇るべき歴史を目に見える形にしようとした、ということなのだろう。良し悪しは一概に言えないと思う。 1950年代に不衛生ということで住民を強制退去させて、前面廃墟になっていたサッシ。今ではインフラも完備されて人気の観光箇所としてここに住む人も増えてはいる。 まだまだこういう場所も多いけれど⇒
この町並みがパレスティナに似ているというので、キリスト受難劇の映画「パッション」も撮影された。今も同様に「ワンダー・ウーマン」なる映画が撮られているといことで、その張りぼて岩がこれ⇒
★今晩われわれが泊まるホテルのレセプションは、数年前よりもぐっときれいになっていた⇒ 天蓋?蚊帳?があるのは飾りではない。きれいにしてはあるが、時々ぽろっと砂が落ちてくることもある。 しかし、浴室はしっかりしていて、普通のホテルと変わらないこんな部屋も⇒
ホテルすぐ前から見える岩が盛り上がったような場所は、ビザンチン時代にさかのぼるイドリス教会。下に見える教会は15世紀ごろのサン・ピエトロ教会↓
午後七時すぎ、夕食へ向かう。こういう風景が見られるのが、ここに宿泊する楽しみ↓
明日は早起きして谷底に見えた吊橋まで降りてみようか。