朝目が覚めると、信じられないようなニュースに出くわすことが、最近多くなった気がする。きょうもそうだ。TVつけると、いきなり「小室哲哉氏逮捕か」と報じていて、何事かと目を疑ったが、結果本当にそうなってしまった。
それこそ一昔前、大学時代はどこへ行っても「小室サウンド」を聴くことができた。globe、trf、H-jungle withTとか・・・似たサウンドばっかりで少々飽きてもいたのだが。でも今もたまにカラオケで渡辺美里の「MyRevolution」歌うこともあるんだよな・・・。
それから10年経って、まさか借金まみれの生活、そしてきょうの詐欺容疑での逮捕なんて、想像つかなかったに違いない。しかし一時代を築いたあとの数年は、事業拡大の一方でヒット作が出ず、それを追うかのように事業も悪化していく。離婚慰謝料や借金返済に追われ、揚げ句の果てに、自分の楽曲全部の著作権を投資の対象にしようとしてしまう。しかしそれも結局ウソだったわけで。
本人も罪を認め、十分反省しているようだけど、彼にとって悲劇なのは、やはり「ヒットする音楽が作れなくなった」ことだろうとぼくは思う。
音楽を作るだけなら誰でも出来そうだが、それを「商品」としてヒットさせ、成功させるには、やはり「才能」は欠かせない。それは音楽だけではない。いかにヒットさせるかというプロデューサーとしての才能や、商売として成り立たせるためのビジネスの才能など。
そしてもう一つ必要なのは、「時代の空気」をつかむことと思う。飛ぶ鳥を落とすような勢い、ブームと呼ばれるものは、いつまでも続くとは思えない。時代を超えてヒット曲を産み続ける音楽家やアーティストと呼ばれる人達は、時代時代に合わせて、あるいは先取りして、どんどん変化していく。この点に関して、小室氏のサウンドは昔の「TMネットワーク」サウンドのインパクトがあまりに強すぎて、変化しにくかったのかもしれない。結果、時代にあった曲が生み出せなくなったことが、最大の原因なのかと、ぼくは勝手に考える。
ここで思う。ぼくはいつまでものを作り続けることができるだろうか?