厚生労働省は4月13日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種に必要な人材確保のため、自治体が設ける接種会場への看護師派遣を来年2月末まで特例的に認める方針を決めた。
現在はへき地を除き、医療機関への看護師派遣を原則禁止している。
この日開かれた労働政策審議会の部会に規制緩和案を示し、了承された。
早ければ月内に労働者派選法の省令を改正する。
4月12日には65歳以上の高齢者へのワクチン接種が始まり、ゴールデンウイーク明けから全国各地で本格化する見通し。
一般向けの接種も7月以降に予定され、各自治体は医師や看護師の確保を急いでいる。
学校の体育館や公民館などを活用した集団接種会場は、臨時の「医療機関」として位置付けられる。
へき地は医療従事者の確保が難しいため、今年4月に看護師の派遣が解禁されたが、それ以外の地域は認めておらず、現状では自治体が看護師を直接雇用する必要がある。
このため全国知事会などが緩和を要望していた。
規制緩和案では、へき地以外でもワクチン接種会場に限り、来年2月28日まで看護師や准看護師の派遣を認めることにした。
条件として、自治体でワクチン接種方法などの事前研修を実施するよう求めている。
この日の部会では、企業側の委員が「迅速なワクチン接種は喫緊の課題であり妥当だ。
事前研修などで各会場の安全確保に取り組んでほしい」と述べた。
労働者側の委員は「今回はあくまで期間を区切って認めるものだ。
本来は直接雇用するべきで、なし崩し的に派一週を広げることがあってはならない」と指摘した。