男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

古漬けたくあんのピリ辛煮

2008年05月19日 | 野菜類
毎年5月も中旬を過ぎると、昨秋漬け込んだ沢庵漬の醗酵が進んで酸っぱい味に変わってきます。それがちょうど今頃。沢庵を取り出してきれいに荒い、薄切りして水に晒し、調味料と鷹のつめで炊いていきます。

醗酵した沢庵を煮るのですから、その匂いは強烈であります。でも炊き上がった沢庵はことのほか美味しい。同じようなものに、白菜の古漬けの煮たのがありますが、これも美味しい。でも、なじみがない人には、どうなのでしょう。
とても美味しいと感じるしろものとは思われないでしょう。

「沢庵の煮たの」をめぐっては、こんなエッセイを読んだ記憶があります。
京都の大学に通っている下宿学生の食事をめぐってのお話です。
この下宿の毎日の食事のおかずに「沢庵の煮たの」が出てくる・・・
件の学生はこれが嫌いでたまらない。
あるとき意を決して下宿のおばさんに「こんな粗末なもの、自分は沢庵の煮たのが嫌い」そして「他のおかずに変えて欲しい」と申し入れるのです。
それに対する下宿のおばさんの反論と、言いくるめの文句が面白いのです。

下宿のおばさんのせりふです。
「沢庵の煮たのがお嫌どすか。あんたよう考えなはれ。この沢庵は農家が大根を精魂こめて育て、大きゅうなったのを寒風に晒して、じっくり乾かした干し大根を、糠と塩で長い間漬け込だのを、薄く切って塩出しして、それをじっくり煮込んで・・・これだけ時間と手間ひまかけたもんを・・・あんさんは、粗末とお言やすのんか。これだか手間のかかったもんが他におますか」と説教されるのです。

このエッセイの結末がどうなったかは忘れましたが、下宿のおばさんの反論するせりふが実に面白い。
「沢庵の煮たの」の手間ひまはおばさんの言うその通りなんで、また「沢庵の煮たの」の味に親しんできたものならともかく、そうでない人には迷惑きわまりないことだったろうと思うと、こっけいな話です。
それにしても、下宿のおばさんのせりふ・・・さすが京都人と感心したものでした。

    
 昨年の暮れに漬けたたくあんが、夏になると発酵が進んで酸っぱくなります。その頃に作るのが、「古漬けたくあんのピリ辛煮」です。薄切りにしたたくあんを水に漬けて塩抜きをし、酒と醤油と鷹の爪の細切りと一緒に煮ます。
 春先には、白菜の古漬けを刻んで塩抜きして同じように煮ます。煮る時の臭いは、古漬けの漬物を煮るのだから・・・決して良い臭いではありません。でも出来上がったのをご飯のおかずにすると、歯ごたえが良くなんとも美味しいのです。
毎年漬けるたくあんの半分は、「ピリ辛煮」のために作るようなもんです。

材料
古漬けのたくあん     適宜
たかのつめ      適宜
サラダオイル      適宜
しょうゆ          適宜
日本酒          適宜
鰹まる          適宜
作り方
たくあんを薄切りして塩抜きする
たくあんを薄切りにして、薄い塩水に漬ける。
1~2時間も漬けると、たくあんの塩気が抜ける(時間は塩からさの度合いで調整する)。
塩を抜きすぎると味も抜けるので途中で味を見て、少し塩気を残してざるにあげる。

塩抜きしたたくあんを煮る
たくあんの水切りができたら、分量のオイルで炒める。
全体に油がまわったら、日本酒と醤油・鰹まるを加えて、中火でコトコト煮る。
途中でたかのつめを加えて混ぜ込んで、煮汁がなくなるまで煮て出来上がり。
日本酒と醤油で煮てあるので、冷蔵庫に入れておけば1ヶ月はもちます。
(炊き上がって冷めてからタッパーにでも入れて冷凍保存しても味は変わりません。)


作って見たいが、古漬けがない・・と言う方は、高菜の古漬なら大抵のスーパーにあるので、高菜を塩抜きして上のような要領で煮て下さい(始めに油で炒めてごまを入れると美味しいです)。私のうちでも、たくあんが無くなると、高菜を使います。
    
韓国料理では「キムチ」を色んな料理に、調味料として取り込んでいます。たくあんも「チャーハン」の具にしたり、「ばら寿司」の具にして楽しみます。そのたくあん漬けですが、これが一筋縄ではありません。

参照沢庵を漬ける

そんな手間ひまかけて作るたくあんでも、美味しいか・・と言うとそう簡単ではありません。どうしてかと言うと、大根そのものが曲者でして、生の大根は見た目にはきれいでも、漬けて見ると皮がブヨブヨしたり、芯に白い「ス」が入ったりしていてガッカリします。

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あなごめし(焼き穴子の丼)

2008年05月19日 | ご飯類
これから7月にかけては、あなごの旬です。
あなごと言えば、煮て良し、焼いて良し、てんぷらに良し,6月の食材で最高ですね。 あと「はも」も良くなります。

今回レシピは「あなごめし」と題しましたが「焼きあなごの丼」です。
ご飯ものとして「あなごチラシ」のおすしもよろしいですね。

近頃、良いあなごが少なくなり、値段もずいぶん高くなりました。
郷里山口県の実家にいるころ、出売りに来る魚屋さんのあなごは安いものでした。
田舎の魚屋さんは一尾買いでした。鯛でも、鯖・鯵でも、あなご・はもでも魚の大小を問わず、調理はしてくれません。

あなご・はもは、自分で目打ちをして魚体を裂いて、はもなら下手ながら骨切りをしていました。これが私が高校生のころ、そのころから魚料理が好きで好きでたまりませんでした。魚つりの成果で釣ってきた鰻を自分で裂いて、蒲焼を作ったのは中学生のころでした。

今の孫たちはそんな楽しみを知らず、受験勉強に追われて、ほんとにかわいそうです。

ところで、うなぎとあなごの値段を比べると、あなごの方がはるかに高い・・・と思います。鰻は1尾あればうな丼が出来ますが、あなごは大きさにもよりますが、少なくとも2尾は要る、レシピのように細手のものなら3尾は必要です。

値段はともかく、播磨沖で獲れた細手のあなごを焼いた丼は申し分なく美味でした。でもやはり宮島口の「うえののあなごめし」に1日の長があるように思いました。
  

あなごめし・・・と言えばJR山陽本線「宮島口」の駅弁「うえののあなごめし」が絶品です。ここのアナゴは大野瀬戸のアナゴ(それも余り大きくない、1尾50~60gまでのもの)を焼いたのをそぎ切りにして丼にビッシリと並べてあり、焼きアナゴの香りと味が評判を呼んでいます。
ご飯には少しもち米が入れてあるような気がします。
山口の実家には車であと1時間の距離、里帰りするときにここで遅い昼食にしたものでした。いつ行っても、行列で待ち時間は昼時なら30分は待ちますが、それだけの値打ちがあると思います。
 今回のアナゴは、正真正銘の播磨沖のアナゴ(1尾50g・・一番手ごろのもの)でしたが、焼き上がりは「うえの」には及びもつきませんでした。でも素材にたすけられて美味しくいただきました。

材料
  ご飯  300g
  穴子  6尾300g
アナゴのたれ
  日本酒    大さじ  4杯
  みりん    大さじ  2杯
  出汁醤油    大さじ  3杯
  砂糖    大さじ  1杯
ご飯のたれ
  日本酒    大さじ  4杯
  水    大さじ  4杯
  みりん    大さじ  2杯
  出汁醤油    大さじ  3杯
作り方
「焼きアナゴのたれ」の調味料全部を合わせ、良く混ぜておく。
アナゴはガスレンジのグリルで焼くが、コンロにアルミホイルをしいて焼けば汚れが少ない。
(炭火で焼くのがベストだが、時間がかかるし一般的でないので、ガスコンロにしました。)
一度両面を白焼きして、アナゴを「焼きたれ」に浸して焼く(3回くらい繰り返す)。

焼きあがったらトレーに移し、冷めてから頭と尻尾を切り取る。
焼きあなごは2.5~3センチくらいのそぎ切りにする。

頭と尻尾を小鍋に入れ、「ご飯たれ」の調味料全部と、焼きたれの残りを加え、中火で7~8分かけて煮る(味見して足りない調味料を加えて味を調える。)
小鍋の中の「アナゴの頭と尻尾」を網杓子ですくい取る。

温かいご飯を丼に盛り、ご飯たれを大さじ2~3杯、ご飯に均等にふりかけ、たれとご飯を箸でかき混ぜて平らにならし、ご飯の上に焼きアナゴをのせる。
薬味は不要ですが、「おろしわさび」を一つまみ乗せる(練りわさびは止します)と上品になります。
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