天皇の料理番・・TV4ChTBSで放映された、秋山徳蔵さんがモデルのドラマが昨7月12日に
最終回を終えました。わたしは初回から見続けました。主人公の秋山さんがフランスの
料理店で修行中、料理長からジャガイモの切り方を試される場面がありました。
ジャガイモの切り方の中に、今回のシャトー切りがあります。ドラマではみごとな包丁さばき
でシャトー切りなど披露していました。それがプロの代役ではなく、蔵扮する「佐藤健」さん
自らの包丁使いであったと言います。
佐藤健さん、この役が決まってから料理作りに没頭し、包丁使いを研鑽したという・・タレント
としてのプロ根性の一面を観た気がしました。徳蔵の兄周太郎役を演じる鈴木亮平さんは
肺結核を患う役柄で、体重20キロを減量したと言います。これも立派なプロ根性と思います。
ドラマの中で一番に感じた言葉は、最終回の中の「料理は愛情である」ということばでした。
料理をするときは、それは一所懸命・・自分が作る料理を「誰かに」食べて貰いたい、そして
食べたその人に「おいしい!」と喜んで貰いたい・・その一念で作ります。
吉兆の創始者「湯木貞一」さんの孫の、徳岡邦夫さんの著書の書出しの一節を引用します。
料理とは「愛する人のために」作るものだと、私は考えています。料理を作り、食べるという
ことは、とりもなおさず「命」を繋いでいくために必要なことです。つきつめて言ってしまえば
料理とは、愛する人の命を守ることです。
お送りするのは料理のレシピというより、包丁遣いの一端です。シャトー切りは、フランスから
倣った切り方で、元は厚切りのフィレステーキ「シャトーブリアン」に由来し、シャトーブリアンは
フランスの作家の名前・・その料理人が作ったステーキをシャトーブリアンと名付けます。その
ステーキのつけ合せに、ラグビーボールの形にしたジャガイモを添えたことからシャトー切りと
呼ばれるようになりました。ジャガイモの切り方一つにも、それなりの歴史があるのであります。
その昔、レストランでステーキを注文すると、肉のつけ合せに塩ゆでしたニンジンとジャガイモ
がつきものでした。筒形に切ったニンジンとジャガイモは、普段食べるものと比べ高級なものの
ように見えました。その切り方をシャトー切りと言い、もとはフランス料理の切り方の一つです。
材 料
ジャガイモ メークイン
にんじん
セロリ
作り方
ニンジン
両端を切り落とし、全長15㎝を三等分する。
頭部の太い部分はタテに4等分し、細い部分
はタテに2等分する。
切り口をピーラーでそぎ取りながら皮を剥き
筒型に成形する。
4等分した部分は、真ん中の芯の部分を
そぎ取り、赤い部分を残す。
2等分したのは、切り口すべてを切り落とし
全体を丸めに成形する。
ジャガイモ
小粒のメークインなら、皮むきして成形する。
少し大ぶりならタテ半分か4つ割りして成形し
筒型に整える。
更に大きな中型のメークインは、はヨコ二つ
タテ四つの8等分に切り、切り口をそぎながら
皮むきして、形を整える。
シャトーにできる食材
形を活かして使うので、煮崩れする食材はNG、
根菜なら大根やカブ、ごぼう、蓮根などはOK
で、西洋野菜のセロリやパプリカは、シャトー
切りの料理ができると思います。
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