Fortnum & Masonでコーヒー豆を買った。今年のCup of Excellenceでエルサルバドル産の「La Ilusion」という豆である。250グラムで30ポンドだが、品評会で選ばれる豆がどのようなものなのか興味があったので、ちょっと奮発した。
袋から開けてみて、まず煎りムラが殆ど無いことに感心する。欠陥豆の割合も小さい。何よりも豆がきれいである。Fortnum & Masonは紅茶で有名だが、コーヒー豆も一見して店の品格の高さを感じさせる。しかし、焙煎後の経過時間はやや長いようだ。これは大規模小売店では仕方のないことである。また、焙煎後、どれほどの時間を置くのがよいかというのは個人の好みの問題でもある。
味はバランスが良い。ボディはやや軽目で、香味は上品、酸味は程良く効いている。この酸味はカリブ海・中米産の豆に特徴的なものである。個人的には、この手の酸味はそれほど好きではない。だから、普段はこの地域の豆は口にしない。今日のこの豆に関しては、全体のバランスのなかで酸味の効き方が程良いということだ。特に淹れたての味が上品で美味である。時間の経過に伴ってこの酸味が強くなり、バランスが崩れてくるので、あまり時間をかけずに飲むのがよさそうだ。
紅茶や日本茶、そしておそらく中国茶にも、茶葉の品質の見極めや扱い方にある程度決まった基準というものがある。しかし、コーヒーには無いのである。私はコーヒーが好きで、それが高じて焙煎職人に付いて少し勉強させて頂いたこともある。その他にもいろいろなコーヒー関係者の話を伺ったり、本やウエッブサイトで知識を得たりしたが、焙煎後どれほどの時間を置くのがよいか、ということに関しては4日程度という人もいれば20日程度という人もある。ただ、確かなのは、焙煎後は豆の酸化が進むということだ。例えばリンゴの皮を剥いて放置しておくと、リンゴは徐々に茶色くなる。これは活性酸素によるものらしいが、これほど顕著でないにせよ、コーヒー豆も時間の経過とともに変質するのである。味は勿論変わるのだが、見た目も時間の経過とともにテカりが出てくる。脂が浮いてくるのである。脂質は旨味のもとでもあるので、ある程度はあったほうがよい。しかし、それも程度の問題だ。私は焙煎から日の浅いものが好きだ。そのほうが喉越しが良く、雑味が少ないと思う。
豆の種類に関して私が好きなのは、野性味の強い豆である。ボディが強く、噎せ返るような深い香味があり、酸味はほどほどというのがよい。東京にいる時はマンデリンをよく飲む。ロンドンでは、東京のように焙煎をしながら豆を売っている店が殆ど無く、東京のようによりどりみどりというわけにはいかない。私の知る限り、焙煎をしながら販売しているロンドン唯一の店がCamden Coffee Shopである。ただ、ここは私の住処からは少し遠いので、何かのついでがないと足が向かない。この店で買うのはSantos Darkというブラジルの豆だ。値段は日によって多少の変動があるのだが、250グラムで3.2乃至3.4ポンドである。この店以外でコーヒー豆を買うのに利用しているのは職場近くのWaitroseというスーパーだ。普段の買い物に利用するのは住処の近くにあるSainsbury’sかASDAなのだが、コーヒー豆に関してはどちらも絶望的な品質なのである。Waitroseで売っている豆もだいたい3ポンド前後だ。Waitroseはスーパーのなかでは格上で、全体に商品の価格が高めなので滅多に利用しない。そういうスーパーで売られている豆でも、テカテカしている。Fortnum & Masonで売っている豆のボリュームゾーンは10ポンド程度だ。今日買ったのは品評会のチャンピオンビーンズなので、それなりの価格になっている。
備忘録
EL SALVADOR
CUP OF EXCELLENCE 2008
La Ilusion ? from high in the mountain on the slopes of the Santa Ana volcano ? reaches the summit of coffee perfection. The San Andres pyramid might look like an Escher creation, but it as real as this rich, complex coffee.
This is no illusion; as the winner of the 2008 El Salvador Cup of Excellence Competition, this coffee is the real thing.
El Salvador LA ILUSION
Lot 1
Freshly roasted coffee beans
Medium dark roast
Producer: Juan Jose Ernesto, Menendez Arguello
Processing: Fully washed
袋から開けてみて、まず煎りムラが殆ど無いことに感心する。欠陥豆の割合も小さい。何よりも豆がきれいである。Fortnum & Masonは紅茶で有名だが、コーヒー豆も一見して店の品格の高さを感じさせる。しかし、焙煎後の経過時間はやや長いようだ。これは大規模小売店では仕方のないことである。また、焙煎後、どれほどの時間を置くのがよいかというのは個人の好みの問題でもある。
味はバランスが良い。ボディはやや軽目で、香味は上品、酸味は程良く効いている。この酸味はカリブ海・中米産の豆に特徴的なものである。個人的には、この手の酸味はそれほど好きではない。だから、普段はこの地域の豆は口にしない。今日のこの豆に関しては、全体のバランスのなかで酸味の効き方が程良いということだ。特に淹れたての味が上品で美味である。時間の経過に伴ってこの酸味が強くなり、バランスが崩れてくるので、あまり時間をかけずに飲むのがよさそうだ。
紅茶や日本茶、そしておそらく中国茶にも、茶葉の品質の見極めや扱い方にある程度決まった基準というものがある。しかし、コーヒーには無いのである。私はコーヒーが好きで、それが高じて焙煎職人に付いて少し勉強させて頂いたこともある。その他にもいろいろなコーヒー関係者の話を伺ったり、本やウエッブサイトで知識を得たりしたが、焙煎後どれほどの時間を置くのがよいか、ということに関しては4日程度という人もいれば20日程度という人もある。ただ、確かなのは、焙煎後は豆の酸化が進むということだ。例えばリンゴの皮を剥いて放置しておくと、リンゴは徐々に茶色くなる。これは活性酸素によるものらしいが、これほど顕著でないにせよ、コーヒー豆も時間の経過とともに変質するのである。味は勿論変わるのだが、見た目も時間の経過とともにテカりが出てくる。脂が浮いてくるのである。脂質は旨味のもとでもあるので、ある程度はあったほうがよい。しかし、それも程度の問題だ。私は焙煎から日の浅いものが好きだ。そのほうが喉越しが良く、雑味が少ないと思う。
豆の種類に関して私が好きなのは、野性味の強い豆である。ボディが強く、噎せ返るような深い香味があり、酸味はほどほどというのがよい。東京にいる時はマンデリンをよく飲む。ロンドンでは、東京のように焙煎をしながら豆を売っている店が殆ど無く、東京のようによりどりみどりというわけにはいかない。私の知る限り、焙煎をしながら販売しているロンドン唯一の店がCamden Coffee Shopである。ただ、ここは私の住処からは少し遠いので、何かのついでがないと足が向かない。この店で買うのはSantos Darkというブラジルの豆だ。値段は日によって多少の変動があるのだが、250グラムで3.2乃至3.4ポンドである。この店以外でコーヒー豆を買うのに利用しているのは職場近くのWaitroseというスーパーだ。普段の買い物に利用するのは住処の近くにあるSainsbury’sかASDAなのだが、コーヒー豆に関してはどちらも絶望的な品質なのである。Waitroseで売っている豆もだいたい3ポンド前後だ。Waitroseはスーパーのなかでは格上で、全体に商品の価格が高めなので滅多に利用しない。そういうスーパーで売られている豆でも、テカテカしている。Fortnum & Masonで売っている豆のボリュームゾーンは10ポンド程度だ。今日買ったのは品評会のチャンピオンビーンズなので、それなりの価格になっている。
備忘録
EL SALVADOR
CUP OF EXCELLENCE 2008
La Ilusion ? from high in the mountain on the slopes of the Santa Ana volcano ? reaches the summit of coffee perfection. The San Andres pyramid might look like an Escher creation, but it as real as this rich, complex coffee.
This is no illusion; as the winner of the 2008 El Salvador Cup of Excellence Competition, this coffee is the real thing.
El Salvador LA ILUSION
Lot 1
Freshly roasted coffee beans
Medium dark roast
Producer: Juan Jose Ernesto, Menendez Arguello
Processing: Fully washed