熊本熊的日常

日常生活についての雑記

単細胞

2008年11月13日 | Weblog
米国では銃の販売台数が伸びているらしい。読売新聞のサイトに10月29日付けで記事が掲載され、翌30日付の朝刊にも掲載されたそうだ。FBIのサイトを見たが、確かにそういう内容のプレスリリースはあるものの、肝心の統計が無い。その後、この記事のことを朝日のアエラがコラムのなかで取り上げ、さらにCNNも11月12日付でサイトに記事を出しているので、本当なのだろう。

米国では銃を購入する際に、FBIの審査を受けることが義務づけられているようだが、この審査を受けた人が今年1月から9月までの9ヶ月で847万人いるそうだ。これは前年同期比8%増とのことである。さらにオバマ候補が大統領に当選した11月3日から9日までの週だけで、その審査の申請者が37.4万件と前年同期比49%増となったという。

これはオバマ新大統領が銃規制に積極的であるため、規制強化前に銃を確保しようとする動きが顕在化したということがひとつの理由である。もうひとつは景気悪化に伴い、治安の悪化を懸念して自衛のために武器を家庭に備えるという動きがあるのだそうだ。

米国というところは、西部劇に描かれた頃と精神的にはあまり変わっていないらしい。自分の身は自分で守るのは結構だが、武装することが新たな犯罪の下地になるのも事実だろう。武器を持てば使ってみたくなるのが人情というものだ。食い詰めた奴が銃を手に人を襲い、そのような事態を心配する人が自衛のために銃を手にする。民主主義が正義だと信じる人たちの国でも、結局は食うか食われるかという問題解決に帰結する。知恵はいらないし、知恵の無い民主制は衆愚制に堕落する。好むと好まざるとにかかわらず、そういう国が世界の経済と政治の中核を成している。人類とは、結局この程度のものなのである。