熊本熊的日常

日常生活についての雑記

師走

2008年12月01日 | Weblog
年末の風物詩というと、東京では酉の市、羽子板市、第九の合唱、アメ横や築地市場の賑わい、といったものが取り上げられる。寺社の縁日は、季節と密接に結びついているので納得できるのだが、不思議なのは何故年末になると生鮮食品を買い込まなければならないのか、ということである。確かに、昔は年末年始といえば商店が休業してしまうので、その間の食糧を確保するという意味合いがあっただろう。しかし、今は違う。コンビニは休まず営業しているし、スーパーや百貨店も休業するのは元旦くらいのものだろう。

こうした現象は東京だけではないのである。ここロンドンでも、クリスマス前になると熱に浮かれたように商店街に足を運ぶ人々が増えるのである。毎度書いているように、通勤の行き帰りにショッピングセンターの駐車場を横断している。核テナントのSainsbury’sというスーパーは昨年11月から24時間営業になっている。それでも朝の通勤時間帯は、駐車場は疎らである。それが12月になった途端、朝から駐車場が4割程度埋まっているのである。去年もそうだった。こんな朝早くにスーパーで買わなければならないものとは一体何なのだろう?

単なる習慣なのかもしれないが、習慣で気持ちばかりの安売り商品を買うために雑踏のなかを歩いたり、朝早くからスーパーに車を走らせたりするものなのだろうか?世の中には不思議なことがたくさんあるのだが、師走の風景というのも自分のなかでは永遠の謎である。

第九もよくわからない。といいながら、一度だけ合唱団に参加したことがある。9月から週1回の割合で仕事帰りに練習に参加し、11月になるとそれが週2回になる。11月までは私のような素人だけの練習が、12月からは東京都民合唱団というセミプロ級の人たちと合流し、最後の仕上げとなる。年末に上野の文化会館大ホールで本番を迎える。観客の多くは合唱する人の身内や友人たちだ。合唱に参加する人には最大4枚までチケットの割当がもらえるのである。当日は緊張と、発声という全身運動と、照明の熱で汗びっしょりになる。多少間違えても異様なほどに合唱団の規模が大きいので気にするほどのこともない。そもそも自分の声など聞こえない。演奏が終わると、観客席は総立ちだ。スタンディングオベーションを頂けるほどのものかと思いつつも、気分は最高に良い。しかし、第九の合唱に参加したのは、このときだけだ。かねてから一度参加したいと思っていたので、その思いが叶って満足できたのである。そして逃れることのできない現実に直面したのである。私は音痴だ。

娘へのメール 先週のまとめ

2008年12月01日 | Weblog

元気ですか?
そろそろカレンダーが届くと思います。感想を聞かせてください。

この週末は或る人の紹介でBENTLEYSという骨董店へ行ってきました。生憎オーナーが留守でしたが、店は営業していたので少しお邪魔してきました。この店は銀座のダンヒルのなかにも店を出しています。主にヴィトンのヴィンテージのスーツケースなどを扱っています。私が買うことのできるような値段のものはないのですが、精魂込めて作られ愛情込めて使われてきたことがわかるような佇まいの商品ばかりです。そうした品々が、きちんと手入れされた店内にきれいに並べられており、なんだかほっとするような空間でした。

この後、ロンドンで一番小さい美術館と言われているSir John Soane’s Museumを訪ねました。小さいと言っても、東京にある平均的な企業美術館と同じかそれ以上の床面積はありそうです。ここはSir John Soaneという建築家の自宅だったところを、その死の直前に寄贈され美術館として一般公開されているものです。1830年頃に寄贈されたそうなのですが、内部は当時のままの姿だそうです。印象的なのはローマ時代の遺跡から発掘されたと思しき彫刻や建築物の破片の数々です。ヨーロッパの人々にとってローマ時代というのは特別なものであるようです。私には薄気味悪い趣味にしか見えませんでしたが、Soane氏はこういう室内にほっとするものを感じたのでしょう。

もうすぐ日本へ引越しですので、そろそろ身の回りの整理を始めなければなりません。もともと余計なものはないのですが、おもしろそうなものがあれば日本へ引越荷物として送ろうと思い、本や古地図などを探しています。とはいえ、そういうものはなかなかありません。

ポンドが暴落しているので、日本に持って帰って売れそうなもの、というのも探しているのですが、これも実際に売ってみないと売れるかどうかわかりませんから難しいものです。

期末試験もあるでしょうし、寒さも厳しくなるでしょうから、健康には十分に気をつけてください。

では、さようなら、ごきげんよう。