熊本熊的日常

日常生活についての雑記

忘年会

2008年12月17日 | Weblog
今日は忘年会である。職場で自分が所属するグループの東京在勤の人たちの忘年会であり、ロンドンでひとりで働いている私には関係ない。

今日は水曜日なので、ナショナル・ギャラリーの夜間開館日だ。去年の今ごろは、トラファルガー広場には舞台が設置され、連日なにがしかのイベントがあったが、今年はそういうものがない。巨大なツリーは去年と同じで、そのツリーの下で賛美歌のコーラスが行われているのも同じだが、それを聴く観客は寂しい限りである。金融機関の人員整理が今月に入っても止まらない上に、先日倒産したWoolworthsの買い手が見つからず、昨日、約2万7千人の従業員の解雇が決まったとの報道があった。世の中の雰囲気として、馬鹿騒ぎを自粛せざるを得ないものがある。

ロンドンの生活で気に入っていることのひとつは、仕事帰りに博物館や美術館に立ち寄って、ゆっくりと好きな物を鑑賞できることである。最近はひとりで気に入った絵だけを眺めることが多いのだが、夜間でもキュレータートークが実施されている。11月19日に訪れた時は全館開館していたが、今日はレンブラントの初期の作品が並ぶ一画とフランス絵画のコーナーの一部が閉鎖されていた。それでも、ほぼ全館開館といえる状況であり、これはいままでにないことである。クリスマスが近い所為で、一部の宗教画は、照明を落として、その代わりにキャンドルを並べて展示されていた。宗教画自体に興味は無いのだが、表現としては同じモチーフが時代や画家によって様々に描かれているので、それを比べて観るのが楽しい。去年の今ごろは、まだ宗教画には目もくれなかったのだが、今や「セバスチャン」などはすっかりおともだちのようになってしまった。でも、一番好きなセバスチャンはルーブルにあるマンテーニャの作品だ。

今年も残すところ2週間。来週の水曜日はクリスマスイブなので、夜間の開館はない。大晦日はトラファルガー広場で馬鹿騒ぎがあるだろうから、開館していても、多分来ないだろう。私にとっては、今日はナショナル・ギャラリーでのひとりだけの忘年会だ。