熊本熊的日常

日常生活についての雑記

普通の幸せ

2008年12月23日 | Weblog
引越まであと2週間というところで、住処の温水器が故障した。現在の住まいは熱源を電気に依存している。調理器具も温水も暖房もすべて電気だ。家の中央、台所とダイニングの間に大きな温水器が鎮座している戸棚のようなものがある。どうやらヒーターが壊れたらしく、昨日、風呂に入っていたら、シャワーから出ていた湯が水になってしまった。もう上がる頃だったので、その場はどうということもなかったが、風呂に入ることができないのでは、これからの2週間が19世紀だ。

情けないもので、こういう時にどうしたらよいものか咄嗟にわからない。とりあえず、出勤してから不動産業者に連絡して指示を仰いだ。家主に連絡するという選択肢もあるのだが、私は英語が不自由なので、電話と郵便以外に連絡手段を持たない家主よりも、メールで意志の疎通を図ることのできる不動産業者のほうを頼ってしまう。しばらくするとメールの返事が届いた。家主に連絡したところ、すぐに電気工事業者を手配するよう依頼されたので、そのようにしたという旨のことが書かれていた。ほどなく電気工事業者から私の携帯に電話が入った。これからすぐに行く、という。すぐに来られても、職場にいて家にいないので、翌日の朝にきてもらうことにして電話を切った。

果たして今日の朝、立派な体格をした初老の男性が道具箱を持って現れた。温水器は極めて単純な仕組みである。タンクに水をため、それをヒーターで温めるだけだ。修理といっても、テスターで機器の通電を確認し、作動しなくなったヒーターを交換するだけだ。慣れた様子で作業はすぐに終わり、男性は悠々と引き揚げていった。

何か困ったことが起きた時、最も手っ取り早い解決方法は、そのことを知っている人に尋ねることだと思う。以前読んだ小説に、人をひとり知ることは図書館1つ分の新たな知識を得るのに等しい、というようなことが書いてあった。図書館といってもいろいろあるが、あながち大袈裟な物言いでもないだろう。

人ひとりができることはたかが知れている。3本の矢の逸話ではないが、人は他者と関係することで存在意義を得るのであり、何事かを成すことができるのである。当然のように人は集団として行動する。家族、地域、組織、国家、民族、その他諸々と集団の単位は様々でも、何がしかの集団への帰属意識を持って生きている。そして、自己の領域は自分自身だけでなく、自分が帰属していると意識している集団にも及んでいる。

温水器が故障して困った、それを他人に相談したらすぐに解決した。それだけの些細な出来事だが、そこに人と人とのつながりが機能している。そういうつながりを感じることが人としての普通の幸せでもあると思う。

娘へのメール 先週のまとめ

2008年12月23日 | Weblog

カレンダーは気に入ってもらえてよかったです。去年に比べれば写真のストックもかなり増えたので、作成するのも楽しくできました。

ヘイスティングスは今は単なる海辺の保養地ですが、英国人なら誰もが知っている町です。1066年のヘイスティングスの戦いに勝ったノルマン朝のウイリアム1世が現在のイギリス王室の起源とされているからです。それから20年後には現在のロンドン塔を築城し、居城をヘイスティングスからロンドンへ移し、今日に至っています。ノルマン朝はもともと現在のフランス北部にあった王国です。ウイリアム1世はそのフランスのほうの王も兼ねており、そちらではギョームという名前で、墓に刻まれたのもこちらの名前です。その後、現在に至るまでイングランド国王の座を巡り数々の権力闘争を経て現在のエリザベス2世はハノーバー朝の血統です。但し、今「ハノーバー朝」という名称は公式には使われず、ウィンザー朝と呼ばれています。何故名前を変えたかというと、ハノーバー朝はドイツ由来の王朝で、二つの世界大戦でドイツはイギリスの敵国だったからです。敵の国の出身の王様、というのはいろいろまずいでしょ。

サンタの写真は、特にイベントというわけではなく、なんとなくあちこちからサンタの恰好をした人たちが集まって、広場の銅像にみんなでよじ登ってみたり、馬鹿騒ぎをしていただけのようでした。今年はこのような風景には出会いませんでした。景気が悪い所為なのでしょうが、去年に比べると町全体に活気が無いように見えます。

ナショナルジオグラフィックは最近読んでいないので、どのような記事構成になっているのか知りませんが、野生の動植物が豊富に生息しているのは途上国ですから、このふたつの話題は切っても切れないということなのでしょう。先日、自然史博物館というところでネイチャーフォトという自然を対象にした写真の展覧会があったので観てきました。主催がイギリスの団体なので、参加者はヨーロッパや旧英国植民地の人たちが多いのですが、写っている場所は世界の様々なところで、北海道で撮影された白鳥の写真もありました。(撮影したのはアメリカ人)出品しているのは、殆どがプロのカメラマンですから、それなりの写真なのですが、個人的にはこうしたプロの写真よりも10歳以下の部の入選作のほうが面白い写真だと思いました。子供ですから、使っている機材も撮影の技術もプロに比べて当然見劣りするのですが、撮影する絵として選んだ風景が自然の奥深さを素直に表現していて、プロの写真よりも感動的でした。

シーパラは楽しそうでなによりです。帰国したら、畑仕事を手伝って欲しいという人がいて、週末などを利用して出かけるつもりなのですが、一緒に来ますか? 今すぐどうこうということではないので、考えておいて下さい。

期末テストは少し残念でしたね。それでも全体としては手応えのある結果だったようでよかったです。何度も言うように、点数それ自体はどうでもよいことです。何をどうしたら、どういう結果がでるのか、ということを考えながら勉強するとよいと思います。英語は困りましたね。世界に数ある言語のなかで、英語は簡単なほうです。だからこそ、世界にこれだけ広まったのです。おそらく、スペルを覚えるとかイディオムを覚えるといった、暗記作業が苦手なのではないかと想像しますが、つまらないことでもやらなくてはならないことというのは、世の中にたくさんあるものです。何度も書いて、何度も声に出して覚えるようにするのが結局一番確実な方法ではないかと思います。あと、たくさん英語を聞くようにしたら良いと思います。英語のラジオ講座とか、ポッドキャスティングを利用するとよいでしょう。この冬休みに、全科目の問題点を洗い出し、3学期に備えておくようにしましょう。何が自分にとって問題なのか、それを克服するにはどうしたらよいのか。よく考えて行動してください。

では、悪い風邪などひかないように、手洗いとうがいをしっかりして、栄養のバランスを考えた食事を心がけてください。