【ヒマラヤ雪の下】
今朝はあまりの寒さにブルル・・。
それでも居間の気温は10.5度。
今朝もいかにも冬の空といった空。
でも昨日と違って、太陽も。
そのお陰で日中は、
随分過ごしやすくなりました。
今日も私は、
19世紀の世界の中へいます。
そのためには、
どうしても次の記述のような、
暖炉がなければなりません。
“・・・エリザベスおばさんが今夜は冷えるからと
珍しく部屋の小さな 暖炉 に火を入れる事を許してくれた。
火は、勢いよく燃え、ちり一つない小さな部屋、
昔ながらの家具、敷居の広い深く窪んだ窓などに
赤がかった金色の光を降り注いでいる。
凍った青白い窓ガラスには雪びらが小さな渦巻きとなって
張り付いていた。
暖炉 の火に浮かび上がる壁の鏡は奥深く神秘的で、
人を引き込むような力を称えている。・・・”
【「エミリーはのぼる」 第1章】
それに、ランプや蝋燭の似合う、
薄暗い家も必要です。
寒くて薄暗い・・・
これこそ、ヨーロッパの冬ですものね。
~なんて、のたまわっております。
それにしても明るい家だけが好みでしたのに、
何という変化でしょう。
ところで昨日のタイトル、『永遠の憧憬』。
本当は、クララとブラームスの事を記すつもりでしたのに、
記さないまま、中途半端に終わってしまいましたね。
ブラームスと言えば、どのような印象をお持ちでしょう。
地味で目立たない・・ちょっと難解な楽曲・・。
それでも4つの交響曲と、「ハンガリー舞曲」、
「ブラームスの子守歌」など は、思い浮かぶのではないでしょうか。
そうそう今日のタイトル、『ブラームスはお好き?』 は、
勿論、サガンの小説のタイトルを、ちゃっかり頂いたものです。
フランス人らしい、「ちょっとお茶でも・・」 と言った、
軽く、洒落た誘いの意味が込められているそうですね。
そんな彼の交響曲は、映画にもよく引用されています。
例えば、アンソニー・パーキンスとイングリッシュ・バーグマンが共演した、
『さよならをもう1度』(1961)には、このブラームスの第1番と3番の交響曲が登場して来ます。
特に3番の第3楽章は、ロマンティックで甘い旋律が随所に顔を出しています。
その旋律は、チェロに現れ、やがてヴァイオリンに引き継がれ・・。
哀愁に満ちた旋律が映画のシーンを盛り上げます。
しかも、この曲にはエピソードも。
アルト歌手、ヘルミーネ・シュピースとの恋。
彼女を想って作曲されたと言われています。
ここでも、クララ以外の女性が登場して来ますが、(他にも沢山)
ブラームスは、恋には実に自由奔放だったようです。
そして・・恋愛する度に、恋人に捧げる曲を作っています。
しかし、どの恋も結婚までは至らず、生涯を独身で通しました。
そんな所からクララを想って永遠に・・と思ってしまうのですが、
どうやらそうでもなさそうです。
でも、やはりそんな風に思っていたいですね。
いいえ、本当に・・ブラームスの心の中では、クララは永遠だったと思うのです。
そう言えば、先日の まど・みちお 氏。
高校生に 「恋」 と 「愛」 の違いを質問された時、その答えが奮っていました。
「『恋』 は、人間だけのもの。
『愛』 は、森羅万象、全てのものに存在」 と。
さすがですね。