




「この頃じゃ母さん、 昔風の冬は来ないらしいね?」 と、ウォルターが暗い顔をした。 というのは11月の雪はとっくに消え去り、 12月中グレン・セント・メアリーは 黒いくすんだ地肌をさらしており、 それを縁取る灰色の湾には氷のように 白い泡の渦巻く波頭が点々としていた。 港が丘陵地帯の金色の腕の中で 煌き渡る晴れた日は僅かしかなく、 後は渋々した 強情な日々が続いた。 【「炉辺荘のアン」 第13章】 |

昨日以上に太陽はその姿を出し惜しみした今日。
そのせいもあって、今日は随分、冷えています。
ところで、お隣の山紅葉(ヤマモミジ)は、
まだまだ色鮮やかですが、我家の野村紅葉(ノムラモミジ)は、
そのほとんどが落葉しています。
残っているものも、その葉を茶色にし、
かろうじて枝にしがみ付いている状態。
少しずつ、少しずつ・・アース色の世界が、
広がりつつある事を実感する日々です。


以前にも一度、こちらで
取り上げた事がありましたね。
分厚くて大きな大きな
「ヒマラヤ雪の下」 の葉っぱ。
色鮮やかに四方八方、
手を広げているでは
ありませんか。
周囲がアース色の色彩の
中で、ひと際目立ちます。
この植物は日陰でも
元気で咲きますから、
どうしても目立たない場所に
ひっそりと存在。
背丈も低いですから、
いつの間にか他の植物に
隠れてしまうという事も
あるのでしょう。
ただ、この植物、こんな風に
鮮やかに装った後は・・。
全身が真っ黒になります。
山紅葉のように美しいまま散るもの、
枯葉色に、はたまた全く姿を変えるもの・・。
このヒマラヤ雪の下も、ある意味では、
非常にドラマチックな植物のような気がします。