サラとミッシェル、２人の女優

サラ・ポーリーは、さわやかで清楚な印象の女優。好きな女優のひとりです。１８歳の頃、出演したアトム・エゴヤン監督「スウィート ヒアアフター」（９７）で見た、事故の生存者１５歳のニコル役。

この役ですっかりイメージが付いてしまった感がありましたが、デヴィッド・クローネンバーグ監督「イグジステンズ」（９９）やオードリー・ウェルズ監督「写真家の女たち」（９９）で、イメージ一新。

「死ぬまでにしたい１０のこと」（０３）と「あなたになら言える秘密のこと」（０５）で、イザベル・コイシェ監督作品に主演。ここでもまた、透明感のある演技を見せてくれました。そして初めて監督したのが…

「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」（０６）です。認知症に直面した老夫婦（ジュリー・クリスティとゴードン・ピンセント）の物語。彼女らしい、静かに見つめる愛の作品でした。原作はアリス・マンロー。

１９７９年１月８日カナダ、オンタリオ州トロント出身のポーリー、今年３３歳。近作は、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督のＳＦホラー「スプライス」（０８）、ジャコ・ヴァン・ドルマル監督「ミスター・ノーバディ」（０９）。

最新作「テイク・ディズ・ワルツ」（１１）は、監督２作目。「アウェイ・フロム・ハー」でアカデミー賞脚色賞にノミネートされたポーリーは、本作も脚本を書いています。出演してないのが残念。

フリーランス（自由契約）のライターとして働くマーゴ（ミシェル・ウィリアムズ）は、料理本を作る夫ルー（セス・ローゲン）と結婚して５年。子供がいないせいか、今も恋人同士のように暮らしています。

ある日、マーゴは仕事で訪れた島でダニエル（ルーク・カービー）という青年と出会います。つかの間、ダニエルに惹かれるマーゴ。ところが、彼が自分の家の向かいに住んでいたのです。

動揺するマーゴ。ルーとは正反対のダニエルと過ごす時間が増えていきます。自分の気持ちに揺れるマーゴが決断した道とは？ミシェル・ウィリアムズの前作は、「マリリン ７日間の恋」（１１）。

アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた、今や演技派の女優。作品によってびっくりするくらい美しさに違いがあり、美女と平凡な主婦に変身。監督と主演、２人の女性の今をぜひ！