Amazonに大量に
発注した書籍類が、
毎日のように届き、
楽しみながら読んでいる。
最近は、
ほとんどテレビや映画を
見なくなり、
その興味もなくなってきた。
次から次と製作される
バラエティーや
ドラマやら映画やら
軽薄短小な内容ばかりで
辟易させられ、とうとう
愛想をつかしたのかもしれない。
やはり、人生の最後は
【温故知新】で
古典に回帰するのかもれしない。
*
漫画の聖地と言われる
『トキワ壮』時代の
上田トシコの
『フイチンさん』を
はじめて読んでみた。
赤塚不二夫や「ちばてつや」ほか
著名な漫画家たちの多くが過ごした
満州で上田も育ち、
子どもの頃は中国語と日本語を
チャンポンで使っていたという。
なので、
姑娘(クーニャン)の主人公
フイチンさんも
吹き出しではそのような
チャンポン語で話す。
どこか昭和初期の
『サザエさん』のような雰囲気があるが、
舞台が満州時代の中国なので、
異国情緒がある。
奇しくも、
80年代末期に
中国に修学旅行の引率で
蘇州・常州などを訪れた折、
経済成長以前の貧しく
古めかしい中国に驚いた時の
印象に近い背景描写である。
*
この作品へのオマージュとして
村上もとかは
『フイチンさん再見』
という上田トシコの伝記作品を
創作している。
*
大島やすいちの
『剣客商売』の新刊も届いた。
池波正太郎の原作により、
確固たる世界観が構築されており、
読者は、タイムスリップして
江戸時代の剣劇活劇を
覗きみるようなパラレルワールド感を
味わう楽しみがある。
小説・映画とは違った
物語世界を味わえるのは
劇画という表現媒体ならではである。
*
自称“ハルキスト”ではない、
と言いながらも、
その全作品を読んできた。
その新刊は
『騎士団長殺し』以来の長編で、
昨日、投函されてから
すぐさま頁を繰り始めた。
660頁もの分厚さだが、
半日で100頁ほどまで読んだ。
いつに変わらぬ
「ハルキ・ワールド」だが、
今回は、「影」や「夢」「壁」
といった深層心理学的な
キーワードを巡って描かれているので、
読後、興味が湧けば、
その象徴性について、
また、分析してみたいとも思った。
70過ぎの爺様が
16歳の少女と17歳の少年の
初恋を描きながらも、
そこに人間の持つ
存在の深み・重みと
世界の本質・実相を
描こうと試みているように
読み出しの部分からは感じられた。
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