朝採り

庭のイチジクを
完熟したものから
鳥に喰われないうちに
早朝に収穫している。

イチジク偏愛歴50年、
栽培収穫10年のベテランなので、
完熟度の鑑定には、一日何度も
下から二階からと観察している。

収穫には脚立とネットと
コウモリ傘という
3点セットを用いる。

コウモリ傘は、幼少の頃、
お向かいの清野君んちのオバチャンが
これでグイグイ枝を引き寄せて
ワイルドに採っていたのに感激し、
爾来、この「清野君ちのオバチャン方式」を
踏襲している。

今朝も6時から5ヶ収穫して
「オヒオヒ」と
一人悦に入っていた。


今年は、放射能を懸念してか、
保育園時代からイチジク大好き少年の
ナッちゃんも、さすがに食べるのを
気持ち悪がっている。

毎朝、一緒に収穫して
その場でしゃがみ喰いしてから
保育園に出かけていたので、
卒園時の文集では
「好きな食べ物･･･イチジク」
とまで書いた
二代目イチジク偏愛者なのだが…。

オトーサンから
「根性なし！」
と誹りを受けて
「トーチャンなんか、
　内部被爆してもいいもんね」
と言ったら、
「先がないからでしょ」
と切り替えされた。

ダッフンダー！！

たしかに･･･

でも、死んでもいい、
と思うくらい、我が家のイチジクは
絶品の美味なのである。

こないだ、実や木の周辺を測定したら
たいした高くなかったので
市内のサクランボや桃と同様に
基準値を下回っているだろうと
思いながらも、けっこう厚めに
皮を剥いて食している。

あと1週間くらいは
毎朝の収穫を楽しめる。

これが生きる喜び
というものなのである。