遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 

むかし 浦和に住んでいました。大宮氷川さまが10日町 一の酉 12日は浦和 二の酉で 毎年 おばちゃんの家によってお小遣いをもらって 酉の市に行くのが愉しみでした。

昭和の夜店といえば 暗いはだか電球のしたで 綿菓子 大判焼き タコ焼き りんご飴 飴細工 かるめ焼き お面やメンコ ガラスの指輪なんかも売っていた.....  

今 流行りのチキンステーキはもちろん チョコレートバナナ 焼きソバ 広島焼き もなかったような気がします。

おばちゃんの家は 一軒は岸町 一軒は白幡にありました。もうとうに お菊おばさんも お仁おばさんも鬼籍に入られましたが 祭りの興奮は昨日のようにあざやかに思い出します。夜店をのぞいてなにとなにを買おうかと算段する息苦しいような気持ち 見世物小屋に入って見たい渇望 だけど そこは決して足を踏み入れてはならない禁足地でした。さして広くも無い調神社 つきのみやじんじゃの境内は夜ともなれば冥界異界に通じる迷路ともなりました。

さて ながいながい年月を経て行った祭りの夜 夜店は煌々と電球がともり 身動きがとれないほどの人の波です。ひごろはあまり姿を見かけない子どもたちの多いこと....うれしげなようすはむかしと変わることがありません。亡き乳は 毎年ここで高島暦とちいさな熊手を購って帰りました。わたしも 西野で熊手を求めました。帰りは路をまちがえて 中仙道にでてしまい 遅々として歩みは進まず往生しました。

12日町がおわれば 一陽来復のお守りをかいに早稲田までいきます。クリスマスの贈り物も用意して 愉しい夜を過ごして 大掃除をして 新年を待ちます。日本中の家に お正月さま 大歳の神さまがおいでになるように 今年は御節おひとりさまセットの売れ行きがいいと聴くにつけ 親しいひと 愛するひととともに ささやかなりともお年越ができますように 祈っております。



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