(注)本シリーズは「マイライブラリー」の下記URLで一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0459OilMajor2018.pdf
II. 2018年の業績比較 (続き)
(Shellは利益もトップ、Total、BPの2倍以上!)
2. 利益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)
Shellが5社の中で利益額が最大であり(234億ドル)、これに次ぐのがExxonMobilの208億ドルで、この二社が利益200億ドルを超えている。これに続いてChevronが148億ドル、Totalが110億ドルと100億ドル台の利益を確保している。これら4社に比べてBPの昨年の利益は94億ドルにとどまっており、トップのExxonMobilの4割の低い水準である。
3.上流部門/下流部門利益
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)
(注)上記2の利益には上流部門及び下流部門(石油精製販売部門)の他化学部門の利益が含まれている場合があり本項の合計額とは必ずしも一致しない。)
上流部門の利益は各社によって大きな格差があり、最も多いのはBPの146億ドル、次いでExxonMobil141億ドル、Chevron133億ドルと続いている。Totalは102億ドルでShellは5社の中で最も少ない68億ドルにとどまっている。
下流部門は各社の格差が比較的小さい。利益が最も多いのはShellとBPの76億ドルで、これにつぐのがExxonMobilの60億ドルである。Chevron、Totalの2社は上位3社よりかなり少なく、それぞれ38億ドル及び34億ドルである。
上流部門は保有する鉱区の優劣により大きな開きが生まれるのに対し、下流部門は各社の精製設備の競争力に大きな差が無く、市場における販売力の違いに損益格差があるためと考えられる。
4.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)
売上高と利益の比率である売上高利益率を見ると、Chevronが8.9%と最も高く、ExxonMobilが7.2%で続いている。Shellは5.9%、Totalの利益率は5.5%である。Shellは売上高及び利益が5社の中では最も大きいが、売上高利益率は5社中の3番目にとどまっている。BPは利益率が3.1%にとどまっており、他の4社に比べて際立って低い。2010年のメキシコ湾原油流出事故の後遺症を今も引きずっていることが同社の決算書から見て取れる。
(続く)
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前田 高行
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