石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

サウジアラムコと五大国際石油企業(IOCs)の2020年業績比較 (9完)

2021-04-16 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0528AramcoVsIoc2020.pdf

 

(原油生産量はアラムコ1社がメジャーズ5社合計を上回る!)

7. 原油・ガス生産量 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-6-31.pdf 参照)

 昨年のアラムコの原油生産量は日量平均920万バレル(以下B/D)であり、天然ガス生産量は石油換算で320万B/D、両者あわせて1,240万B/Dであった。IOC5社で原油生産量が最も多いのはExxonMobilの235万B/Dであるが、アラムコはExxonMobilの4倍の生産量を誇っている。そして最も原油生産量が少ないbp (123万B/D)と比べると約8倍である。メジャーズ5社の合計原油生産量は879万B/Dであり、アラムコの生産量はこれを上回っている。

 

 一方、ガスの生産量はアラムコの320万B/D(石油換算)をIOC5社と比較すると最も多いShell(158万B/D)はアラムコの49%、最も少ないbpでもアラムコの4割弱であり、原油生産量ほど大きな差は無い。因みに五大企業の石油と天然ガスの合計生産量は1,548万B/Dでありアラムコ一社を上回っている。

 

 各社の原油と天然ガスの比率はアラムコが原油74%に対しガス24%で原油はガスの3倍である。これに対してIOC5社はExxonMobil及びChevronの原油:ガス比率は3対2であり、Shell、bp及びTotalは原油がガスを少し上回る程度である。アラムコはIOC5社に比べ原油の比率がかなり高い。

 

 これは両者のガスに対する取り組み方の違いにあると考えられる。即ちIOC5社の場合、近年天然ガスに対する需要が増加しているため独自の開発生産に力を入れており天然ガスの比率が年々高まる傾向にある。これに対してアラムコは原油の生産販売を目的とする国営石油会社であり、これまで天然ガスは国内の発電・造水向けであったためガス田開発にさほど積極的でなかったことがあげられる。

 

アラムコの場合、天然ガスは原油生産に伴って生産される随伴ガスを自家燃料として消費し、或は国内の電力・海水淡水化国営企業に供給している。最近では電力・海水淡水化用の需要が急増しており、今後は天然ガスの生産比率が高まるものと予測される。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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LiveDoG物語 (18)

2021-04-15 | その他

(英語版)

(アラビア語版)

(日英亜三ケ国語版)

 

授業は厳しく休む間もなく続いた。

それでも少年は乾いた砂に水がしみ込むようにコーランの教えを吸収した。

少年は暁の祈り(salah al-fajr)と共に起き、夜の祈り(salatal-isha)の後、平和な眠りについた。

心身共に鍛えられた少年は学識豊かなタリバンに成長していった。

 

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日本は世界120位、政治参画分野の低さが致命的-世界と中東主要国の「男女格差指数」(4)

2021-04-15 | その他
(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。 http://mylibrary.maeda1.jp/0529WorldRank5.pdf

(世界ランクシリーズ その5 2021年版)

 

4.日米中他6カ国の要素別比較(レーダーチャート)

 ここでは3カ国を1グループとして3グループ計9カ国を取り上げ総合順位と4つの分野別順位(経済、教育、健康及び政治)をレーダーチャートで表してみる。レーダーチャートは最も外側が世界1位(つまり男女格差が世界で最も小さい)であり、以下中心に向かうほど順位が低くなる(即ち男女格差が大きい)。グラフの実線が外側に広がるほど男女格差が少ないことを示し、また真円に近いほど男女格差のバランスが取れていることを示している。

 

(1)チャート1(日本、米国、アイスランド) (図http://rank.maeda1.jp/5-G02.pdf 参照)

 3カ国の総合順位はアイスランドが世界1位、米国30位、日本は120位である。教育分野の男女格差は日本が92位、アイスランド38位、米国は世界1位である。前項で述べた通り世界レベルで見ても教育の男女格差は小さく、格差指数は米国1.000、アイスランド0.999、日本0.983であり指数のわずかな上下で世界ランクが大きく異なる特性がある。

 

 経済分野ではアイスランド4位、米国30位、日本117位である。また政治分野ではアイスランド1位、米国37位、日本147位であり日本が極端に低い。これに対して健康分野は日本65位、米国78位、アイスランド119位であり、総合ランク及び経済・教育・政治の各分野のランクと正反対の様相を呈していることは興味深い。レーダーチャートで見ると健康分野で3カ国の世界順位は大きく後退し、また線が交錯して順位が逆転していることが読み取れる。政治分野では日本はチャートの中心部にあり(即ち世界ランクが低く)、他の2カ国と大きな格差があることがわかる。

 

(2)チャート2(UAE、中国、インド)(図http://rank.maeda1.jp/5-G03.pdf 参照)

 UAE、中国、インドの総合順位は72位、107位及び140位であり、世界ランクではそれぞれ中位グループ、下位グループ及び最下位グループに区分される。経済分野では中国69位、UAE135位、インド151位であり、3カ国の中では中国の男女格差が低い。教育分野の世界ランクはUAE89位、中国103位、インド114位と総合順位に準じたランクとなっている。一方政治分野のランクはUAEが世界24位で世界的に見てもランクが高く男女格差が少ない。インドも世界51位で上位グループであるが、中国は世界118位であり、3カ国の中では最も低い。

 

(3)チャート3(トルコ、エジプト、イラン)(図http://rank.maeda1.jp/5-G04.pdf 参照)

 中東の三大国トルコ、エジプト及びイランはイスラーム教国家と言う共通点を持つが、人種的にはトルコ人、アラブ人、ペルシャ人の違いがあり、また政治・経済体制も異なる。しかし男女格差で見るといずれも世界ランクはエジプト129位、トルコ133位、イラン150位と世界の最低レベルにとどまっている。

 

特に経済分野の男女格差はいずれも世界140位以下と言う極端に低い水準である。教育分野はトルコ101位、エジプト103位、イラン118位であり3カ国に大きな差はない。しかし健康分野では世界92位のエジプトに対してイランは世界129位にとどまっている。さらに政治分野ではエジプトが世界でも中位クラスの78位に対してトルコは114位、イランは世界最低水準の151位であり3カ国の格差はかなり大きい。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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石油と中東のニュース(4月14日)

2021-04-14 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・OPEC4月レポート:今年の石油需要を595万B/Dに上方修正

・Oxfordエネルギー研究所:原油価格100ドル超のスーパーサイクルの可能性を否定。来年末までは59-69ドル

(中東関連ニュース)

・13日からラマダン(断食月)始まる

・イラン、ウラン60%濃縮に着手、核爆弾製造の90%濃度に近づく

・イスラエル船、UAEフジャイラ沖合でイランの攻撃受ける

・ロシア外相、エチオピアのダム建設に関しエジプトのナイル川水利権を支持

・リビア首相、トルコ訪問。地中海上領海画定の2019年協定を更新。 *

*レポート「天然ガスに国際政治が絡み大荒れの東地中海 」(2020年2月)参照。

・ヨルダン首相:ハムザ王子は訴追しない

・エジプト運河庁、運河封鎖事故に賠償10億ドル要求。コンテナ船を拘束

・UAE、民間企業の給与遅延に新しいペナルティ

 

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サウジアラムコと五大国際石油企業(IOCs)の2020年業績比較 (8)

2021-04-14 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0528AramcoVsIoc2020.pdf

 

 

6.設備投資 (図 http://menadabase.maeda1.jp/2-D-6-40.pdf )

 2020年のアラムコの設備投資額は269億ドルでありメジャーズ5社のいずれよりも多い。アラムコに次いで設備投資額が多いのはExxonMobilの214億ドルであり、メジャーズの中で唯一200億ドルを超えている。比較した6社の中ではbpが最も少ない123億ドルであり、アラムコの半分以下である。

 

 過去3か年の各社の設備投資額の推移を見ると3か年ともアラムコが最も多いが、同社は3年連続して減少しており、2019年は前年比7%減、2020年は同18%減であった。メジャーズ5社のうち3社は2019年は対前年比で増加、2020年は全社が大幅に減少しているのが特徴である。メジャーズもアラムコも昨年はコロナ禍の影響で設備投資を大幅に削減したことがわかる。

 

 各社の金額の推移は以下のとおりである。(いずれも2018年→2019年→2020年の順で単位は億ドル)。

 

アラムコ(351→328→269)、ExxonMobil(259→311→214)、Shell(230→230→166)、bp(167→154→123)、Total(156→174→130)、Chevron(201→210→135)

 

(続く)

 

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LiveDoG物語 (17)

2021-04-13 | その他

(英語版)

(アラビア語版)

(日英亜三ケ国語版)

 

少年は町はずれのマドラサの前に立っていた。

モスクの高い尖塔が平屋建ての泥レンガの家々を静かに見守っていた。

校門が手を広げて少年を招いていた。

少年は希望に胸を膨らませ新しい世界へ飛び込んでいった。

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日本は世界120位、政治参画分野の低さが致命的-世界と中東主要国の「男女格差指数」(3)

2021-04-13 | その他

(世界ランクシリーズ その5 2021年版)

 

(格差が大きい政治分野、小さい教育分野!)

3.分野別のランクとスコア

(表http://rank.maeda1.jp/5-T02.pdf 参照)

 男女格差指数は(1)経済参画分野、(2)教育分野、(3)健康・寿命分野及び(4)政治参画分野の4つの分野について公表されたデータに基づいて詳細な比較検討が行われている(本稿第1章参照)。本章では第2章で取り上げた国々、すなわち世界の上位5か国及び日本を含む主要各国並びに中東主要国について4分野のスコアと世界ランクを概観する。

 

  • 経済参画分野の男女格差

 総合世界1位のアイスランドはこの分野でも世界4位(スコア0.846)と高い地位を占めている。

米国は30位、英国は55位であるが、日中韓印のアジア4か国は、中国の69位が最も高く、日本は117位、韓国123位、インド151位である。

 

(2)教育分野の男女格差

 WEFが各国の統計値をもとに判断した教育分野の男女格差は極めて小さい。即ちノルウェー、フィンランド、米国のスコアは1.000であり男女格差が無いとされる。格差指数は1.000が上限であり、国によっては1を超える(即ち女性と男性の逆格差)ケースもあり、教育格差指数1.000は156か国中37か国に達する。また156カ国中の半数を超える87カ国の格差指数が0.990以上である。

 

 この結果日本のスコアは0.983でありトップ(1.000)との格差は0.017にとどまるが世界ランクは92位である。同様に中国と韓国はスコア0.973で共に世界103位である。中東諸国ではイスラエルがスコア1.000で世界1位グループに入っている。その他UAEは世界89位(スコア0.987)、サウジアラビア97位(同0.980)であり、エジプト、トルコ、イランは世界100位以下である。但し世界118位のイランのスコアは0.953でトップグループのイスラエル或いはUAEと比べスコア格差はさほど大きくない。

 

(3)健康・寿命分野の男女格差

 世界1位のスコアは0.980で、ブラジル、ロシア、ミャンマーなど29カ国が並んでいる。スコアがわずか0.007しか違わない0.973の日本は世界順位が65位とされている。この分野の世界最下位は中国であり同国のスコアは0.935である。トップとのスコアの差は0.045で、この格差の中に156か国がひしめいており、わずかなスコアの差がランク上の大きな差となって表れている。

 

 留意すべきは健康・寿命格差は各国の医療福祉水準の良し悪しを比較したものではなく、あくまでも当該国において医療福祉にアクセスする場合の男女の格差を示したものである。先進国、発展途上国を問わず一般に女性の平均寿命が男性よりも長いことは事実であり、指数化して比較すると一見男女格差が無いように見える点に注意すべきであろう。

 

(4)政治参画分野の男女格差

 この分野の世界1位はアイスランドで同国のスコアは0.760である。これに続く世界2位はフィンランドであるが、同国のスコアは0.669でありアイスランドと大きな開きがある。3位、4位はそれぞれノルウェー、ニュージーランドであり総合順位と全く同じである。日本はスコア0.061、世界順位147位であり、米国 (世界37位)、インド(51位)にはるかに及ばず、韓国(68位)、中国(118位)とも大きな差がある。中東諸国と比べても日本はUAE(24位)、イスラエル(65位)、エジプト(78位)と大きな差があり、トルコ(114位)、サウジアラビア(138位)よりも低い。

 

この分野トップのアイスランドのスコアと日本のスコアの差は0.699と極めて大きい。因みにこの分野の最下位はパプアニューギニアの0.000(即ち男女格差は無限大)であり、4分野の中では国別格差が最も大きい。

 

政治の男女格差は女性国会議員数、閣僚数、或いは過去50年間の女性元首(首相等)の在任期間でランク付けされているため全体的に各国ともスコアが低く、また同じ先進国でもヨーロッパに比べ日米のランクが低い結果となっている。

 

(続く)

 

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石油と中東のニュース(4月12日)

2021-04-12 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(コロナ関連ニュース)

・2020年のホテル占有率:1位中国58%、2位UAE54.7%

・1-3月のエジプトのホテル占有率、45%にとどまる

 

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

・ヨルダン、国王とHamza王子が揃ってハーシム家独立100周年式典に出席

・米国防長官、イスラエル訪問。武器供与、イラン問題等で意見交換

・イランNatanz核施設で停電事故。イスラエルのサイバー攻撃か

・印L&T、サウジの世界最大太陽光発電施設を受注

・バハレーンArcapita、米物流施設に2億ドルの投資。テキサスのFedEx集配施設も

・クウェイト航空、わずか半年でCEO交替

・UAEと日本が水素開発で覚書締結。 *

*経済産業省プレスリリース参照。

https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210409002/20210409002.html

 

 

 

 

 

 

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サウジアラムコと五大国際石油企業(IOCs)の2020年業績比較 (7)

2021-04-12 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0528AramcoVsIoc2020.pdf

 

5.Balance Sheetの比較:(続き)

(Equityが他社の2倍以上のアラムコ!)

(2)負債・資本 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-6-37.pdf 参照)

 6社の資本(Equity)、長期負債(Non-current liabilities)及び流動負債(Current liabilities)の金額及び全体に占める比率を比較すると以下のとおりである。

 

(2-1)資本(Equity)

資本が最も大きいのはアラムコの2,936億ドルであり、IOC5社で最も大きいのはExxonMobil(1,572億ドル)である。その他4社はShell(1,468億ドル)、Chevron(1,327億ドル)、Total(1,061億ドル)であり、bpは最も少なく856億ドルである。アラムコを100とした場合、ExxonMobilが54、bpは29となる。

 

(2-2)長期負債(Non-current liabilities)

 長期負債はアラムコが1,520億ドルと最も多く、次いでbp及びExxonMobilが1千億ドルを超えている。長期負債が全体に占める比率はbpが46%と最も高く、ExxonMobil、Total、Chevron、アラムコの4社はいずれも30%台であり、Shellだけが19%と5社よりもかなり低い水準にとどまっている。

 

(2-3)流動負債(Current liabilities)

 流動負債が最も多いのはShellの1,585億ドルでありIOC他社およびアラムコがいずれも1千億ドル未満であることに比べ突出して多い。因みにShellに次いで流動負債が多いのはアラムコの649億ドルであり、次いでTotal647億ドル、bp 598億ドル、ExxonMobil 564億ドルである。Chevronの流動負債は222億ドルでShellの7分の1の少なさである。

 

(続く)

 

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日本は世界120位、政治参画分野の低さが致命的-世界と中東主要国の「男女格差指数」(2)

2021-04-11 | その他

(世界ランクシリーズ その5 2021年版)

 

(北欧諸国がトップ独占、日本は韓国にも追い越されて世界121位!)

2.2021年の男女格差指数世界ランク

(表http://rank.maeda1.jp/5-T01.pdf 参照)

 2021年の世界男女格差ランクのトップ(即ち男女の格差が最も少ない国)は昨年に引き続きアイスランドである。同国の格差指数は0.892で昨年の0.877より向上している。これに続く2位はフィンランド(指数0.861)、3位ノルウェー(同0.849)、4位ニュージーランド(同0.840)であり、5位はスウェーデン(同0.823)がランクされている。上位5か国のうち4カ国は北欧諸国である。昨年の世界ランクと比較すると1位はアイスランドで変わらず、2位と3位は順位が入れ替わり、スウェーデンは昨年の4位から今年は5位である。北欧諸国が上位5か国のうち4か国を占めていることは変わらない。

 

 日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、英国は23位、米国は30位である。一方アジアの主要な国のランクは韓国の102位をはじめ中国107位、インド140位といずれも世界156カ国中では100位以下の下位グループである。このような中で日本は世界ランク120位であり、インドよりは高いものの、韓国或いは中国を下回っている。

 

上記6カ国の世界ランクを前回(2020年、対象国数153カ国)に比べると、日本は121位から120位にわずかながらランクアップしている。米国が前回の53位から今回は23ランクアップし世界30位に躍進しているのが注目される。逆にインドは一挙に28ランク下落し、前回の112位から140位にダウン、日本を下回っている。韓国は昨年の108位から102位に上昇し、中国(107位)を上回っている。

 

 中東の主要国では、イスラエルが世界60位と最も高い。UAEは前回の120位から今回は72位に大幅にランクを上げてイスラエルに続いている。その他の中東諸国はいずれも世界ランク100位以下であり、エジプト129位、トルコ133位、サウジアラビア147位、イラン150位にランク付けされている。エジプトは昨年より5ランクアップし、一方トルコは3ランクさがった結果両国の世界ランクが逆転している。サウジアラビア及びイランは156か国中のほぼ最低ランクにとどまっている。世界最下位の156位はアフガニスタンであるが、そのすぐ上にイエメン(155位)、イラク(154位)、シリア(152位)が並んでおり中東諸国は男女格差が極めて大きい。

 

(続く)

 

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