石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

(再掲)SF小説「イスラエル、イランを空爆す」(4)

2021-08-25 | 荒葉一也SF小説

(英語版)

初出:2010.7.26

三羽の小鳥()

未明に基地を飛び立ったイスラエル空軍のF16I戦闘機3機はアラビア半島の付け根を横断し、サウジアラビアとイラクの国境線上空を飛行しつつあった。東の空が白み眼下のネゲブ砂漠に陽光がさし始めた。砂漠の起伏が波のような影を作り、その影と赤茶けた砂礫が黒と赤の絶妙なコントラストを描いている。何万年いや何百万年昔からの変わらぬ光景だ。ヨーロッパとドバイを結ぶ民間定期便のパイロットにとっては見慣れた風景であるが、今回のミッションに赴く若きパイロットは感動的な面持ちで眼下の風景を眺めていた。雲ひとつない真青な空と乾燥し切った砂漠の狭間を三羽の小鳥たちはひたすら東に向かって飛翔を続けた。

 

イスラエル空軍選り抜きの3人。彼らは肌の色も父祖の出身地も、さらにパイロットになるまでの経緯も対照的と言えるほどに異なっている。それでも彼らは「祖国イスラエル」を守ると言う気持ちが誰よりも強く固い絆で結ばれていた。彼らはお互いをニックネームで呼び合っている。3人のリーダー役で雁行飛行の先頭を飛ぶのは「エリート」。右翼後方の二番手が「マフィア」。そして左翼後方三番手のパイロットが「アブダラー」である。

 

普通のイスラエル人であればこれらのニックネームを聞いただけで本人の出自がすぐにわかる。「エリート」の父親は第一次中東戦争、一般にはイスラエル独立戦争と呼ばれる戦いで活躍、その後は空軍パイロットとして三度の中東戦争でエジプト、シリアのソ連製ミグ戦闘機を撃墜するなど輝かしい戦功をたてた。1991年には空軍司令官として有名な「ソロモン作戦」の現場指揮をとっている。「ソロモン作戦」とはエチオピア内戦で首都アディスアベバに孤立したユダヤ教徒一万数千人をイスラエルに空輸すると言う空前絶後の作戦である。作戦名が両国を結びつけた古代の歴史「ソロモンとシバの女王」に因んだものであることは言うまでも無い。父親は将軍にまで上り詰め、退役した今も政府及び軍部の御意見番として穏然たる勢力を保っている。

 

「エリート」とその一族はアシュケナジムである。アシュケナジムは元々ドイツに住んでいたユダヤ人であり、彼の父も祖父もナチスのユダヤ人狩りで強制収容所に送られ、祖父はホロコースト(大虐殺)で亡くなった。父親もガス室に送り込まれる運命であったが、寸前に戦争が終結し強制収容所から救出された。まだ若かった父親はユダヤ人の祖国建設を目指すシオニズム運動に身を投じイスラエルに移住した。彼はそこで同じアシュケナジムの女性と知り合い二人の間に生まれたのが「エリート」である。

 

雑多な人種、国籍の移住者で構成されているイスラエルでは建国の中心となったアシュケナジムはエリートである。とりわけ「エリート」の一家はWASPと呼ばれる飛びきりの上層階級である。普通WASPと言えば米国東海岸のエスタブリッシュメントの代名詞「ホワイト(W)・アングロ(A)サクソン(S)・プロテスタント(P)」のことであるが、ここイスラエルでは「ホワイト(W)・アシュケナジ(A)・サブラ(S)・プロテクシア(P)」の略称である。サブラとはイスラエル建国のために最初に移住した人たちのことであり、いわばメイフラワー号で米国に上陸した移民家族のようなものである。そしてプロテクシアとは人脈があることを意味する。

 

仲間から「エリート」と呼ばれるのは、彼がこのような華麗な血脈と人脈をバックにしているためである。

 

(続く)

 

荒葉一也

 

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ19(天然ガス貿易篇5)

2021-08-25 | BP統計

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0539BpWorldEnergy2021.pdf

 

(3) パイプライン貿易

2020年のパイプラインによる天然ガスの国別輸出入量は概略以下のとおりである。なおパイプライン貿易では米国とカナダのように相互に輸出入を行っている国がある。例えば2020年に米国はカナダから682億㎥の天然ガスを輸入する一方、カナダとメキシコへ合わせて761億㎥を輸出している。国境をまたぐ多数の天然ガスパイプラインがあるためである。またオランダのようにかつてヨーロッパ一円に天然ガスを輸出していたが、現在ではむしろパイプライン網の中継点としてロシアから輸入した天然ガスを周辺国に再輸出しているケースもある。

 

(世界のパイプライン貿易の4分の1を占めるロシア!)

(3-1)国別輸出量

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-2-G01.pdf 参照)

 パイプラインによる天然ガス輸出が最も多い国はロシアでありその輸出量は1,977億㎥、世界の総輸出量の25%を占めている。ロシアの輸出先はほとんどがヨーロッパ向けで、一部中国にも輸出されている。第2位のノルウェーの輸出量は1,069億㎥(シェア13%)であり、年間輸出量が1千億㎥を超えているのはこの2カ国だけである。両国に次いで輸出量が多いのは3位米国(761億㎥)、4位カナダ(682億㎥)、5位トルクメニスタン(316億㎥)、6位オランダ(281億㎥)、7位アルジェリア(261億㎥)であり、冒頭に述べたように米国とカナダは相互に輸出入を行っている。これら上位7カ国による輸出量は全世界の3分の2を占めている。

 

世界第8位、第9位及び10位はカタール(218億㎥)、イラン(160億㎥)、カザフスタン(140億㎥)である。カタールはLNGの輸出で世界2位であるが(前項参照)、ドルフィン・パイプラインと呼ばれるパイプラインにより、天然ガス資源の乏しいUAEに発電及び海水淡水化用の燃料として輸出している。

 

(パイプラインによる天然ガス輸入量トップはドイツ!)

(3-2)国別輸入量

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-2-G02.pdf 参照)

 2020年にパイプラインによる天然ガスの輸入量が最も多かったのはドイツの1,020億㎥であった。これに次ぐのが米国(682億㎥)であるが、上記に述べた通り米国はカナダ、メキシコに自国産天然ガスを輸出する世界第3位の輸出国でもある。第3位以下はメキシコ(543億㎥)、イタリア(508億㎥)、中国(451億㎥)、オランダ(384億㎥)である。ドイツの主たる輸入先はロシア及びノルウェーであり、イタリアはロシア、アルジェリア等から輸入している。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                              Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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石油と中東のニュース(8月24日)

2021-08-24 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油、3ドル強値上がり。Brent $68.45, WTI $65.45

(中東関連ニュース)

・ヨルダン国王、ロシア訪問。プーチン大統領と会談

・イラン、ロシア、中国:年末年始にペルシャ湾で3か国合同軍事演習計画

・茂木外相、イラン大統領と会談、日本国内の凍結資産解除求められる

・日本とイラン、税関相互支援協定締結。 *

外務省ホームページ参照。

・カタール議会選挙、10月2日投票

・アフガニスタン タリバン幹部:暫定政府樹立は遅れる見通し

・アフガニスタン、中央銀行総裁代行を任命

・イラン、タリバンの要請でアフガニスタンにガソリン供給

・ロシアとトルコ、近くS-400防空システムの追加契約

・イラク首相、クウェイト訪問、首長と意見交換

・ドバイ、資金洗浄対策特別法廷設立

 

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ18(天然ガス貿易篇4)

2021-08-24 | BP統計

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0539BpWorldEnergy2021.pdf

 

(2) LNG貿易(続き)

(今年中に中国が日本を追い抜く!)

(2-3) 2010年~2020年の国別輸入量の推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-1-G03.pdf 参照)

 世界全体のLNG輸入量は2010年の3,024億㎥から2020年には1.6倍の4,879億㎥に増加している。10年間を通じて輸入量が世界で最も多いのは日本であり、2010年は964億㎥、2020年は1,020億㎥であった。この間特に2011年、12年両年の対前年伸び率は二桁となり、2014年には10年間で最高の1,218億㎥のLNGが輸入されている。これは原発の運転停止のため火力発電用LNGの輸入が急増したことが主な要因である。しかし2015年以降はほとんどの年で前年より減少しており、特に2019年は前年比▲6.6%の大幅な減少となった。2020年もコロナ禍の影響で▲3.3%減少し、同年のLNG輸入量は2010年とほぼ同じ水準の1,020億㎥にとどまった。この間の日本の平均増加率は1.2%に対し、世界のそれは5.5%である。この結果日本のLNG輸入が世界全体に占める割合は2012年の37%をピークに一貫して下がり続けており2020年のシェアは21%である。

 

これに対して世界第2位のLNG輸入大国になったのが中国である。2010年の中国のLNG輸入量は130億㎥であり日本の7分の1、韓国の3分の1に過ぎず、台湾よりも少なかった。しかしその後急激に増加、2012年には200億㎥、2016年には300億㎥、そして2020年にはついに940億㎥に達し世界2位のLNG輸入大国になったのである。この結果世界に占める割合も2010年の4%から2029年には19%に拡大している。中国は今年中にも日本を追い越し、世界一のLNG輸入国になるものと見られる。

 

日本、中国に次いで輸入量が多いのは韓国であるが日本あるいは中国との差は大きい。同国の輸入量は2010年が450億㎥であり、2020年には1.2倍の553億㎥に増加しているが日本、中国の2分の1である。

 

この他の主なLNG輸入国はインド、台湾、スペイン、フランスであるが、上位5か国は全てアジア諸国であり、特にそのうち4カ国(日本、韓国、中国、台湾)は極東アジアの工業国である。日本、韓国及び台湾は国内にガス資源が殆ど無く、またパイプラインで近隣国から輸入する手段も無いためLNGに依存している。なお2000年には10数カ国にとどまっていたLNGの輸入国の数は現在30カ国以上に増加しており、LNG受入設備を建設中の国もある。今後LNG貿易はこれまでの需給直結型に加え、市場での転売を目的とした中継貿易型も増えると見られ、LNG貿易に参入する国は多様化するものと見込まれる。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ17(天然ガス貿易篇3)

2021-08-22 | BP統計

(2) LNG貿易(続き)

(ついにトップに躍り出たオーストラリア、急成長する米国!)

(2-2) 2010年~2020年の国別輸出量の推移

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-1-G03.pdf 参照)

2010年に3,024億㎥であったLNGの輸出量は2012年から2015年までは停滞したが、2017年及び2018年は9%強、2019年は12%の高い増加率を示した。この結果、2020年のLNG輸出総量は4,879億㎥に達しており、これは2010年の1.6倍であり、この間の年平均成長率は5.5%を記録している。

 

国別で見ると2010年当時はカタールの輸出量が778億㎥で全世界に占める割合は26%であり、これに次いでインドネシア324億㎥(11%)、マレーシア310億㎥(10%)、オーストラリア258億㎥(9%)であった。その後カタールの輸出量が急激に増加、2011年には1千億億㎥を突破、世界に占める割合も3割を超えている。カタールは年産7,700万トン体制と呼ばれる世界最大のLNG生産能力を確立したことが飛躍の大きな要因である。一方。このころから米国でシェールガスの開発が急速に発展しカタールの過剰設備が危惧されたが[1]、福島原発事故によるLNGの突発的需要増で設備はフル稼働の状況となった。但し2013年の1,058億㎥、シェア32%をピークにカタールの輸出量は足踏み状態となり、その結果シェアは下降気味であり、2017年には30%を割り、2020年は2010年を下回るシェア21.7%まで低下している。

 

一方でロシアがLNG輸出能力を高めつつあり、またオーストラリアでは新しいLNG輸出基地が稼働を始め、さらに米国でも輸出が始まるなどカタールの地位を脅かす動きが出ている。オーストラリアの2020年の輸出量は2010年の4倍弱の1,062億㎥に達し、ついにカタールをしのいでLNG輸出世界一になった。

 

特筆すべきは近年急速に輸出を伸ばしている米国である。同国は2015年まで日本向けアラスカ産LNG数億㎥の輸出にとどまっていたが、シェールガスの開発により国内需要を上回る天然ガスが生産されるようになり、LNGの輸出基地建設に着手した。この結果輸出量は2016年の40億㎥から2017年には171億㎥に急増、2020年にはついに614億㎥を輸出し、カタール、オーストラリアに次ぐ世界第3位のLNG輸出大国になっている。

 

 インドネシアはかつてカタールに次ぐLNG輸出大国であったが、ここ数年減少に歯止めがかからず2010年の輸出量324億㎥が、2020年には168億㎥に半減している。同国は大きな人口を抱えているため今後さらに輸出余力が乏しくなるのは間違いなく、かつて石油の輸出国から純輸入国に転落したようにいずれ天然ガスについても同様の道を歩む可能性が高い。

 

(続く)

 

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[1] 拙稿「シェールガス、カタールを走らす」参照。

http://mylibrary.maeda1.jp/0148ShaleGasQatar.pdf 

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石油と中東のニュース(8月22日)

2021-08-22 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油、3か月来の安値から若干回復。Bret $66.69, WTI $64.07

・イランの7月原油生産249万B/D、前年同月比28%増:OPEC月報。 *

イラン石油生産の推移(2018.1月~)

(中東関連ニュース)

・トルコ、アフガン難民に備え厳戒態勢。イラン国境に295KMの壁建設

・アフガンからカタールに7千人避難、UAEにも8,500人

・トルコ大統領、ロシア大統領とアフガン問題で電話会談。情勢注視を要請

・茂木外相、トルコ大統領を表敬訪問

外務省記者発表参照

・レバノン、数百万人が深刻な飲み水不足に。UNICEFFが警告

・ヨルダン:国王がUAE安全保障アドバイザータハヌーン殿下と会談

UAEアブダビナヒヤーン家系図参照。

・サウジ、輸出市場開拓のため米中印など11カ国とFTA7締結模索

 

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今週の各社プレスリリースから(8/15-8/21)

2021-08-21 | 今週のエネルギー関連新聞発表

8/17 コスモエネルギーホールディングス

実質的な主要株主による株式の一部売却について

https://ceh.cosmo-oil.co.jp/press/p_210817/index.html

 

8/18 INPEX

クリーン・アンモニア・サプライチェーン実証に向けたアブダビ国営石油会社との売買契約の締結について(お知らせ)

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20210818.pdf

 

8/19 ENEOS他

バイオ原料を使用したエチレン誘導品の供給に向けた共同調査開始について

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20210819_01_01_2008355.pdf

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BPエネルギー統計2021年版解説シリーズ16(天然ガス貿易篇2)

2021-08-20 | BP統計

(2) LNG貿易

(輸入トップは日本、輸出ではオーストラリア!)

(2-1) 2020年のLNG貿易

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/5-1-G01.pdf 参照)

 2020年の全世界のLNG輸出入量は4,879億㎥であった。輸入を国別でみると最も多いのは日本の1,020億㎥であり輸入全体の21%を占めており、第2位は中国940億㎥(シェア19%)、第3位は韓国553億㎥(同11%)である。中国のLNG輸入量は年々増加しており、2017年には韓国を追い越して世界2位の輸入大国になっている。一方日本のLNG輸入量は減少或はほぼ横ばい状態にあるため中国との差は年々縮まっている。因みに日中韓3か国だけで世界のLNG輸入量の52%を占めている。第4位はインドでその輸入量は358億㎥、第5位は台湾(247億㎥)であり、アジアの経済大国が上位を独占している。これらの国々に次ぐのはスペイン(209億㎥)、フランス(196億㎥)、英国(186億㎥)、トルコ(148億㎥)である。

 

 一方国別輸出量ではオーストラリアが最も多い1,062億㎥であり、第2位には僅差でカタール(1,061億㎥)が並んでいる。両国の世界に占めるシェアは共に22%であり、この2か国だけで世界の44%を占めている。輸出国の第3位、第4位は米国(601億㎥)及びロシア(404億㎥)であるがトップ2カ国とは大きな差がある。

 

(注)ここに掲げた数値は純輸出入量であり、輸入と輸出双方がある場合は両者を相殺した数値とした。例えば米国の場合2020年のLNG輸入量13億㎥に対して輸出量は614億㎥であり、差し引き601億㎥の輸出となる。因みに2019年の米国のLNG輸出量は474億㎥であり輸出量ベースでは2020年は140億㎥増加している。

 

(続く)

 

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石油と中東のニュース(8月20日)

2021-08-20 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・原油価格、5月以来の安値。Brent$66.36, WTI $63.50

・サウジの7月原油出荷597万B/D、6月生産量は893万B/D。 *

*参考グラフ「サウジの原油生産量推移(2018.1月~)

(中東関連ニュース)

・ガーニー・アフガン大統領の亡命、UAEが人道的見地で受け入れ

・UAEにアフガン避難民の英国軍用機到着、ロンドン乗り継ぎへ

・エルドアン大統領:トルコはアフガン難民の聖地にあらず。欧米をけん制

・アフガン在外資産の大半は米国。タリバン動向見極めまで凍結

・茂木外相中東訪問:ヨルダン外相と会談。 *

*外務省「茂木外務大臣の中東諸国訪問」参照。

・レバノン ヒズボッラー党首:イランから燃料救援タンカーが来航。米国制裁で荷揚げに難題

 

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コロナ禍は乗り越えたが岐路に立つ国際石油企業:2021年4-6月期決算速報 (4)

2021-08-19 | 海外・国内石油企業の業績

3.売上高利益率

(今期売上高利益率は団栗の背比べ!)

(1)当期売上高利益率 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-53.pdf 参照)

IOC5社の今期売上高利益率はChevronが8.5%と最も高く、続いてbpが8.3%、ExxonMobil 6.9%、Shell5.7%であり、5社の中で売上高利益率が最も低いのはTotalEnergiesの4.7%である。

 

(悪夢の2020年!)

(2)2019年7-9月期以降今期までの利益率の推移 

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)

2019年7-9月期から今期(2021年4-6月期)までのIOC5社の売上高利益率の推移を見ると、2020年は各社とも大幅な下振れを経験しており悪夢の一年間であったと言えよう。

2019年7-9月期の売上高利益率はChevronの7.4%を筆頭に、Shell6.6%、Total5.8%、ExxonMobil4.9%といずれもプラスの利益率で、bpのみが▲1.1%であったが、5社の格差はそれほど大きくはなかった。2019年10-12月期にChevronの利益率は▲19.1%と大幅に下落した。さらに2020年4-6月期には全社がマイナス決算となり、損失率もShell、bp及びChevronは▲50%台を記録している。比較的損失率が低かったExxonMobilも10-12月期には▲43%の大幅なマイナスを記録、昨年1年間はIOC各社いずれも厳しい決算を余儀なくされた。

2021年に入り各社とも業績が回復、1-3月期は全社の利益率がプラスとなり、この傾向は4-6月期も続いている。

 

(続く)

 

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                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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