実は車をネットワークに繋ぎたがっているのはカーメーカーだ。
車の状態を手許で管理することで、顧客を囲い込める。
故障診断システムと連携し、修理、メンテナンスが必要になったら、積極的にサービス勧誘をすることで、アフターセールス利益を確保すると共に、囲い込みによる次期車買い換えを狙える。
消費者にとってこのサービスはどう評価されるのであろうか?
車の整備はディーラーにお任せ、という人(おおむね50%程度だろう)には、便利な仕組みではある。しかし、このサービスはあくまで「有料サービスのご案内」であり、消費者が利用料を払うという性格のものではない。
もともとディーラーのサービスを利用しない人たちにとってはなおさらであろう。
そこで、カーメーカー側は様々なサービスを付加して、何とか利益の出る有料サービスにしようとしている訳だが、肝心のキラーコンテンツが見つからない、というのが現状だろう。
ビジネスモデルとして残された道は、車載機器と通信費をカーメーカーの囲い込み促進費として計上する「コストモデル」化である。
囲い込みによる収益アップがコストを上回れば、ビジネスモデルとして成立する。