ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ホンダ インターナビは正しい

2004年08月18日 | ITS
自動車情報サイトレスポンスで、神尾 寿氏のインタビューに答えて、ホンダ技研工業インターナビ推進室長 今井 武氏は同社のテレマティクスのスタンスについて明確に語っている。(記事)
ここに示されている考え方は極めて正しいと思う。

消費者が求めていることと、(ホンダ以外の)カーメーカーや通信キャリア、コンテンツサービス業者がビジネスチャンスだと思っていることが乖離している。

消費者は車を使う上での基本的な利便性を向上させたいのであって、車の中でe-コマースがしたい訳ではないし、ゲームをしたいわけでもない。それは携帯や家庭のPCでやる事である。

車を使う上での基本的利便性とは、正確な渋滞情報に基づく経路誘導であり、最新地図情報であり、緊急時レスキューであり、本当に価値のある(宣伝ではない)観光・レストランガイドである。
それをきっちり押さえていくことで車の装備としての価値が上がり、結果車の価値が上がる。消費者から見ればテレマティクスなどという難しい話ではなく、単純にナビゲーションの機能アップなのである。
選択肢として有料情報があっても構わないが、テレマティクスそれ自身をビジネスモデルにするという考え方には無理がある。

また、こうした利便性をきちんと提供することで車自身の差別化をはかり、その結果として消費者を囲い込むべきであり、車をネットに繋いで手許に情報を集めてCRMを行い、消費者を囲い込むというアプローチは成立しないと思う。

ETC利用者84%が「次の車にも装着」

2004年08月18日 | ITS
ガリバー自動車流通研究所はETC利用者の意識調査結果を発表した。

ETC利用者がETCを使ってみて良かったことの第1位は、「スムーズな料金所の通過」で過半数の55%。第2位が「割引制度」、第3位が「渋滞での優越感」。まあ、当然と思える結果である。

最も興味深い調査結果は、84%のユーザーが「次に乗り換えるときもETCをつけたい」と回答しており、逆に「つけない」と完全に否定しているユーザーは4%にとどまっている点で、全体的に見てかなり高い満足度だと言えよう。

また、新車乗り換えをきっかけにETCを装着したというユーザーが増加してきている。
ETC出現時には、関心の高いユーザー(業務ユーザー、高頻度ユーザー、マニア)が専門店やカーショップで装着していたが、だんだんと一般認知が進行し、普通のユーザーが新車購入をきっかけに装着し始めている、と考えられる。実際、同レポートにはホンダディーラのインタビューが載っているが、新車の1/3に装着されているとのこと。

オプション選択比率1/3というのは自動車用品の世界では非常に高い数値であり、ここまで装着率が上がるとカーメーカーは標準装備を考えるものだ。

ETC装着率は更に上昇し、最終的にはカーメーカーの標準装備になっていくと思われる。

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一方で、これはETCにしか使えないDSRC車載機がどんどん普及するという事でもあり、DSRC商業決済利用を本気でやるなら早急に相互接続等の標準化問題をクリアし、車載機を対応させる必要がある。新車に装着したユーザーは7年後でなければ買い換えない。
このままでは2010年の11兆円は絵に描いた餅になる恐れがある。