ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

市場規模の検証(3)

2004年08月26日 | ITS
次は車載機である。
2010年単年度で1兆5千億円といっているが、どうか。

答申では
「ITSに係る車載機等の端末機器は、将来、サービスの高度化が進展し、また、端末機器を装備する車内空間はもともと限られたものである等の理由から、高機能化・多機能化が進展するものと予想される。高機能化・多機能化の具体例として、カーナビゲーション車載機はその機能の高度化に伴い、パソコン機能やインターネット接続機能、データベース機能、車両制御機能等を備えた高機能車載機へと移行するものと予想される。」

といっている。車載機といっても、ナビゲーションを意味していると考えて良いだろう。この先5年でいきなり自動車PCの様な新商品が出てきて、ナビはそのアプリケーションの一つになるとは考えにくい。

ワープロ専用機がPCに駆逐された歴史から、将来はナビも自動車PCのような形になっていくという考え方もある。しかし、自動車の中でユーザーがしたいことは基本的には移動・運転であり、それほど汎用性のあるハードが求められるとも思えない。

2010年時点でのナビゲーション車載機の市場を予想してみよう。
年間新車販売台数の4割に装着(含むメーカー標準)として年間販売数量400万台、単価20万円として8000億円となる。
4割という数字は大衆車などに標準装備となることでもっと上がる可能性を持っている。しかし、その場合は単価も下がる。まあ、この程度だろう。

次にETC車載機。新車の7割に装着で、700万台。単価は1万5千円。1050億円。

合計1兆円強といったところである。