ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

三菱電機DSRC応用システムを開発

2004年08月19日 | ITS
さる7月15日、三菱電機は音声ガイダンス機能を実現したDSRC応用システムの開発を 公表した。
リンクからプレゼン資料のPDFが見れます。

内容としては、ETC技術であるDSRCのその他利用拡大であり、私が繰り返し「あり得ない」とこのブログで主張しているものである。

資料の中の適用例として上げられている事例は相変わらず大きくいって以下の3点である。

・路側機による道路状況の提供
 →「この先通学路注意」って、何で標識じゃいけなんだ?
・その人だけに特別な情報提供
 →「XXスーパーでは鮮魚の特価サービス」なんて、受信したい?
・駐車場、ガソリンスタンド、ドライブスルー決済システム
 →駐車場以外、そんなに便利とは思えないけど?

まあ、それよりも驚いたのはDSRCサービスの市場規模で、この資料は三菱電機が作ったものではなく、電気技術審議会ITS情報通信システム委員会のものだが、その内容は以下の通りである。

2000年~2015年までの累計ITS市場規模 60.3兆円
うち、情報通信サービス市場規模         30.0兆円
うち、DSRCサービス関連(除くETC)    11.6兆円

この11.6兆円の内訳として、ガソリンスタンドで5.9兆円、駐車場料金徴収1.7兆円等となっている。

ガソリンスタンドの5.9兆円の意味は何だろうか?ガソリンスタンドに設置されるDSRC機器の市場だろうか?そうでもなさそうだ。
ガソリンスタンドは全国に5万カ所。一店舗当たり1億円になってしまう。

ということは、DSRCで決済されるガソリンの売上ということか?
つまり、11.8兆円といっているのは、DSRCを使って決済される金額の事なのか?それって、市場規模というのか?

通常、「市場規模がある」といえば、新たなマーケットが形成されることを意味する。だからこそ、経済活性化策として期待されているのではないか。

しかしガソリンはDSRCあろうと、現金であろうと消費される量は変わらない。「便利だから沢山買う」ものではない。

この金額は非常にミスリーディングだと言わざる得ない。